世界遺産と引き換えにしたものは

ようやくといっていいでしょう、7月5日、ドイツ・ボンで開かれている国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会で、日本の〈明治日本の産業革命遺産〉が世界文化遺産に登録されることが決定しました。

世界遺産の登録は各国からの推薦案件をユネスコの諮問機関イコモスが現地調査などをし、それでもって”登録勧告”がなされると、それはほぼ”登録確定”ということになります。これが覆ったのはイスラエルが申請した〈ダンの三連アーチ門〉が、国境問題を
理由にヨルダンが反対した案件だけだそうです。
ですから、〈明治日本の産業革命遺産〉が今年(2015年)5月4日に登録勧告がなされた際は、日本のメディアもそれが確定と同様の意味だと喜びとともに伝えていたものです。

しかし、それも束の間、韓国がこの産業革命遺産のうち長崎造船所や端島炭坑(軍艦島)など7つの施設で第2次世界大戦中に
多くの朝鮮人が”強制徴用”され、犠牲者も多く出た、と猛烈に反対し始めたことで事態は暗転したのです。
日本政府は官民挙げて世界各地でロビー活動しまくる韓国の相手に奔走することとなり、21ヶ国ある委員会国の3分の2の賛成が必要ということで、躍起になって委員会国へ説明に回ったり、韓国とも意見調整を開始します。

ちなみに韓国の主張はいつもの拡大解釈、いや捏造です。
施設での労働者は民間業者(朝鮮人経営)に金銭で雇われていたものと、日本人と同様に法律に則った徴用で朝鮮半島からやってきたものであり、労働環境の程度はわかりませんが、韓国がいうところの「奴隷労働」や「アウシュビッツと同じ」は完全なる間違いです。徴用には賃金が支払われますし、同施設では日本人も徴用されているので、奴隷でも人種隔離政策でもなんでもありません。
しかも、今回の〈産業革命遺産〉は幕末・明治期に日本が人類史上稀に見るスピードで近代化を成し遂げたことを理由に世界遺産に推薦しているのであって、それは朝鮮半島を併合する前の話ですから、お門違いも甚だしいといえるでしょう。
(※1944年8月に朝鮮人への国民徴用令の適用が閣議決定され、1944年9月~1945年3月までの7ヶ月間、朝鮮人の労務者が日本本土へやってきていますが、その数はそう多くはないと考えらていて、朝日新聞は245人と報じています。)

ただ、中国人(華人)でいうと、強制連行された労務者が三菱鉱業株式会社の高島礦業所と崎戸礦業所で過酷な環境のなか、自由意思に反して働かされていたと長崎地方裁判所が2007年3月27日に認定しているので、それは重く受け取らねばならないと思います(※損害賠償は時効により棄却)。

これに対して韓国の主張には何の根拠もなく、これは例の慰安婦と同じ捏造といえるでしょう。
仮に朝鮮人労働者の賃金に未払いがあったり、徴用者の労働条件が劣悪だったとしても、それはまた別の問題です。
私は韓国の主張など無視すればいいと思いました。
世界遺産登録は全会一致が慣習みたいですけど、登録されるなら3分の2の賛成だっていいじゃないですか。
たとえ韓国が反対に1票を投じたとしても、日本が他の委員会国に丁寧に事情を説明し、賛成票を獲得してゆけば、韓国の異常性を浮き彫りにできるというものです。
とにかく、おかしな面子にこだわるよりは堂々と韓国の嘘を否定すべきです。もっとえば捏造を受け入れてまで〈産業革命遺産〉とやらを世界遺産にしてもらう必要はまったくありません。馬鹿馬鹿しい。

ところが日本政府と外務省は韓国との協議を続け、6月21日には日韓外務省会議で、韓国の主張へは「歴史的な事実関係の範囲内で明示する」と妥協案を示した上で、韓国が世界遺産に申請している〈百済の歴史地区〉への賛成を表明するというバーター取引に打って出て、ようやくユン・ピョンセ外相から「協力する」という言葉を引き出したわけです。
なんでこんなに日本側が卑屈になるのか理解に苦しみますが、これで世界遺産の問題も片付いたかと思ったら、7月4日の委員会開催の間際になって韓国側が態度を硬化させ、”強制徴用”という言葉にこだわり出したために審査は最終日の5日に持ち越し。
〈百済の歴史地区〉は4日に日本も全面支持を表明し、全会一致で世界遺産に決定しているだけに、一杯食わされたとしかいいようがありません。
外交トップとの約束が簡単に反故にされる韓国という国の異常性にあらためて驚かされると同時に、日本の外務省やユネスコ大使の間抜けさにもあらためて頭が痛くなってきます。
そもそも向こうが〈百済の歴史地区〉を登録させたがっているのであれば、「百済は日本の領土だったと記述しろ!」とでも主張して対抗カードにするのが外交というものではないでしょうか。

そうして先行き不透明のなか迎えた5日でしたけど、結局は韓国も含む21ヶ国の全会一致の賛成で〈明治日本の産業革命遺産〉の登録が決定されました。
しかし、これは吉報でもなんでもありません。
テレビ・新聞報道によると、日本側が「意思に反して連れて来られ、厳しい環境で労働を強いられた朝鮮半島出身者が存在した」と認めた上で、「被害者を記憶にとどめるための施設設置を検討する」という譲歩案を出した結果だというのです。
これについて韓国メディアは「日本政府が強制労働を認めた」と報じていますけれども、本当に日本側はそれを条件にしたのでしょうか?
だとすればこれは完全なる外交敗北です。第二の河野談話になりかねない大失態といえるでしょう。
今回の件で最終的にGOサインを出したのは岸田文雄外務大臣、もしくは安倍晋三総理でしょうから、マスコミや野党は安全保障の問題に難癖をつけている暇があったら、こちらをしっかり追及して欲しいものです。

安倍内閣はその説明内容いかんによっては終わりの始まりを迎えるかもしれませんぜ。
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