2015カナダW杯準々決勝、対オーストラリア(後)

(続きです。)
前半はなでしこがいいサッカーをしていたとはいえオーストラリアにいつものアグレッシブさがなかったものまた事実。
これはエドモントンの暑さに早々と参っていたのか、それとも後半勝負という作戦なのか、それがわかる後半の立ち上がりでしたけど、オーストラリアはややプレスがきつくなったものの全体の出足は鈍く、同点に追いつこうという気迫は伝わってきません。
こうなるとなでしこは簡単にポゼッションが出来ますし、危なげない展開、かと思ったら、阪口が人工芝に引っかかったのか、躓くようになってボールを奪われ、ショートカウンターのような形からオージーのミドル!
これはGK海堀ががっちりセーブしてくれたものの、やはり押している試合で怖いのはちょっとしたミス。サッカーには判定はありません、あるのは得点という名の結果だけです。
勝利を願えば願うほど”事故”が恐ろしくなってきます。

しかし、いまのなでしこはそんな恐怖を払いのけるだけのメンタルのタフさがあるのか、プレイに微塵の揺らぎもありません。
後半11分には阪口がゴール前に絶妙なクロス、これにタイミングよく反応したのは大野!でしたけど、そのヘッドはまさかの空振り。相手ディフェンスが影になったのかも…。
12分には右サイドを小気味よく崩してから、有吉のセンタリングにニアで宮間!ヒールで合わせきれず、残念。

このようになでしこが主導権を握るなか、オージーは選手同士の距離が長くなり、長いボールからの攻めも単発に終わってばかり。やはりチーム全体の動きが重い。
エースのデ・ヴァンナも守備に追われて疲労がたまったのか22分にベンチに下がり、これで我々も一安心。
オーストラリアは季節が逆ですし、35度を超える気温が相当こたえていたのかもしれませんが、前半からなでしこの巧みなボール回しに”走らされ過ぎた”というのも大きいと思います。

ただ、いくら相手が弱っていても、得点が入らなければ延長やPK戦という不確定な状況が待っているだけに、ここは早くゴールネットを揺らして欲しいところ。
そんな日本国民の願いが佐々木監督に届いたのか、27分、大野→岩淵真奈という期待感のある交代。
私は一緒にテレビ観戦していた相方に「今日は岩渕が決める!」と断言しました(本当ですよ)。

この日のなでしこは中盤から前の守備が本当によく効いていて、奪ってから攻めに移る切り替えも本当にスムースでした。
特にボランチの宇津木はパワフルな守備と、左足から繰り出される中・長距離のパスで、まさにチームの舵取りでしたよね。
オージーがたまに長いボールから走ってきても、なでしこの最終ラインは集中してよく守り、後半はとてもいいバランスだったので、私は点が欲しくてたまりませんでしたけど、戦術的にいうとここは焦っちゃいけないんですよね。オーストラリアはそこを待っています。
相手をいい態勢でがっちり受け止めて、じわりじわりと土俵の外に追いやるのが横綱相撲というものです。
なでしこはそれを実践していました。

なでしこはバランスを崩すことなく戦い続け、35分には川澄と有吉の日体大コンビが右サイドを崩し、有吉のシュートは相手がブロック、さらに40分にも川澄が素晴らしい前線守備でボールを奪うと、ゴール前に正確なクロス、これに大儀見が豪快なジャンピングボレーで飛び込んだものの、わずかに外れて会場はため息。決まっていればスーパーゴールでした。
リスクをかけなくても正確で鋭い攻めを繰り返すなでしこジャパン、我がチームながら戦慄が走る強さです。

そしてそのすぐあとの攻撃、バイタルエリアでボールを受けた岩渕が果敢に仕掛けてからのシュート、これは相手に阻まれるも、CKを獲得。
この左CKを蹴るのはもちろん世界一のキッカー宮間あや、そこからの正確無比なボールを熊谷が競り、そのこぼれ球を岩清水が
詰めようとするも、相手も必死のブロック、それでも最後に反応したのは岩渕真奈!怪我をしている右足で豪快に蹴り込んだ!日本ついに先制!
ここまでは華麗な攻めが多かったものの、決めるときはドロ臭い、これもなでしこの強み!
岩渕が流れを変えるだけではなく、結果を出してくれたことも本当に大きい。チームに勢いを与えてくれます。

この得点は時間も後半42分でしたから、オージーの心を折ったことでしょう。足が止まっていました。
佐々木監督は45分に阪口に代えて澤穂希を投入して、いよいよ総仕上げ。
ロスタイム3分ありましたけど、なでしこは危なげなく守り、最後は相手の苦し紛れのロングシュートをGK海堀が体の真正面で大事そうにキャッチして終了のホイッスル。海堀もこれで前のオランダ戦のポカを乗り越えたことでしょう。
これでベスト4です!

それにしてもこの日のオージーは予想以上に動けていませんでした。やはり夏の大会はコンディション調整が難しいんでしょうかね。
ただ、それでもオージーは決められてもおかしくない最後の最後のところでは、選手全員が体を伸ばして防いでいたのは立派でした。彼女たちの粘りがじりじりと拮抗した好ゲームを作っていたといっても過言ではありません。
試合後の清々しい態度いい、アジアにこういう素晴らしいライバルがいるのは本当に嬉しいものです。

準々決勝はアメリカやドイツという強豪も苦しむなかで、なでしこは余力を残すような形での勝利。
ここまでの試合はすべて1点差ゲームですけど、試合ごとに確実にチーム力は増してきています。
この試合も90分間で決めようとせず、焦らずじっくり勝利を掴んだところにも凄味を感じました。
”連覇”が見えてきたといっていいんじゃないでしょうか。
しかも試合が面白い!のですから、現地の観客にも世界中のサッカーファンにも応援されるに決まっています。

…ただ、次の準決勝の相手はおそらく開催国のカナダ。
しかも試合が行われる7月1日(日本時間2日)はカナダの建国記念日だというのですから、弩アウェイ確定です。
いやあ、これはさすがに厳しいなあ…。
なんて思っていたら、カナダがイングランドに負けちゃいました。
なでしこの次の相手はイングランドです。
イングランドには前のW杯のGLで0-2の不覚を取ったこともありますけど、開催国と戦うよりずっとましです。

風が吹いてきましたね。
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