2015四大陸選手権・女子SP

フィギュア日本女子シングルは長らく栄光の時代が続いていましたけど、今季は浅田真央の休養や鈴木明子の引退があって、あわただしい世代交代のシーズンとなってしまいました。
そこでやはり気になるのは世界選手権の”3枠”を維持できるかどうかという問題。
私はシーズン前からこればかりを考えちゃっています。枠が多ければ多いほど選手が経験を積めますからね。
そしてこの四大陸選手権はそのためのひとつの物差し。
3枠のためには世界選手権で6位+7位を取らなければならないわけですが、ならば四大陸では最低でも表彰台に2人立たなければ話になりません。そういう厳しい戦いです。
では、そんな緊張感を持ってテレビ観戦した2015四大陸フィギュア女子SPを振り返ってみたいと思います。

3枠を守るのと同じくらい大切な次世代の育成、その代表として出場したジュニアの永井優香さんのSPは『エデンの東』。
これがもちろんシニアデビュー戦ですから、緊張があるかと思っていましたが、思い切りのいい滑り出しから、冒頭は3T+3T!決まったかと思われたものの、セカンドで後ろに体重が残ってわずかにステッピングアウト、惜しい。
しかし、気を取り直しての3Lzをしっかり跳び、丁寧なスピンを2つ回って(体が少し硬いので難姿勢ではありません)の後半2Aもよし。ジャンプを振り付けのなかで跳べるのが素晴らしいです。
ステップは優雅で落ち着きがあって、とても16歳とは思えませんでした。本番力も高いですね。
演技全体もよくまとまっていて上々のシニアデビューだったんじゃないでしょうか。
SPは56.94(TES31.59・PCS25.35)。
この日は落ちていてよく滑っていましたけど、FSでは”攻める”部分も見たいですね、もう一段上に行くためにも!

カナダのアレイン・チャートランドは、日本の宮原さんや本郷さんより少し力の劣る選手ですけど、ジャンプが得意な選手なので爆発すれば怖い存在。
このSPでは2Aから入って3Lz+3Tが回転不足気味(UR)の両足着氷、後半の3Loは丁寧な着氷。
ステップシークエンスでは体はよく動いているものの、そのひとつひとつがやや雑なのが残念。
ただ、演技全体は高いフィジカル能力を生かした迫力がありました。
SPは58.50(32.23・26.27)。

そのチャートランドを抑えてカナダ女王に輝いたガブリエル・デールマンはおっきな3T+3Tで勢いよく演技に入って、その余勢でスピン2本を回ったものの、後半のコンボ予定がまさかの2Lに(規定でノーカン)。
それでも2Aを確実に降りた後のステップは集中した丁寧な演技、最後のコンビネーションスピンもしっかり回ってフィニッシュ。大きなミスがあったのでかなり悔しそうでした。
SPは55.25(29.10・26.15)。
細かい技術はまだまだ拙く、引き出しも少ない選手ですが、演技のひとつひとつが丁寧なのは好印象。
まだ17歳になったばかりですし、今後もっと伸びてくるでしょうね。

そのすらっと伸びた長身から繰り出す華やかな演技に大器の片鱗が見えるポリーナ・エドモンズ(アメリカ)。
私は彼女こそが日本女子が目指す3枠への最大の障壁だと思っています。
このSPでも切れ味するどい3Lz+3Tで始まると、ピンと伸びたビールマンスピンの後の3F(アウトエッジ気味)も無事着氷。
大胆なタンゴのステップを散りばめながら、後半は慎重に2Aを決め、長身を生かしたスピン、上体も足元もよく動くステップシークエンスでゴージャスにフィニッシュ!
全体的にはミスなく丁寧い、といった感じでしたけど、十分な内容のSPでした。
スコアは61.03(33.26・27.77)。
もうちょっと出るかと思いましたけどフリップに”!”がついていたので仕方ありませんね。
それにしても、身体能力の高さ、音楽表現の巧みさ、よく鍛錬されたフットワーク、そして飽くなき向上心、本当にいい選手です。

今大会優勝候補筆頭のグレイシー・ゴールド(アメリカ)でしたけど、見るからにぽっちゃりしていて、調整不足な感じは否めません。
冒頭3Lz+3Tの着氷でこらえきれずに手で壁ドンすると、目が合った会場スタッフに笑顔で挨拶、こういうところは絵になります。
得意のスピンではいつもより切れはないものの技術的には安定、身のこなしもやや鈍いものの正確。
そんな具合になかなか勢いが出てこないので後半が心配でしたけど、3Loを綺麗に決めたのはさすが、しかし次がまさかの1Aになってノーカン。
ステップシークエンスでも上手い動きはあるものの、息が上がって演技内容は鈍いものに。
こうなるとグリーグのピアノ協奏曲の雰囲気はなかなか出せませんよね。
要素のひとつひとつは、勢いよく入ったと思ったら、緩んで終わる、という感じでした。
しかし、SPは62.67(32.53・30.14)で暫定1位。ポリーナが可哀想。
フィギュアスケートってこういう意味不明な採点がときおりあるので、観客や視聴者が白けるんでしょうね。

けれども、このゴールドの不調は日本勢にとってはチャンスです。どういう形にしろ、”ゴールドに勝つ”という結果は大切ですからね。
そうして登場するのは新日本女王・宮原知子!
こましゃくれた演技で観客の視線をぐっと集めて、滑り始めた宮原さん、冒頭の3Lz+3Tはやや着氷がぐりっとしたもののまずまず 得意の逆回転スピンやキャメルスピンは相変わらずの正確さ。落ち着いていい序盤戦。
後半の鬼門といえる3Fも力強く踏み切って成功させると 2Aは丁寧に降り、そこからは細かく音をひろうステップシークエンス 動きにも余裕がありました。
そして最後は宮原さんの気質がうかがえる、一本筋が通ったようなビールマンでフィニッシュ!
いつもながらの凄まじい安定感。こういう高いレベルの演技を繰り返すというのはとんでもない精神力だと思います。
SPは64.84(35.81・29.03)でパーソナルベスト!
これにはキスクラの宮原さんもちょっとびっくりしていましたけど、目をつけられている3Lz+3Tの回転不足が取られていませんでした。
本人も「ラッキーだった」と語っていたように私にもいつもと変わらないように見えましたけどね…。
これが”全日本女王”ということでしょうか。
それでも宮原さんは少しも慢心したところがなく、自分自身で課題にしているところは立派。
その姿勢こそが”全日本女王”です!
(※ただ、回転不足に関しては、あまり言質を取られるようなことはいわない方がいいと思います。見逃されたら見逃されたで、「今日はいいジャンプだった」とかいって、心のなかで「もっとしっかり回ろう!」と思っていればいいわけです。)

全日本では宮原さんと大接戦を演じた本郷理華さん。GPS優勝やGPF出場は宮原さんに先んじているのでダブルエースと呼びたいですよね。
冒頭の3T3Tを余裕を持って落ち着いて決めた本郷さん 丁寧なスピン2本で前半を終わらせ、後半冒頭の3Fはやや後ろに重心が傾いたものの無事着氷。大きく踏み外さないのは本郷さんの強さですよね。2Aはしっかりと成功。
ステップシークエンスではひとつひとつの動きを確かめるような滑り、最後のコンビネーションスピンも集中して回って堂々たる『海賊』。
この日はいつもより勢いもなく、本来のリズムではなかったように思いましたけど、それでも高いレベルで演技をまとめるのですから、本当に成長したものです。まさにシンデレラガールですよね。
SPは61.28(33.31・27.97)。
本郷さんは度胸満点ですし、FSでも期待通りの滑りをしてくれるでしょう。
私は彼女を信頼しきっています。

今季はなかなか調子が上がってこない李子君(中国)は、この日もセカンドトリプル予定が3F+2Tとなり、不穏なスタート。
しかし、柔軟性を生かしたスピンと愛らしいルックスで会場を沸かせた後は、ステップからすぐに3Loを跳ぶ切れ味のある
動き、2Aも綺麗。
後半のステップでもいつもは失速するところを踏ん張り、流れを失いませんでしたし、最後の片手ビールマンもお見事。
久しぶりにいい演技を見ました、『くるみ割り人形』もよく似合います。
SPは60.28(31.80・28.48)。
FSでも気迫でスピードを持続すればいい演技になると思います。世界選手権は上海なので、弾みにしてほしいですよね!

この結果、日本勢は宮原さんは首位、本郷さんが3位、永井さんが7位というなかなかの位置取り。
FSではなにか素晴らしいことが起きる予感!
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