安保関連狂想曲

昨日9月16日は女性議員を使ったセクハラの盾、今日17日の参院平和安全法制特別委員会の鴻池祥肇委員長への不信任動議。
民主・維新・共産・社民・生活の野党5党は、まさになりふり構わないといった姿勢で安保関連法案の採決に反対していますけど、参院では自民・公明の与党が過半数を占めている上に、元気・次世代・改革の野党3党は法案に合意しているのですから、もう採決は時間の問題なのです。
しかも、その”時間”でいえば、安保関連法案は7月27日に参院で審議入りしてから9月16日までに約100時間の審議時間を取っているわけで、賛成する野党の存在も含めて、もはや”強行採決”と呼ぶのは難しい状況といっていいでしょう。

それなのに反対5野党は、まるで”民意の代弁者”のような顔で吠えまくっている。
その理由はいうまでもなく各種マスコミの直近の世論調査にあります。
たとえばNHKのそれでいうと(9月11~13日)、安保関連法案の今国会での成立に賛成が19%・反対が45%、国会での議論が尽くされた6%・尽くされていない58%。
朝日新聞のそれでいうと(12~13日)、安保関連法案に賛成が29%・反対が54%、今国会での成立に賛成が20%・反対が68%、国会での議論は尽くされた11%・尽くされていない75%。
FNNによると(12~13日)、安保関連法案が必要52.7%・必要ではない38.7%、今国会での成立に賛成37.9%・反対49.4%。
質問の仕方の違いか、各社で数字に差があるものの、今国会での成立には反対の声が多いようです。
これを背景に反対5野党はがんばっているということなのでしょう。

しかし、反対5野党の話を聞いていると、まるで大多数の国民が安保関連法案に反対しているかのような口ぶりで、これには私も大いに違和を感じてしまいます。
もし、本当にそうならば、いまごろ与野党の支持率は逆転しているはずですよね?
でも、実際は違います。
上と同じ時期の世論調査になりますけど、NHKでの安倍内閣支持率は43%・不支持39%、政党支持率は自民党が34.7%、野党第一党の民主党が9.8%。
朝日新聞でいうと内閣支持率36%・不支持42%、政党支持率は自民党36%、民主党10%。
FNNでの内閣支持率は43.5%・不支持44.5、政党支持率は自民党36.6%、民主党9.4%。
内閣支持率はトントンですけど、政党支持率には圧倒的な差があります。
”民意”というのは本当に難しいですよね。

ただ、その民意を計る最も重要な方法である”選挙”でいえば、安倍内閣は2014年7月に集団的自衛権の行使を容認する閣議決定をしながらも、12月の衆議院選挙では291議席(全475議席)と大勝しているんです。もちろん集団的自衛権を含む安全保障は争点のひとつでした。
この結果をもって、安倍内閣が安保関連法案を成立させようとしていることは、筋が通っているといっていいでしょう。
選挙で述べたことを政策に移しているだけです。
しかし、安保関連法案への世論調査でいえば、2015年に入っても賛成が反対を大きく上回ることはなく、逆に反対が徐々に勢いをましてきたことは事実です。内閣支持率もずっと高かったものが、7月からは支持・不支持が拮抗しているような状態です。
”国民”は選挙で安倍内閣を選んだのに、”世論”は反対に回る。
わけがわかりませんよね。

私はその謎を解くカギは”憲法違反”というキャッチフレーズにあると思っています。
閣議決定の頃から反対派はこれを使ってきましたけど、5月から衆院での審議が始まると、野党やマスコミ、それに司法関係者もこれを連呼。
法案の中身も議論の重心はそちらに傾いていたといっていいでしょう。
安保関連法案というのは10本の法律を改定するもので、国民にとって、その中身がややこしくてわかりにくいことはいうまでもありません。
むろん、政府と与党は国会で丁寧に説明しようとしますが、野党はそれを邪魔しますし、反対派のマスコミも理解の手助けはしてくれません。
世論調査では”法案がわかりにくい”と答えたひとが8割ほどいましたけど、その責任の大半はマスコミにあるはずです。
法案の中身を国民にわかりやすく伝えるのがマスコミの仕事であって、賛成・反対のどちらに誘導するのも間違っています。

ただ、反対派が”憲法違反”というキャッチコピーを選んだのは戦術的には正解でした。
世論調査によれば、法案に反対の理由の大半は”憲法違反だと思う”なんです。
ようするに「中身はよくわからないが、憲法に違反しているからよくないものなのだろう」というのが多くの過半数の国民の考えということになります。
でも、その考え方って正しくはないですよね。
法案の中身を知ろうとすることが大事なのはもちろん、憲法に合致しているかどうかではなく、”その法案が必要なのかどうか”をまずは判断すべきなんです。
そしてそれが”要る”となって、憲法に抵触しそうならば、憲法を変える、これが世界の常識です。
それなのに日本ではまるで聖域のように扱う。
改正されていない成文憲法として日本のそれは”世界最古”ともいわれているんです。

ですから、民主主義の国家ならば、現状と向き合い、法案と向き合い、憲法と向き合う、という手順を踏むべきなんです。
それなのに反対5野党はそれをしようともしない。
これは国民に対する裏切りであり、民主主義への裏切りといっていいでしょう。
特に問題があるのはかつて与党だったこともある民主党です。
岡田克也代表も、野田佳彦元総理も、前原誠司元外相や長島昭久元防衛副大臣も過去には集団的自衛権の行使を容認する発言をしていましたし、党としても明確に反対はしていなかったはずです。
それが野党になったら、とにかく反対、反対のための反対、与党を攻撃するための手段に使う、これはさすがに醜い。
もはや責任を預けられる政党とはいえません。

私は今回の安保関連法案には大枠で賛成ですけど、周辺事態法やPKO法の部分に憲法違反の可能性、というより、日本が他国の戦争に巻き込まれる危険性を感じてしまうんです(朝鮮半島有事と国連ではないPKO)。
このあたりは国会でもっとしっかり話し合って欲しかったと思っていますし、反対野党はそういう部分を追及して欲しかった。
日本には大国として地域と世界の平和安定に貢献する責任があるのはいうまでもありませんし、それを円滑にする法律が必要なのもいうまでもないことです。
しかし、それが行き過ぎれば日本は無用な重荷を負うことになりかねません。
積極的に国際社会に貢献しつつ、行き過ぎないための”言い訳”として憲法を利用する、それが賢いやり方というものです。
憲法は国民を縛るものではなく、国民を守り、平和で豊かな未来に導くものであるべきです。

それなのにいまの日本国憲法は混乱のもとになっている。
狂ったように”9条”を叫ぶひとたちも、自衛隊を組織できないよう憲法改定しろとはいいませんし、他国と同盟できないようにしろともいいません。
いったい何を守りたいのでしょう?
私は理解に苦しみます。
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