新スタジアムこけら落とし、パルセイロvs相模原

2015年3月22日午後1時15分に始まったAC長野パルセイロ×SC相模原の一戦は、南長野運動公園総合競技場がJ1仕様(1万5000人)のスタジアムに生まれ変わった記念の試合。
その栄えあるパルセイロのスタメンは、GK田中謙吾、3バックに西口諒・大島嵩弘・松原優吉、ボランチに有永一生と仙石廉、OFMFに金久保彩・向慎一・山田晃平、2トップは勝又慶典と佐藤悠希。
(※選手たちには親しみを込めて敬称略。)
こけら落としvs相模原
この試合の注目は、パルセイロの新スタジアムでの初勝利と、誰が初得点を獲るか、というところ。
多くのサポーターは大黒柱の宇野沢祐次のそれを期待していたでしょうけど、宇野沢は開幕前の膝の怪我で欠場。
こうなると色んな選手が虎視眈々と地元ニュースの一面を狙っていたはず。
私はセットプレイからの松原のヘッド!と予想。

なんて思っていたら、開始わずか2分、向のポストプレイからの浮き球を佐藤が角度のないところから思い切ってバイシクル!
これが相手GKの手のわずか先をすり抜け、歴史的ゴール!
これにはスタンドの8681人が爆発したような大騒ぎ、観たかったものがいきなりきた!
しかも漫画のようなゴールで、これは地元TV、いや全国放送でも流れるかも!

立ち上がりのパルセイロはこけら落としのゲームということもあってか、みんなアグレッシブで、球際も強く、シーズン前に美濃部直彦監督が「フィジカルを重視する」と宣言していた通りのサッカー。この部分はパルセイロの弱点でしたからね。
相模原のユニフォームは宿敵・松本山雅と同じ緑なので気合も入ったのかも。
相模原はそのパルセイロの勢いに呑まれる形で、序盤は防戦一方。
ただ、パルセイロはチャンスは作るも、どこから淡白というか、雑なフィニッシュで、攻撃に怖さが出てきません。宇野沢不在の影響もあるでしょうね。個のチカラで勝負できるのは彼くらいです。

そうすると徐々に相模原もリズムを取り戻してきて、元日本代表・高原直泰を中心に攻めの形を作り出します。
中盤の須藤右介がビルドアップして、前線の高原がサイドに開いたり、少し下がったりしてボールをもらい、パルセイロのDFを引き付けて、ラストパスを出すという形ですね。

パルセイロは立ち上がりにエネルギーを使ったせいもあって、アグレッシブさが影を潜めだすと、34分には仙石が不注意としかいいようのないアフタータックルで相手選手を激しく削ってイエロー。接触間際に足をわずかに引っ込めていましたけど、伸ばしていたら一発レッドだったかも。
また、このイエローでチーム全体が激しく当たりにいきずらくなったのか、相手ボールになるとずるずる下がり、ボールフォルダーにも寄せきれないという悪癖が出始め嫌な感じ。
前半はなんとか1-0で終わりましたけど、後半は気合を入れ直さなければなりません。

しかし、その後半立ち上がり、相模原はパルセイロがどこかふわっと入ったのを見逃さず、一気呵成に攻めてきます。
自陣に引いたパルセイロですが、相手ボールフォルダーに寄せきれない守備、そして後半4分、左サイドから易々とクロスを上げられると、相手MF井上平に頭で叩き込まれて同点。
こういう守備をしていたらJ3優勝もJ2昇格も夢のまた夢です!

屋根付きの新スタジアムになっても南長野独特の”強風”は相変わらずで後半のパルセイロは向かい風。
同点となったものの、こけら落としを勝利で飾りたいパルセイロは得意の攻めに光明を見出そうとしますが、後半7分、その攻めを防がれ、相手のカウンターになりかけた場面で、仙石がまたしても不用意なファウルで高原を倒し、この日2枚目のイエローカードで退場。
真新しいスタジアムが水を打ったように静かになってしまいました…。

美濃部監督はすぐに向→大橋良隆(ボランチ)という交代で守備の再構築。後半17分には山田→光永祐也(DF)で4バックにするという徹底ぶり。「記念試合で負けるわけにはゆかない!」という強い意思を感じました。
もちろんこれでは防戦一方。攻めは単発のカウンターのみ。
ただ、パルセイロは11人のときからなかなか攻めの形を作ることができていませんでした。
私が考えるその原因は選手間の距離。
サイドでも前線でも選手が孤立しがち(相模原はその逆)。これは昨季も強敵と当たった試合ではよく見られた光景。守備と攻撃のバランスが選手間でチグハグになってしまうのかも。

その点でいうと、相模原は高原が常に細かくチームメイトに指示を出し、自らもトップにいるだけではなく、ときには中盤の底まで下がって、臨機応変にバランスを取ります。
私が持っている高原のイメージといえばとにかく点を獲るFWというものですけど、この日はまったく別人のようでしたし、いまの方が若い頃より素晴らしいプレイヤーに思いました。ここぞ!というときには得意の素早い反転も見せていましたしね。

4-4-1のような布陣でブロックを作ってとにかく耐え凌いできたパルセイロでしたが、後半28分、相模原の分厚い攻めから最後は須藤右介に押し込まれて、ついに逆転を許してしまいます。いやあ須藤はいい選手ですねえ。

新スタジアムでは勝利をあきらめないゴール裏のサポーターたちが声を張り上げていましたけど、メインとバックには案山子が座っているかのよう。みんなこの厳しい現実を受け止めらなかったのでしょう。私もそうでした。

後半33分には勝又を下げて菅野哲也(MF)を入れた美濃部監督、36分には佐藤に代えて身長191センチのFW土井良太を投入。
そこからのパルセイロは、この今季加入の秘密兵器を目がけてとにかくハイボール。
自分たちのパスサッカーを捨てて勝利への執念を見せます。土井はほぼ競り勝っていました。
そこからチャンスがなかったわけでもありませんが、決めきれず、残酷なタイムアップの笛が鳴り、1-2で試合終了。

「激しさ」と「アグレッシブさ」を今季の課題に挙げていた美濃部パルセイロでしたけど、その2つが足りなかったのと、その2つを勘違いした選手によって、手痛い敗戦となりました。
それにしてもボランチの人選は今季も美濃部監督を悩ませそうです。ボランチ経由のビルドアップも、スイッチを入れるパスも、前線への飛び出しもありませんでしたからね。相手ボランチの須藤とは対照的でした。
そして攻撃も淡白で軽すぎます。選手間の距離(サポート)と積極性をとにかく徹底させてほしいものです。

課題ばかりが浮き彫りになった試合でしたけど、新加入の選手でいうと、右のMF金久保はこれまでの選手にないスピードとパワーを見せていましたし、土井の高さは間違いなく武器になりそう。
あとは宇野沢との融合を我慢して待つのみです。

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