五輪エンブレム問題とネットのひとびとへの感謝

いつの間にか日本中を騒がす大問題へと発展していた東京五輪エンブレム問題も、昨日9月1日に記者会見を開いた組織委員会の武藤敏郎専務理事が”使用中止”を発表したことで、ようやく収束に向かうようです。
いやあ本当によかった、あのまま本番へと進んでゆくのは御免こうむりたいところでしたからね。
これで国民に祝福される五輪になってゆきそうですね!

…といいたいところですけど、1日の会見では”責任の所在”については言及されませんでした。
いったいどういうことなんでしょう?

まず、盗用疑惑を指摘され、もっとも世間から批判を浴びていたデザイナーの佐野研二郎さんは、自らデザインの取り下げを申し出たとはいうものの、疑惑については書面で、「模倣や盗作は断じてしていないことを、誓って申し上げます」と反論し、「誹謗中傷」や家族も含めた「プライバシーの侵害」によって「人間として耐えられない限界状況」ことを取り下げの理由にしていました。
私はもうこのひとには何をいっても無駄だと思います。サントリーのトートバックのように、”完全コピー”という100%の証拠を叩きつけられない限り絶対に認めないのでしょう。それは佐野さん個人というよりデザイナーの業なのかもしれません。

そして次に、コンペで選んだ佐野さんのデザインが別の作品と類似しているとわかりながら、それを落選させるのではなく、修正させて、別のものにしてまでも佐野さんを起用しようとしていた審査委員会ですが、武藤専務理事は「1位と2位の差が大きかった」として、そのやり方を認めたそうです。
ただ、審査については、永井一正審査委員長(札幌五輪エンブレムデザイン)をはじめとした専門家である審査委員に任せていたという口ぶりで、責任は丸投げしていました。こういうところはさすが元高級官僚ですね。
ちなみにこの記者会見の前に武藤専務理事と永井委員長と佐野さんの三者会議を行って取り下げが決まったとのことなんですけど、なんで記者会見は武藤専務ひとりだったんでしょう?
佐野さんがいないのはまだしも、永井委員長は同席させるべきでした。
この問題の始まりは間違いなく”佐野研二郎”にこだわったコンペにあります。
その責任者が自らの口で説明しなければ国民が納得するはずもありません。
今回の件で最も責任が重いのは審査委員会のはずです。
佐野さんも審査委員会も広告代理店〈博報堂〉関係者なので、”談合”も疑われていますしね。

ただし、組織委員会に責任がないわけではありません。
7月24日に佐野デザインが大々的に発表されてすぐにベルギーの劇場のロゴに似ているとの指摘があって、ベルギーのデザイナーもクレームをつけてきたものの、組織委員会は”問題にせず”という姿勢でした。
ベルギーのロゴは商標登録もされていませんでしたし、酷似しているというわけでもありませんでしたから、その対応は正しかったと私も思います。
しかし、そこからネット上では佐野さんの過去のデザインについていくつもの盗用疑惑が持ち上がり、ちょうとその頃行われていたサントリーの懸賞の賞品である佐野さんデザインのトートバック(後に事務所スタッフのデザインとの説明)に”完全コピー”が見つかって、佐野さんもそれを認めたことで、一気に国民の間で不信感が高まったわけです。

五輪エンブレムというのは縁起物ですから、そのデザインの良し悪しはもちろん、それをデザインしたひとへの信頼がなければなりません。
それを佐野さんが失った時点で、組織委員会は内々に佐野さんと話し合いを持ち、適当な理由をつけてデザインを取り下げてもらえばよかったのです。いわゆるソフトランディングです。
けれども、組織委員会はそれをせず、佐野さんを擁護する形で、ベルギーのデザイナーと徹底抗戦することで五輪エンブレムの
正当性を確保しようとしました。
そのために開いた8月28日の会見で、佐野さんがコンペに出した原案を公表し、「ベルギーのものとはぜんぜん似ていないでしょ!」とアピールしたわけですが、その原案に類似品が見つかって(展開例の写真も他所から無断使用)、墓穴を掘ってしまったわけです。
私はここ2ヶ月の組織委員会の対応を見ていて、ただただ呆れるばかりです。
こんなんで後5年本当に大丈夫なんでしょうか、心配でたまりません。
今回の問題をうやむやにせず、責任を追及することで、組織委員会も信頼を取り戻してほしいものです。
たくさんのお金をドブに捨てたわけですしね。

それにしても、今回の一件ではネットのひとびとが大きな活躍をしてくれました。
彼ら彼女らが佐野さんの疑惑を一生懸命探し出してくれねば、日本は世界に対して赤っ恥をかくところでした。
大手柄だったと思います。
それなのに、一部から”ネット脅威論”みたいなものがいわれていることに、私は大きな違和感を持っています。
ネットを使っての佐野さんに対する誹謗中傷やプライバシーの侵害といったものがあったかもしれませんが、それよりも重要なのはマスコミや専門家ではなく、ネットから真実を追求する動きが始まったことです。
もう偉いひとが都合の悪いことを隠し通せる時代は終わったのです。
そういう意味で、今回の一件は2020年東京五輪と国民ひとりひとりの距離をぐっと近づけたかもしれませんね。
人気ブログランキングへ
スポンサーサイト
プロフィール

かつしき

Author:かつしき
FC2ブログへようこそ!

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード