マラソン、狙うべき日本人最上位は

今日3月8日に行われた名古屋ウィメンズマラソンで、前田彩里選手が日本人最上位の3位だったことが、ニュースなどで大きく伝えられていますが、私は違和感を覚えて仕方ありません。
15キロの給水所で他選手と接触して転倒しながらの2時間22分48秒は、日本女子としては8年ぶりの23分切りとはいえ、あくまで”3位”。レースはユニスジェプキルイ・キルワが30キロ過ぎから独走しての優勝なんです。
たとえばゴルフの国内ツアーでこのような結果が出てもまったくニュースにならないはずです。
今回は世界選手権の選考レースということもありますけど、そうでないレースだって「日本人最上位!」とスポーツニュースで大仰に伝えられていますよね。

これは男子も同じで、世界選手権の選考も兼ねた2月22日の東京マラソンで、今井正人選手が日本人最上位の2時間7分39秒で7位だったことも、日本男子の7分台は3年ぶりだと賞賛を持って伝えられていました。
しかし、これもあくまで”7位”ですよ。
ちなみに優勝したエンデショー・ネゲセのタイムは2時間6分0秒。絶望的な差です。

この2つのレースでも似たような感じでしたけど、最近の日本で行われるレース中継では、日本人トップばかりをカメラで追って、まるで日本選手が優勝争いをしているように視聴者を錯覚させることも少なくありません。
そして選手の方も、ゴールテープを切った後に、「日本人最上位で嬉しい」というお決まりの台詞をいいながら笑顔をこぼす。
私も選手の努力や健闘を称えないわけではありませんが、外国勢を無視するかのような争いに一喜一憂している状況は、どうしたって白けてしまいます。
もはや日本のマラソン界は五輪のメダルなど狙っていないのでしょうか?
外国勢、特にアフリカ勢の強さばかりが目立つなか、100m走と同様に”遺伝子の差”とでもいってあきらめているのでしょうか?

確かに最近のマラソンレースはアフリカ勢の独占状態にあるのは間違いありません(※キルワはケニアからバーレーンに帰化した選手。こういうケースも増え始めています)。
男子などはもはや次元が違うといっていいでしょう。5分を切るどころか、2014年のベルリンでは3分切りの記録まで出たほどです。

しかし、日本マラソン界は外国勢だけに打ちのめされているわけではないんです。
問題は日本記録がまったく更新されていないことです。
男子のそれは2002年に高岡寿成選手がシカゴで出した2時間6分16秒。
女子のそれは2005年に野口みずきがベルリンで出した2時間19分12秒。
シカゴもベルリンもいわゆる高速コースですけど、日本の国内レースに限定したって、男子では藤田敦史選手が2000年の福岡国際で出した2時間6分51秒(優勝)、女子では野口みずきが2003年の大阪国際で出した2時間21分18秒。
これを今井選手や前田選手のタイムと比べてみてください、喜べるはずもありません。

”日本人最上位”などというフレーズは日本のマラソンが強かった時代にはほとんど使われなかったものです。
これは日本マラソンの価値を守るためにマスコミが作り出したまやかしのフレーズだと私は思っています。
国内のマラソンの大会のほぼすべてには大手マスコミが後ろについていますからね。
7位や3位よりも、”日本人最上位”の方が視聴者に受けがいいと考えているのでしょう。

しかし、こういうマスコミの理屈に選手やコーチが乗っかってしまってはいけません。
マスコミの詭弁は志を失わせてしまいます。
狙うのは日本人最上位ではなく、”歴代最上位”でお願いします!
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