2015世界フィギュア・男子FS(前) 頼むぞサラブレッドコンビ!

”日本男子の黄金時代”、ここ数年我々ファンはそれを謳歌してきましたし、この2014-15シーズンも盤石の布陣でスタートし、GPFに3選手を送り込みもし、世界選手権での3枠確保も左団扇のはずでした。
それが町田樹の電撃引退で綻びの兆しを見せ、四大陸のメダルゼロで暗雲が広がり、世界選手権SPでは小塚くん19位・無良くん23位という緊急事態。
羽生結弦がSP首位とはいえ、”2選手合計13位”というラインを前にして、2008年から守ってきた3枠はまさに風前の灯です。
しかし、かつても危険な状況に追い込まれたことがなかったわけじゃありません。
2008年大会は合計12位、2009年大会などはぎりぎりの合計13位でした。
そしてその2大会で日本を救ったのはいずれも小塚崇彦。
彼にはそんな経験がある。
それを信じましょう。
では、祈りながらテレビ観戦した2015世界フィギュアの模様をジェットコースターに乗ったような気分で振り返ってみたいと思います。

第1グループ(全4G)の先頭というあまり見たことのない順番でスタートした小塚崇彦。ベテランになってからものすごい経験をするものです。
曲は『これからも僕はいるよ』。僕らは信じているよ。
冒頭はまず鬼門の4T、SPは両足ながらなんとか立ったので同じような感じを期待していましたが、回転不足の転倒。
続いてはどういうジャンプでくるか、難度を落としてくるかと思われたものの、緊張感たっぷりの助走から4T!着氷を乱しながらも+2Tにしたのは小塚くんの執念!これは大きい!
そしてSPでステップアウトした3Aも見事に決めるのですから、この調整能力もさすがベテラン。
心臓が止まりそうな序盤戦でした。
調子のよさそうなシットスピンの後のステップシークエンスでもスケートがほんと滑らかで、観ているひとの心をくすぐるよう。
私も気持ちがだいぶ安らぎました。
しかし、それも束の間、プログラムは待っていてくれません、後半の冒頭はコンボにしなくてはならない3A、ここはまさに勝負どころです。
ところがその3Aの着氷が大きく乱れた!もうダメだ!
私も目をつむりかけたそのとき、小塚くんはまたしても執念の+2T!
これだ、この粘り強さが日本男子を支えてきたんだ!
次の3Lz+3Tは最近苦しめられているジャンプですけど、これもこらえるように乗り越え、綺麗なイーグルを挟んでの3F、3Lo、3Sは連続成功!
終盤はスタミナ自慢の小塚くんもさすがに動きが落ちてきましたけど、食らいつくようなスピン、高いスケーティング技術を生かしたコレオで演技の質はなんとかキープしてよくまとめてくれました。全日本のときを彷彿させるような熱演でした。
粘りに粘って基礎点をしっかり取った。日本チームのために。これぞベテランの責任感。
FSは152.54(TES76.82・PCS76.72・減点1)、合計222.69。
先頭だったためかPCSが低く評価されていて悔しですけど、トータルではまずまずのところまで伸ばしてくれました。
これはひょっとすると新たなる救世主伝説になるかも(SPで沈んだのは小塚くんの責任ですが…)。

小塚くんからバトンを受ける形でリンクインした無良崇人は心持ち硬い表情。それを見ているだけでこちらも緊張してきます。
でも、小塚くんのがんばりを目の前で観たんです。これで気合が入らないっていったら嘘になります!
そんな状況のなか、無良くんは我々の期待を裏切らない4T成功!
続いてのジャンプは4Tを回避しての3Lz+3Tでこれも成功!
こういう判断もありです。懸案のジャンプを減らしてひとつひとつの成功率を上げねば。
なんて思っていたら次の3A予定がSPと同じくパンクした1Aに…。
私は眩暈がしそうでしたけど、無良くん本人は後ろを振り返ることなく、しっかりとシットスピンを回り、ステップではファントムになりきろうという熱い滑り。この『オペラ座の怪人』が無良崇人を輝かせる好プログラムであることを忘れてはなりません。
ステップでリズムを取り戻した無良くんは確かな3Loで後半に入ると、勝負の3A+2T、3F(エラー)と連続成功で男を見せた!
しかし、ここで足がもたなくなってきたのか、キャメルスピンで緩み、3S+1Lo+2Sにも勢いがありません。
それでもなんとかコレオで食らいつき、印象を決める3Lzも成功!
最後のコンビネーションスピンを集中して回り終えた無良くんは”全力を絞り切った”というげっそりとした表情。大きなミスもあったので悔しかったのでしょう。
よくがんばったと思います、気持ちは伝わりました。
FSは146.81(73.03・73.78)、合計211.74。
いつもより基礎点を低めにした構成だけに3Aでのミスがやはり大きく、あまり得点は伸びませんでした。
今季は悪くてもトータル235点は取っていただけにSPでの乱調といい、こんなことになるなんて思ってもみませんでした。
なんといっていいんでしょう、もう言葉は見つかりません…。

パトリック・チャンが休養中にカナダ王者の座を掴んだナム・グエンはSPに続いてFSもノーミス、いやパーフェクトといっていい内容。
4Sと3A+3Tを決めてスタートすると早くも笑顔が浮かび、3S、後半3Aも降りるとゾーンに入ったようになって3F+2T+2Lo、3F+タノ2T、3Lo、3Lzと最後まで駆け抜けました。
他の要素も丁寧にこなしていましたし、課題のつなぎもシーズン中より強化され、確実なる進歩。
自分の力を出し切った演技は「お見事!」としかいいようがありません。ベストを尽くしました。
この大会は中国・上海が舞台だったので、中国系の彼としては忘れられない夜になったのではないでしょうか。
(※訂正:歓声がことのほか大きかったこともあって早とちりしてしまいました。”グエン”という性はベトナム人に多いのでおそらく彼はベトナム系だと思われます。ルーツについてはもっときちんと調べて書くべきでした。平身低頭お詫びします。)
FSは164.86(88.28・76.58)、合計242.59。

SPでは久々にまとまった演技をみせたかつての欧州王者、フローラン・アモディオ(フランス)。このFSでは凝った衣装で『ライオンキング』に扮し、復調の兆しを見せてくれました。
冒頭の4S予定は3Sになるも、3Aは成功、抜けた2Lo、得意の演劇的ステップ、後半は3A+1Lo+3Sを見事に跳んで、ザヤック防止の2Lz+3T、3Fはエラーながら着氷、3Lz+2Tもよし。
スピンは手を抜いている感じでしたけど、役者気質満点のコレオから、最後は2Aでの面白いフィニッシュ。
あいかわらず”フィギュアっぽさ”には欠けていましたけど、内容がまとまってきたのは嬉しい限りです。
FSは148.78(70.76・)、合計229.62。
(※遅筆な上に長くなってきたので中編に続きます。)
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