2015四大陸選手権・女子FS(後)伝統を守った日本女子

(続きです。)
暫定1位のエドモンズを捉えるためには119点ほどが欲しい宮原知子さんですが、今季はGPSで121.53、118.33というスコアを出しているので、落ち着いて滑ればそうは難しくありません。
『ミス・サイゴン』の繊細な音楽にのって、洗練された動きで滑り出した宮原さん、冒頭の3Lz+2T+2Loは詰まり気味、次の3Fも高さが出ずに両足をつく着氷、どこか動きが硬い、リズムがいつもと違う。
それでも3Loはしっかり決めて、機械のように正確なステップシークエンス、そのままシットスピンに繋げて前半終了、流れが戻ってきた、かと思われたものの、後半冒頭の3Lzでまさかの転倒。宮原さんはミスが少ない選手なので本当に珍しい。
しかし、この宮原知子の凄味というのはミスから決して崩れないこと。
完璧2A+3Tを決めると、軸の細いビールマン、気迫の3S!ジャンプに勢いが出てきた!
そしてスタミナ抜群のコレオスパイラルでピアノの旋律をより引き立たせると、2A+3Tもばっちり着氷!後半セカンドトリプル×2を揃える女子はそうそういません!
最後の代名詞といえる足換えコンビネーションスピンもまったくぶれがありませんし、すごい練習量なんでしょうねえ。
ミスがあったとはいえ、十分な驚きを感じさせる演技でした。
ただ、もちろん宮原さん本人は悔しそうにがっくりしていたのはいうまでもありません。
FSは116.75(61.05・56.70・減点1)、合計181.59で惜しくも暫定2位。
SP1位から、その座を守れなかったことで、宮原さんはかなりショックを受けているような表情でしたけど、おそらく”全日本女王として優勝したい、しなければならない”という思いが演技を狂わせていたんだと思います。
しかし、それもいい経験です。重圧に打ち勝ったそのとき、真の女王と呼ばれるのです。
この四大陸の結果は宮原さんの負けん気に火を点けたはず!
 
スタミナ面の不安からFSではなかなかいい演技ができない李子君(中国)。
しかしもう18歳なのですから、いつまでもか弱い少女のままではいられません。
冒頭の3F+3T、2A+3Tをきっちり着氷させた李子君、エラーのある3Lzは両足になってしまったものの、まずまずの序盤戦。
独特のしなやかなさで優雅に彩るステップシークエンスで前半を終わらせ、課題の後半も3Lo、3F、キャメルスピンを挟んでの、3S、2A(後半のコンボは付けられませんでした)と連続着氷!
しかしもうこのあたりからスタミナ切れはあきらかで、顔も真っ赤になっていましたけど、必死にコレオを滑り、最後のコンビネーションスピン、片手ビールマンまでしっかり集中力を持って演じ切りました。
ひとつひとつの技術要素を食らいつくように仕上げていたのがとても印象的。この日は本当に気持ちが入っていました。
私はこういう演技が見たかった!
FSは115.84(58.44・57.20)、合計175.92。
これなら上海での世界選手権も期待が持てそう!
(※李子君にケチをつけるわけではありませんが、宮原さんより彼女の方がPCSが高いというのは納得がゆきません。
宮原さんと李子君は昨季と今季の2回直接対決があって、両方とも宮原さんが制していますし、今季のGPSでのPCSは
宮原さんが上でした。四大陸のSPもそう。ようするに宮原さんの方が格が上なんです。それがFSで簡単に逆転されるというのは”フィギュアの常識”でいうとあまり見ない光景です。エドモンズと宮原さんのFSのPCSがもし同じならば宮原さんが暫定1位だったということも考えても、やはり今大会の日本勢には逆風が吹いていたのかも。)

優勝候補筆頭ながらSPではミスを連発したグレイシー・ゴールド(アメリカ)はFSも心配でしたけど、出だしから1Lz+2T、2A+2Tの両足開き着氷という大失態で悪い予感的中。
3Loは成功させるも、絞り切れていない体の動きは重く、演技全体にもいつもの華やかさが出てきません。
それでも後半は開き直ったようにウォーレイからの3F、3Lz、冷静な3S+1T+1Lo(2Tの跳び過ぎをしないようにわざと)、2Aを成功させたのはさすが。
FSは113.91(53.50・60.41)、合計176.58。
今季は世界の頂点を目指す戦いになるかと思いましたけど、怪我もあって序盤からあまりモチベーションが感じられなかったゴールド。
全米女王はワグナーに取り返されちゃいましたし、下からはエドモンズが強烈に突き上げていることを考えれば、世界選手権では気合を入れ直さなければなりません。
このままではレイチェル・フラットのような競技人生になりかねません。体型もちょっと似てきましたしね…。

この結果、優勝はエドモンズ、そして2位宮原さん、3位本郷さんで、ダブル表彰台!
永井さんも6位に入りましたし、日本女子全体としては上々の結果だったのではないでしょうか。
内容もしっかりしたものがありました。
宮原さんは2度目の四大陸、本郷さんと永井さんはチャンピオンシップ初挑戦ということを考えれば立派としかいいようが
ありません。
私は新世代の3人が”強い日本女子”の姿を必死に守っていることに心打たれました。
結果というのは相対的なものですし、フィギュアは何があるかわからない競技なので、日本女子としての演技を追及し、自分と戦ってゆくことがこれからも大切です。
それが伝統を作るということです。

世界選手権では結果ばかりを気にせず、思い切った滑りをしてください。
スケート連盟やメディアが何をいおうと、日本のフィギュアファンは選手のみなさんの心根を見ています、努力のあとを
見ています。
がんばれ大和撫子たち!
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