2015W杯初戦、GLスイス戦

現地6月7日(現地6日)、ついに開幕した2015FIFA女子W杯カナダ大会ですが、我らがなでしこジャパンも9日にいよいよ出陣。
相手はグループCで最もランクが高いスイス(ランク9位)ということで、これに勝てば”1位通過”がぐっと近づくことになります。
そしてこの1位通過は、今大会を制し、目標である2連覇を達成するためにはかなり重要なファクター。
なでしこの現在の世界ランクは4位なのですが、1位通過だと、その上にいるアメリカ、ドイツ、フランスとは決勝戦まで当たらずにすむんです!(※3ヶ国がグループを順当に1位通過すれば。)
もちろん、前回のように優勝候補をばったばったとなぎ倒しての栄冠の方が爽快なのですが、肉体と精神の疲弊を考えれば、出来る限り強豪との戦いは避けたいですよね。

というわけで始まった大事なスイスとの初戦、日本の栄えあるスタメンは、
GK山根恵里奈、4バックに有吉佐織・岩清水梓・熊谷紗希・宇津木瑠美、澤穂希と阪口夢穂のWボランチ、左サイドハーフが宮間あや、右が大野忍、2トップは大儀見優季と安藤梢。
壮行試合で調子の上がらなかった近賀ゆかりと川澄奈穂美をあっさりベンチに座らせるのも佐々木則夫監督のならではの思い切りといった感じですかね。
ちなみに澤さんはこれがAマッチ出場200試合、しかも男女通じて史上初のW杯6大会連続出場という大記録。
まさにレジェンドです。

対するスイスはなでしこと同じ4-4-2のフォーメーションで、注意すべきはバッハマンとディッケンマンの強力2トップ、欧州予選でわずか1失点という守備力も侮れません。

会場となったバンクーバーのスタジアムは、決勝も行う真新しい屋根付きのそれ。
天気も快晴で、まさにサッカー日和。
立ち上がりは両チームとも初戦らしい手堅さが感じられましたが、徐々になでしこが持ち前のプレイの正確性で主導権を握り、両サイドから流れのある攻撃。
守備の面でも前線が連動し、澤も積極的に前から潰しにかかって、スイスのビルドアップを許しません。
このあたりは横綱相撲といった感じでしたね。
この会場もそうなのですが、この大会は全試合人工芝ということで、パスサッカーのなでしこには有利かも。

何かちょっと噛み合えば得点が奪える、そんな雰囲気の前半27分、中盤からのパスを引き出した大儀見がダイレクトで浮き球のスルーパス、相手DFの背後を上手くついたボールにいち速く反応した安藤が飛び出してきた相手GKをトラップでかわしたかに見えた瞬間、両者激しく接触するともんどり打ってピッチに倒れ伏し、判定はPK!
女子レスラーのような迫力で突進してきた相手GKに少しも臆さなかった安藤の勇気が奪い取ったPKといえるでしょう。
しかし、足を痛めた安藤はそのままピッチの外で治療へ。
そしてこのPKをキャプテン宮間がスナイパーのようにゴールに突き刺し、日本先制!よし!

こうしていい時間帯に得点が奪えたものの、安藤がピッチの外に出たために10人になったこともあってか、スイスが攻勢に出てきます。
結局、安藤は負傷の状態が思わしくなく、32分に菅澤優衣香と交代。
しかし11人になってもスイスのペースが続きます。
これはおそらく先制したことによって、なでしこがその1点を大事に行き過ぎたこと、それと安藤と大儀見の連携による前線守備が崩れたことが原因でしょう。序盤のいいバランスは完全に崩壊してしまいました。
ただ、スイスはボールを保持するものの、最後のところのパスやシュートが雑で、なでしこは大いに助かりました。
前半40分には宮間が左サイドを美しく突破してからの鋭いセンタリング、これを大儀見が技巧的なバックヘッドをする惜しい場面も、ここが決まれば凄かった。
なんて思っていたら、43分にはバッハマンが高い個人能力からのヒヤヒヤもののドリブルシュート。やっぱり危険な選手です。

こうしてスイスの脅威を感じたまま前半が終わり、後半立ち上がりのなでしこは菅澤と大野が積極的にシュートを打ちにいって流れを掴もうとしますが、10分にバッハマンが中央からドリブルを開始すると、あれよあれよという間に日本DF陣を置き去りにし、左サイドからPAに侵入、最後はGK山根までもかわして、絶体絶命!でしたけど、足を滑らせてくれてラッキー。
このプレイでもわかるように前目の守備が機能しないことに業を煮やしたのか、佐々木監督は澤に代えて川村優理を投入。
しかし、川村はW杯初出場(五輪もまだ出たことありません)のプレッシャーからか攻守ともに消極的で、スイスに傾いた流れを変えることができません。

それでも23分、宇津木からのパスを受けた菅澤がタイミングのいい反転で相手をかわして、思い切りのいいシュート!
GKの手も届かず入った、かと思われましたが、惜しくもポスト!あと数センチ!

しかし、後半のチャンスらしいチャンスはこれくらいで、あとはスイスの流れ。
なでしこの前線守備が利いていないので、スイスは最終ラインやボランチからの組み立てが容易となり、そこからいい形の攻めが繰り返されます。
ただ、なでしこは最終ラインのねばりと、GK山根の安定感(ミスは後半のキャッチミスひとつ)で決定機は作らせません。
本当に危なかったのはロスタイムにクリアが中途半端になって、それをバッハマンが外してくれた場面くらいだったのではないでしょうか。
こうして試合はなんとか1-0で勝利を収めましたけど、ランク上位の強豪たちは最後のところの質も高いので、こんな守備をしていてはやられてしまいます。
要修正です!

このように守備に関しては問題があった試合ですけど、GK山根は予想以上の働きをしてくれました。
大会出場選手中もっとも高い187センチの身長はスイスに十分な圧力を与えていたのか、相手はショートコーナーばかりを蹴っていましたし、ハイボールを入れてくることもほとんどありませんでした。あっても全て競り勝っていましたしね。
今後の対戦相手も山根の高さには恐れをなすことでしょう。
また、この日の山根は持ち前の高さだけではなく、他のプレイでもW杯初出場(五輪もまだ)とは思えぬ落ち着きを見せていたのは立派でした。
普段通り、いや普段以上の出来だったと思います。
佐々木監督はここ数年、我慢しながら山根を使い続けてきましたけど、炯眼だったといっていいでしょう。

しかし、何はともあれ、”勝ち点3の奪取”という最大のミッションは遂げたわけです。
これで優勝への筋道は見えた!
と、私も握り拳を作ったわけですが、試合後の会見で安藤の怪我がかなり「厳しい状態」だということを佐々木監督が語り、翌日には左足首の骨折と判明、安藤はこれで大会を離れることとなってしまいました。
本人は本当に悔しい思いをしているでしょう。

また、チームとして安藤が欠けたことで前線の駒不足は深刻。岩渕真奈も怪我で決勝トーナメントからの出場といいますし…。
こうなればやはり川澄に復調してもらわねば困りますし、前回の川澄のようなラッキーガールの出現も望まれるところです。
続くカメルーン戦、エクアドル戦は多少は楽な試合になるでしょうし、そこで控えの選手を積極的に試さねばなりません。

安藤梢がその勇気でもって切り開いた決勝への道筋をチーム一丸となって突き進むのみ。
優勝して安藤さんを最大の功労者にしてあげなくては!
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