FIFA汚職事件とブラッター会長の辞任

先月5月27日、アメリカ司法省がFIFA(国際サッカー連盟)の幹部ら14人を起訴したことで始まった大汚職事件の捜査は、世界のサッカー界にとってまさに大激震といっていい出来事でした。”賄賂”に関していえばこれまでもFIFAが内部調査をもとに罰を与えたケースはありましたけど、国家機関による逮捕・起訴というのはちょっと聞いたことがありません。
報道によると、捕まった幹部たちは不正なお金のやり取りにアメリカの銀行を利用していたらしく、そこで”組織的不正の罪”や”賄賂授受”、”資金洗浄”といったアメリカの法律が適用されて御用になったとのことです。
逮捕者の多くが中南米所属の幹部だったのはそのせいでしょう。

そして、大騒ぎの真っ最中の29日に行われたFIFA会長選では、ゼップ・ブラッター現会長が見事に当選して5期目(任期4年)を務めることに決まったわけですが、これには当然のように世界中から批判の声が上がりました。
なかでもイングランドサッカー協会がW杯辞退を匂わせたことと、イギリスのウィリアム王子が苦言を呈したことは世界的なニュースになりました。
しかし、それでもブラッター会長はカエルの面に小便といった態度なのですから、さすがFIFAの拡大路線を引っ張ってきた海千山千の人物だけのことはあります。
FIFAはこの16年、つまりブラッターが会長の間だけでテレビ放映権料(収入の大部分)を30倍ほどにしていますし、ブラッターには”自分が何十億ドルも儲けさせてやった”、”自分あってのFIFAの隆盛”という思いが強いのでしょう(※ブラッターは75年にFIFA事務局に入り、それから役職を歴任)。

私もブラッターの功績というのはある程度認めてあげるべきものだと思っています。
儲けたお金を使ってサッカーの裾野を世界の隅々まで広げていったこと、女子サッカーへの注力などは確かな実績ですからね。
ちなみに2009年の春の叙勲で、ブラッターは日本政府(麻生内閣)から旭日大綬章を授与されています。
「我が国スポーツ界の発展並びにサッカー普及と技術向上に寄与」したことがその理由とされていましたが、ブラッターは日本サッカー協会とはかなり”親密”だったので(今回の会長選でも投票)、あながち的外れでもありません。

しかし、そんなブラッターも昨日6月2日、緊急記者会見を開いての辞意表明。
理由については、「私はサッカーとFIFAのために最善を尽くしたい」と語り、騒ぎを沈静化させるためという感じですけど、アメリカの新聞では捜査の手がブラッターの側近に迫っていると報じられていますし、逮捕前の悪あがきをする準備なのかもしれませんね。

なにしろ、”アメリカの金融機関”を不正なお金のやり取りに利用していれば、司法省によって起訴されてしまうんです。
これはブラッターだけのことではありません。
アメリカの金融機関となれば、世界中のひとや組織が利用しているでしょうから、世界中のサッカー関係者、スポンサー企業、広告代理店、メディア関係者が戦々恐々としているのではないでしょうか。
今日6月3日にはFIFA幹部と一緒にアルゼンチンのスポーツ関連代理店幹部3人と、ブラジルの放送業者1人が国際指名手配
されたという報道もありました。
いまは中南米が多いですけど、今後は他の地域にも問題が広がってゆく可能性もあります。
そうなると日本も2002年のW杯開催国なので無事ではすまなかかもしれませんが、膿を出し切った方がいいに決まっていますから、アメリカさんには強力に捜査を推し進めていってほしいものです。

ただ、ここで心配なのは、今回はアメリカの金融機関を利用していたから、アメリカの当局が動くことができたわけで、これを利用しなければ事件にはできなかったわけです。
おそらく悪者どもは今後はもうそれを使わなくなるでしょう。そうしたら捕まえることはできません。
ですから、最後は自浄能力なんです。FIFA自体が変わらなければいけません。
次の会長の仕事は歴史的なものになるでしょう。

しかし、FIFAの常識に染まっていない人物で、ある程度の政治手腕もあり、世界のサッカーファンから信頼を寄せられる人物となれば誰がいるでしょう?できればヨーロッパ以外のひとがいいですよね。
そう考えているときに私の脳裏にひとりの男の顔が浮かびました。
世界のスーパースターであり、ブラジルでスポーツ担当大臣の経験があり、何ものにも迎合しないあの男の顔が…。
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