2015ラグビーW杯、有終のアメリカ戦(後)

(続きです。)
後半の日本は、ホラニ龍コリニアシ→アマナキ・レレイ・マフィ、山下裕史→畠山健介というメンバー交代。厳しい試合が続いていますから、総力戦です。
17-8という点差はトライ&ゴールを許しても追いつかれない安全圏ではあるものの、アメリカの実力を考えれば、流れが少し傾くだけで逆転されかねないギリギリの範囲であることもまた事実。
そうなればやはり後半も先手を取りたいところでしたけど、日本が立ち上がりから果敢な攻めを見せると、44分にアメリカはたまらずファウルを犯し、それで得たPGを五郎丸がきっちり決めて20-8!

これで視界がぱっと明るくなったかに思われたものの、アメリカの闘志は衰えることなく、いい形を作られて日本が押し込まれる展開、その波状攻撃に日本は規律と集中力が高いディフェンスで応対し、もう少しで凌げるところまで我慢するも、ファウルを犯し、55分に相手のPGが決まって20-11。
さすがアメリカ、粘っこい。

これでアメリカが元気になって、息苦しい時間帯が続き、右サイドで快足ウィングとして世界的にも知られるタクズワ・ングウェニアが抜け出し、あわや!というピンチになるも、レレイ・マフィが神がかり的なタックルで止めた!
ングウェニアはアメリカで最も危険な選手で、この日も日本は徹底マークをしていましたけど、この場面はそれが外れていたので、レレイ・マフィが斜め後方からのタックル一発で仕留めたのは本当に凄かった。

これで一気に流れが日本に傾くと、日本の攻めに耐えられなくなったアメリカ選手がファウルを犯し、イエローカードで10分間の退場。
この61分のチャンスに、日本がPGではなくトライを狙いに行くと会場は大盛り上がり、そのムードにのって鮮やかにボールを回すと、最後はレレイ・マフィをトライを決めた!神さま仏さまマフィさま!
コンバージョンキックは外すも、これで25-11。
マフィが完全に勢いをつけてれくましたし、エディ・ジョーンズHCの采配もズバリ的中!

そこからは互いに死力を尽くす時間帯となるも、ひとり多い日本が優勢、68分にはドライビングモールで押し込み、もう一息!でしたけど、アメリカに攻守逆転されると、そのまま陣地を攻め込まれ、最後は広く空いた右サイドに大きくパスをされてからのトライ。ゴールも決まって25-18(72分)。
アメリカの突貫力が凄まじいので、日本の守備が中央に寄せられすぎていました。これもアメリカの狙っていた形でしょうね。
これで7点差という胃が痛くなる点差。トライ&ゴールで同点に追いつかれてしまいます。

ここは守りに入れば逆にヤバい、しかし攻めに行くには体力的に本当に厳しい時間帯。しかもこれが大会4戦目で、日本は選手の温存などせずにここまできているのです。
ですから、普通ならアメリカの流れになるはずなんです。
しかし、このエディジャパンは、終盤に気力と体力が落ちない。
これぞハードワークで培った日本の底力。
そうして突き放しにいった日本はぐいぐいと進撃し、76分に相手のファウルからPKを獲得。
これは決めると大きいが、外せば相手の流れになる。
角度は良好ながら、簡単ではないキック…。
日本国民が彼に合わせて両手を組んで拝むなか、よくぞ決めた五郎丸!よっしゃあ!28-18!

残り時間はアメリカがヤンキー魂を燃やして火の玉となって攻めかかってくるも、日本も負けじと大和魂で対抗しての激しいディフェンス。
この最後の攻防の熱さがラグビーの素晴らしさ。アメリカももう勝ちはないとわかっていてもトライを狙いにくる、日本もその執念に全力で応える。どこか友情すらも感じます。
最後は日本がボールを奪い、外に蹴りだしてノーサイド。
日本は同一大会3勝という歴史的快挙。
日本の勇敢な戦いぶりは、長らくラグビーファンの記憶に留まることでしょう。
しかも、予選プール3勝での敗退というのはW杯史上初めてというのですから、最も偉大な敗者として記録にも名を留めました。

大会前の記者会見で、エディ・ジョーンズHCが「ベスト8が目標だ」と語ると、記者たちは失笑したそうです。
主催者側が用意したチーム紹介のVTRでも、各国のそれが過去の大会の名場面だったのに対し、日本のそれはニュージーランドに17-145で負けた屈辱の試合のものでした。
日本は弱小、日本は引き立たせ役、それがラグビー界の常識だったわけです。
しかし、エディ・ジョーンズと勇敢なるブロッサムズはそれを木っ端微塵に打ち破った。
そして、その打ち破られたものが、私も含めた我々日本人の持っていた常識だったのもいうまでもありません。
我々は日本代表を賞賛するだけではなく、平身低頭謝らなければなりません。

今回のエディジャパンが標榜した〈Japan Way〉は、厳しい練習をベースにした運動量と技術と規律、そして勇気を源とした果敢な攻めと、低く鋭いタックル(相手の膝が顔にくる恐怖と戦うのですから凄まじい)という、まさに日本ならでは、日本人好みの戦い方でした。
日本ではいま空前のラグビー人気ですけど、それはただ3勝したからというのではなく、その戦いぶりが日本人の琴線に触れたからだと思います。
この道は間違いなく4年後に続く!
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