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3・11から4年

昨日3月11日は3・11大震災から4年目の厳粛な1日であり、日本人ひとりひとりが色んなことを思い、色んなことを考える1日だったと思います。
そんななか私が感じたのは、私も含め、どれだけのひとが被災地の”復興”について関心を持っているのだろうかという疑問。
たとえばこの1年の震災関連の報道を思い出してみても、その多くは原発事故に関するもので、被災地の現状を伝えるのは3月が迫ってきてようやく、といったところだったのではないでしょうか。
3月11日当日だってNHKなどは原発被害に関する特集番組を組んでいました。
私がいいたいのは、大地震と津波による被害が福島原発事故の陰に隠れすぎてはいないだろうか、ということです。

もちろん私だって原発事故を軽視しようなどという気は毛頭ありません。
ただ、3・11で亡くなった方は1万8475人(宮城県9539人、岩手県4673人、福島県1612人)、行方不明の方は2584人、そのなかには原発事故の被害者はひとりもいないんです。
(※国の調査による震災関連死は約3000人。そのなかには原発事故のせいで生活環境が激変してしまった方々も含まれます。)
そして震災・原発事故によって避難を余儀なくされている方は全国に約22万9千人(2015年2月復興庁発表)、県別に見れば福島県の方が7万2790人で一番多いのですが、2番目の宮城県の7万949人とはほとんど差がありません。
その福島県だってすべてが原発による避難というわけでもないはずです。
つまり、3・11のせいで住む家を追われたひとびとの約4分の3は震災と津波による被害なんです。
それなのに3分の1の側ばかりがクローズアップされすぎているように私は感じているわけです。
いつもは福島ばかりを語っているのに、3月が近づくと唐突に東北を映し出すというのはなにか間違っています。

その理由はいったいなんなのか、それは原発問題(電力、放射能)というのは日本全体の問題なのに対し、地震・津波からの復興というのは東北の問題だ、そういう意識が多くのマスコミ、いや多くの日本人の深層心理にあるせいではないでしょうか。
正直いって私もそういうところがないわけではありません。大震災と原発事故がごっちゃになってしまっているんです。
でも、それじゃあいけません。
3・11のような未曽有の災害を被災地だけで乗り越えられるはずがないんです。
日本人全体としてもう一度あの津波を思い出して、東北の復興を助けなければなりません。
天災というのは明日は我が身です。
そして原発事故というのは本来的にいえば東京電力と被害者の問題なのです。

国が費用を全額負担する〈集中復興期間〉は来年の3月で終わってしまいます。
安倍晋三総理はその後の支援の枠組みについては今夏までに策定すると10日に記者会見で述べていますが、竹下亘復興大臣は「国の全額負担は難しい」として、被災地に負担を求める考えを先に示しています。
もともとこの”全額負担”は異例中の異例、阪神大震災のときにはなかったものですし、財源をどう確保するのかという問題も含め、政府が存続に消極的なのは私にもわかります。
しかも、この25兆円という巨額の復興事業費は、その使われ方の”緩さ”が度々問題になり、無駄遣いはもちろん、被災地にニーズをつかみ切れていないとか、インフラ工事の資材や技術者が効率的に集まらないなどといった指摘がされています。
政府はこの4年間の事業費の使われ方を精査する方針のようですけど、本当にしっかりやってもらいたいですよね。

そして、来年から政府にはもっと被災地に”口”を出してもらいたい。
報道によれば、被災自治体では多額の事業費をもらっても、それをどのように使うかを決める人間が足りないというんです。
それはひとの数もそうでしょうけど、”能力”もあると思うんです。
私は3・11からの復興は、県や市町村に任せるのではなく、最初から政府(復興庁)が一元的に行うべきだったと思っていますが、時間が巻き戻せないのであっても、今後はできるだけ関与の幅を広げていって欲しいと心から願っています。
いくらなんでも復興が進んでいない市町村が多すぎます。
お金だけ上げていたって物事が進まないことはもうこの4年で十分わかったはずです。

政府も、我々国民も、もっと本気になりましょう。
3・11は原発事故のことじゃありません、地震と津波による天災なんです。
繰り返しますが、天災というのは明日は我が身です。
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