南アフリカを下した日本ラグビーの歴史的快挙

2015ラグビーW杯、日本代表のグループリーグ初戦対南アフリカ、私もラグビーの試合を観て、ここまで興奮したのは初めてです。
とはいっても、ルールにも詳しくない私などのラグビー観戦といえば、4年に一度のW杯の日本代表の試合や、外国勢の決勝トーナメントの試合くらいなので、とっても少ないのですが、そういうなかでもレベルの高い国同士の試合というのはなんの予備知識がなくても本当に面白いものですから、テレビを観ているうちに自然に声を上げたり、手を叩いたりしちゃうわけです。
しかし、私は過去の日本代表のW杯では、スポーツとしての熱狂というより、ナショナリズムとしてのそれしか感じていませんでした。
それでは本当にラグビーW杯を楽しめていなかったんですよね。
自国の代表の好ゲームを観戦することの喜び、ラグビーの盛んな国のひとびとが毎度毎度熱狂している理由が初めてわかりました。
それを教えてくれた桜のジャージに心から感謝します。

その試合はというと、ランク3位の南アフリカに挑むランク13位の日本がまず8分に五郎丸歩のペナルティゴールで先制するも、18分に南アがトライとコンバージョンゴールを奪って逆転、しかし日本も負けずに30分にトライ&ゴールで逆点!
スクラムでも押し負けないし、日本は強い!ひょっとしたらいけるかも!
なんて思っていたら、そのあとのすぐの33分に簡単にトライを奪われて前半は日本10-南ア12というスコア。
接戦のように見えますけど、南アは逆転されるとすぐに”ギアを上げてきて”、そこに日本はなかなか対応できません。
おそらく、世界中のラグビーファンは後半に南アが日本を突き放すと思ったことでしょう。

後半は、立ち上がりの43分に日本がPGで先手を取って逆転するも、南アは直後の44分にトライ&ゴールで易々と逆転。
悔しい!やっぱりダメなのか…。
私などはガックリきちゃったのですが、桜色のサムライたちはまったく動じることなく、49分と53分のPGで同点に追いつきます。格上だとかなんとかまったく関係ないって顔をしていましたよね。
ただ、南アの方はそいう生意気な日本に対して、54分~58分にかけて6枚のフレッシュな交代カード(本来のスタメン)を切って叩き潰しにかかり、57分のPGでリード、これは日本も60分に同じくPGでなんとか食らいついていきますけど、南アは62分にトライ&ゴールで勝利への道筋を強引にこじ開けにきます。
これでスコアは19-26。
格上相手にこの時間帯で7点差というのは精神的にも本当にきついと思うんです。体力的にもそうでしょう。
ここから流れがドっと各上に傾くのがラグビーというスポーツです。

ところが日本は全然へこたれないんです。
南アが勝利に向かってギアを上げてきても、我らがブロッサムズは無限の運動量と高い有機的組織力でスプリングボクスの前進を阻み続けます。相手はスタミナが切れてきたようですけど、私には日本が試合中に”進化”しているようにすら見えました。
そして69分、日本は右サイドに展開すると、そこから小気味いいパスを回して南アを振り回すと、最後はライン際を駆け上がってきた五郎丸歩がトライ!そして例の拝みポーズからのCGもきっちり決めて、スコアは26-26の同点!
このときの会場の盛り上がりはテレビで観ていても凄まじかった。
どこまでも諦めないブロッサムズの勇敢さに、イングランドのお客さんもいつの間にか日本贔屓になっていましたよね。

これはひょっとしたらひょっとするんじゃないだろうか、貴重な勝ち点を奪うんじゃないだろうか、なんて私も心臓がバクバクしていたんですけど、過去2回W杯を制している南アは残り少ないスタミナを振り絞るように日本陣内に攻めてくると、最後はトライ(5点とCG2点)を狙わず、PG(3点)できっちりリードを奪う冷徹さ。
この判断は消極的なようですけど、王者の誇りをかなぐり捨てて勝負に徹する姿勢こそが強豪チームというものなのでしょうねえ。

そうして残り時間は約7分、格上の南アが守りに入ってしまえば、それをこじ開けるのは至難の業。
”日本になどやられはしない”、そういう自信があるからこそ南アもPGを選んだわけです。
しかし、彼らは日本を侮っていたとしかいいようがない(かくいう私も)。
ここからの日本は本当に強かった。
無尽蔵のスタミナはもちろん、高い集中力でプレイの質がまったく衰えない。
もちろん、チームワークも微塵も揺るがない!

局面で徐々に徐々に南アを圧倒してゆく日本代表は、試合終了間際に魂の波状攻撃、どちらが格上かわからない怒涛の攻めで、スプリングボクスをじわじわと押し込み、トライ寸前の場面も。
しかし、南アもそうはさせじ、同じく魂のディフェンス、これも元王者の誇りでしょう。
ただ、やはり日本の圧力が上回っていたのか、それに屈する形で79分のスクラムで南ア側の選手が反則で1人退場。
やや角度があるものの、ゴール間近の位置で攻撃の選択権を獲得した日本、PGを選んでこれを決めれば同点での試合終了は確実。
しかもキッカーの五郎丸はこの日すでに7本も決めて絶好調。
目標であるグループリーグ突破に向けて、引き分けという結果は本当に重要なものとなります。

けれども、日本代表キャプテン、リーチマイケルの判断は違った。
迷う様子もなくブロッサムズが選んだのはスクラム、目指すはそこからのトライによる勝利です!
そういう日本の執念と迫力に、南アはたじろいだのではないか、そう私は思う。
そうしてスクラムで押し勝った日本は、そこから左右にボールを振ったかと思うと、左サイドに展開して、最後はカーン・ヘスケスが頭から飛び込んでの劇的トライで日本の勝利!
雄叫びを上げるブロッサムズの面々、会場も爆発したような大騒ぎ!
まさに歴史的快挙、私もこうして思い返していてもいまだに信じられません!

それにしても終盤の日本は本当に凄かった。
3点ビハインドのまま80分を回り、プレイが途切れた瞬間に負けが決定するという状況で、15人の勇敢な桜の戦士たちは微塵もミスをしないんです。
それが幾重にも重なる波状攻撃へと繋がり、南アの気持ちをへし折って、最後のトライに結びついたわけです。
ミスの少なさというのは試合を通してのものでしたし、交代選手も含めて、全員で掴んだ勝利といっていいでしょう。
本当に素晴らしかった。

常に数的有利を作る無尽蔵のスタミナ、決して挫けぬ心の強さ、機械のようなプレイの正確性、そして完璧なまでのチームワーク。
これは日本人が望む”日本らしい戦いぶり”だと思います。
ラグビーの代表というのは外国籍選手が許されていて、日本代表も中心に外国籍選手(リーチは帰化選手)が据えられていますけど、チーム全体としての有様を見ていると、根底にある哲学は”日本らしさ”なんです。
それでもって元王者の南アフリカを破ったということは、日本ラグビーの誇りであり、日本国の誇りです。

この試合直後から世界中のメディアが「歴史的快挙」、「史上最大の大番狂わせ」などと報じているように、ラグビーというのは実力差がそのまま結果に繋がるスポーツで、番狂わせが起こりにくいことでよく知られています。
裏を返せば、ランク差のあるチーム同士の試合というのは一方的になりやすく、ゲーム自体もつまらないものになるということです。
しかし、今回の試合は掛け値なしに面白かった。
それは日本代表の勝利が決してまぐれではなく、内容があったということです。
世界のラグビーファンが日本代表を賞賛しているのは、試合が面白かったからに違いありません。
日本代表はひとつの階段を上ったのです。

次の9月23日のスコットランド戦も日本は面白い試合をしてくれるに違いありません。
そして目標のベスト8へ、突き進めエディージャパン!
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