2015世界フィギュア・男子FS(中) 世界は強い

(続きです。)
今季は驚きの進化を見せているミーシャ・ジー)ですが、この日はなんと冒頭に3A+1Lo+3Sを導入!成功!
世界フィギュアでいきなり決めるとは肝が太い!
次の3Aと3Lzも丁寧に降り、ステップシークエンスでもエッジで氷と会話をするような静かな『シェルブールの雨傘』、後半も3L3T、3F+2T、3Lo、2A、2Aと立て続けに成功させて軽くガッツポーズ。
コレオでは激しい感情を抑えながらそれがときおり発露するという演出で物語の心情を伸び縮みさせる音楽表現。
スピンも常に曲のなかで回るというこだわりで、パーフェクトといいたくなるような出来栄えでした。
メンタルも技術もより逞しくなり、表現者としてだけではなく、競技者としての己の価値を存分に示しました。
FSは156.37(TES・79.73・PCS77.64)、合計234.89。
来季もまた違った表情を見せてくれそうなミーシャ・ジー、いまから楽しみです。

これが2012大会以来の世界フィギュアとなるアダム・リッポン(アメリカ)はSPに続いてこのFSでも4Lzへのチャレンジ!
しかし、これは2Lzに終わり、夢は来季へ持越し。
そしてここからはアメリカ男子3枠のためにも勝負に徹さなけれなりません。
3A+2T、両手タノのリッポン3Lz、丁寧なスケートのステップでリストの『ピアノ協奏曲第1番』の繊細さを表現し、綺麗なイーグルで繋いだ後半冒頭の3Aも決めた!今季は3Aの成功率が高い!
3Lz+2Tのあとの2F+1Lo+3Sはタイミングがずれたジャンプになったものの、3Fはしっかり着氷し、軸の安定したコンビネーションスピン、スピード感のあるコレオでプログラムを華やかにし、最後の3Tもパワー十分。
そうしてイケメンなアップライトスピン(コンビスピンの最後)で演技を締めたリッポンですが、リストはかなりのモテ男だった
といいますし、ぴったりの選曲でしたね。
私はこの演技に心からの拍手を送りました。
日本男子の3枠が終わったと感じながら…。
FSは154.57(74.93・79.64)、合計229.71。

最終グループを前にした順位は小塚くんが暫定7位、無良くんが暫定11位。
ここからの6選手はSPでのリードもありますし、2人を上回るのが順当でしょうから、たとえ羽生くんが優勝したとしても、合計順位は14で、3枠には1つ届きません(※2選手合計13位以内が必要)。
小塚くんや無良くんを責めたい気持ちもありますが、ここはナムやミーシャ、アモディオやリッポンといった日本勢より下の順位と見られていた選手たちが、この世界フィギュアに照準を合わせて今季一番といった演技を見せたのですから、相手が強かったと認めましょう。
私はもうここで綺麗さっぱり3枠を諦めました。
3枠を獲れないということは、いまの日本男子には2枠が相当ということなのです。
来季また力をつけて3枠を奪い返せばいいだけです。
ここからは上位選手たちによる熾烈な戦いと、本気の演技を楽しみましょう!

今季は2戦あったGPSで両方2位、GPFでは3位、欧州選手権でも3位と好調を維持しているセルゲイ・ボロノフ。渋いイケメンの27歳ですが、若いコフトゥンとともにロシアのWエースといっていいでしょう。
しかしこの日は4T予定が2Tに抜ける珍しいミスでスタート、これはあまり見た記憶がありません。
3A+3Tは豪快に決めるも、続いての4T予定も3T+2Tになって嫌な感じ。2回までしか跳べない2Tを使い切ってしまいました…。
3Lzを慎重に降り、正確なスピン、大人の色気で観客を煽るような『Caruso』のステップで手拍子をもらって流れを取り戻したかに見えたボロノフですが、後半冒頭が1Aになる手痛いミス、3Sはしっかり決めるも、続く3Lo+2T+2Loでやっちゃいました、2T3回目でこのコンボ丸ごとキックアウト…。
本人はそれに気づいていない風で、最後の2Aを成功させると、そこからは自分に鞭を入れるようなシットスピンとコレオ、
演技を華やかに終わらせる気合の籠ったコンビネーションスピンでフィニッシュ。
演技後は膝に手を当ててゼエゼエと息をしていたボロノフですけど、膝の慢性痛もあるそうですし、そんななか全力は尽くしたのでしょう。
しかし結果は残酷で、FSは133.71(55.41・78.30)、合計218.41。
この時点で暫定8位という失態。コフトゥンは暫定3位なのでロシア男子の3枠は絶望的。
頭を抱えて嘆き悲しむボロノフ。今季はずっと好調だったのにこんなシーズンの締めくくりになってしまうなんて…。
ただ、ここでなんと、日本男子3枠の可能性がにわかに蘇ってきちゃったんです。
ボロノフには申し訳ないんですけどね。

SPは嫌がらせのような音楽アクシデントがあって首位と約9点差の3位に終わったデニス・テン(カザフスタン)。ここはしっかり演技をして上位のミスを待つより他ありません。
しかし4Tを大きくステップアウトする不穏な出だし、次はコンボにしなくてはならない凄まじい緊張感のなかの4T+3Tでしたけど、これはものの見事な成功!慎重に行くのではなく、思い切って行ったところにデニスの男らしさとメンタル面での成長を見ました。
輪の美しいキャメルスピンの後の3A+2Tも成功させ、まずまずの序盤戦、そこからは悠々としたコレオで『シルクロード・アンサンブル』の旅へと観客を誘い、勝負を分ける後半冒頭の3Aではステップアウトしてしまったものの、次の3F+1Lo+3Sはばっちり成功!ハーフループの入った3連続を綺麗に跳べる選手は少ないので際立ちます。
続いての3Lz、3Lo、2Aも勢いよく決めると、緩急自在のステップシークエンスで演技をこれでもかと盛り上げ、終盤のシットスピンでふらつくも、連続するコンビネーションスピンはしっかり立て直して上々の内容。
彼らしい巧みな動きやフットワーク、そして美しい姿勢が生む独特の気品が演技をとてもクリアなものにしていました。
ストーリーの流れが上手く作られたプログラムですし、デニスにしてはちょっとあっさりしていますけど、品質が高いことは間違いありません。
競技という意味でもミスを最小限に抑えましたし、本当に力がついてきましたよね。間違いなく世界の頂を目指せる選手です!
FSは181.83(93.47・88.36)、合計267.72。
これは羽生くんやフェルナンデスに十分プレッシャーを与えられるスコア。
勝負が面白くなってきました!
(※奇跡を願いつつ後編に続きます。)
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