陸上日本新記録に賞金1億円

「日本実業団陸上連合は18日、東京都内で理事会を開き、マラソンで日本新記録を樹立した選手に1億円を支給する案を承認した。
マラソン以外の種目で日本記録を更新した場合にもボーナスを支給する方向で検討しており、詳細を詰めた上で30日に発表する。」
(2015年3月18日 日刊スポーツ)

この報道を目にしたとき、私は何かの見間違いかと思いました。
まず、日本のスポーツで”新記録”にこのような多額の賞金が出るという話はこれまでも聞いたことがありませんし、陸上ならば大会ごとに優勝や新記録でスポンサーから賞金が出るという形が一般的なのに、今回のこれは”日本実業団陸上連合”が主体なんです。
しかも、この日本実業団陸上連合は、日本各地にある地域実業団陸上競技連盟を統轄する組織であって、日本陸上連盟の協力団体でしかないんですから思い切ったことをしたものです。
まあ、陸連より実業団連合の方がお金を持っているのかもしれませんが…。

また、これはひとつには実業団連合の”記録重視の姿勢”のあらわれなんでしょうけど、その記録でいうと、8月にある世界選手権の女子マラソン代表の選考で、陸上連盟が選考レースのひとつで優勝した田中智美選手ではなく、他の選考レースで3位だったものの、タイムでは田中選手を18秒速かった重友梨佐選手を選んだことが大きな話題になりました。
マラソンというのはコースも違えば、その日の気候も、参加選手も違うので(ペースメーカーの有無、どの距離までペースメーカーがいるのかも違います)、タイムで選ぶなんてのは私にはナンセンスとしか思えません。
そもそも選考レースで優勝しているのに代表に選ばれないのであれば、そのレースは選考レースでもなんでもないじゃないですか。
これでは世間が疑問に思うのも仕方ありません。
ひょっとすると実業団連合は、こういう陸連の”感覚”にズレを感じて、東京五輪を前にして、陸上界を盛り上げるために独自案を出したのかもしれませんよね。

もっとも、その新記録でいうと、現在のマラソンの日本記録は、男子は高岡寿成が2002年のシカゴで出した2時間6分16秒、女子は野口みずきが2006年のベルリンで出した2時間19分12秒なんですけど、シカゴもベルリンも外国のいわゆる高速コースなので、日本のファンが日本国内で日本新記録を目にすることはとっても難しいんです。
国内レース最高タイムは、男子では藤田敦史が2000年の福岡国際で出した6分51秒、女子では野口みずきが2003年の大阪国際で出した21分18秒ですから、けっこうな差があります。
海外で新記録を打ち立てた選手の凱旋レースが盛り上がればいいという考えなのかもしれませんが、それならば有力選手が海外のレースに参戦するための支援も強化せねばなりません。
企業からお金を引き出すためには、”スター”の存在が必要不可欠です。

ただ、この賞金1億円に難点があるとしたら、新記録を自立する選手が必ずしも実業団所属というわけではない、ということでしょうね。
アスリートクラブ所属の選手や、かつての高橋尚子のように自分のチームを持つ選手や川内優輝選手のような市民ランナーが新記録を出すかもしれない。そういう選手は実業団の活動の中心である駅伝には出てくれませんしね。
そういう選手たちに実業団連合がにこやかに賞金を出してくれるのか、ちょっとした見ものです。

そして、最後にいいたいのは、3月15日の全日本競歩能美大会の競歩20キロで世界新記録を出した鈴木雄介選手(富士通)にはぜひ遡って賞金を上げて欲しい!
日本記録どころか世界記録ですぜ!
彼こそが”スター”です!
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