2015GPSカナダ大会 男子シングル(前)

2015GPSカナダ大会男子シングルの注目はなんといっても羽生結弦とパトリック・チャンの直接対決。
チャンが昨季を休養にあてたため、あのソチ五輪の激闘以来ということになるわけですが、我々日本のファンとしては羽生結弦の現在地を知るためにもチャンとの比較はとっても興味深いところですよね。
ただ、正直にいうと、私は羽生結弦の勝利を確信していました。
”絶対王者”と呼ばれたチャンさえ太刀打ちできない強さを見せつけてくれると思っていたわけです。
今季の羽生結弦は年齢的に見ても、ひとつの完成形を我々に届けてくれるはずです。
圧倒的な技術力をベースに、採点のあやふやな部分を笑い飛ばしながら、金メダルを奪い取ってゆくというスタイルです。
課題といわれる表現面も、技術要素の完成度で魅せてゆき、誰にも文句をいわせない新たなる絶対王者の現出を私は心から楽しみにしています。
というわけで、波乱の展開となったカナダ大会をざっくばらんに振り返ってみたいと思います。

ドイツのリーベルスの出場辞退によって、カナダ大会への招待状が舞い込んできた川原星くん19歳(12月生まれ)。
もちろんこれがGPS、というかシニアデビュー戦です!(早いものですねえ。)
SPでは3Aのステップアウトでスタートするも、3Loで軸をゆがませながらも+3Tをつけると、後半の3Lzも成功。
長い腕を生かした演技で『タンゴ・デ・ロス・エクシラドス』に立ち向かい、SPは67.36(TES35.42・PCS3.194)でパーソナルベスト。
こうしていい感じでシニアの世界に入った川原くん、FSでは3Aをこらえながらもなんとか着氷すると、次の3A予定は2Aに抜け、3Lzからのセカンドも+2Tに。キャメルスピンも鈍り、ステップもなかなかブレードが滑って行かず、やはりちょっと緊張が見られます。これもルーキーの『宿命』です。
しかし、後半は頭から3Lz3T、3F、3Loと立て続けに成功して盛り返したのは立派。
ただ、そこからはスタミナが切れたのか、シットスピンでふらふらし、3S+1Lo+1Sも崩れるよう。
それでも最後の3Sは気持ちで降りて、FSは127.85(65.43・62.42)、合計195.21の10位(全12選手)。
SPもFSも演技全体がすごく丁寧で、ルックスもいいので、中村健人くんにイメージが重なります。
女性ファンもこれからどんどん増えるんじゃないでしょうか。
顔だけじゃなく名前もイケメンですしね!

地元カナダ期待のナム・グエン(カナダ)は勢いのある4T+3TでSPが始まったものの、ステップからの3Aでもったいない形の転倒、スピン2本を丁寧に回り、たどたどしい繋ぎで入った後半の3Lzを着氷すると、体があまり動かないステップ、ちょっとお疲れ気味のコンビネーションスピンでフィニッシュ。
SPは76.10(40.27・36.83・減点1)で4位。ルッツのエッジに!がついていたのと、やはり後半ジャンプが少ないせいでしょうね。
演技面での課題が多いグエンですが、FSに選んだのは『バッサカリアとフーガ』という難しい曲。
序盤は4Tを詰まらせながらも+3Tで成功、4Tと3Aも粘りつくような着氷と根性を見せ、会場も大盛り上がり。
しかし、スピンとステップがのんべんだらりとしていて、その盛り上がりを演技に繋げられません。
後半冒頭の3Aはターンが入ってしまっての+2T、そこからは3Lz、慎重な助走から3F+2T+2Lo、3Loと着氷するも、体が硬く、姿勢も悪く、スケーティングスピードもないのでどうしても演技が輝いてきません。
すごく必死にやっているのは表情や動きからわかるので応援したくなるんですけどね…。
まあ、それでもFSで4T2本、3A2本の着氷は立派。これで羽生結弦にもいびられないはず!(グエンの方が先にオーサーに入門しているので、兄弟子なはずなのに…。)
演技は今後磨いてゆけばいいんです。昨季よりは少しよくなっていると思いますしね。
FSは162.72(88.86・75.86)、合計238.82で5位。

つい先ごろ自分の心情についてカミングアウトしたアダム・リッポン(アメリカ)はどこかすっきりした表情で登場すると、SPでは4Lzを転倒(ダウングレード)するも、3Aは軸をゆがめながら成功、正確なスケート技術のステップ、後半も3Lz+3T(いつものタノジャンプではありませんでした)を成功させると、どっしりと安定したスピン2つのあと、大胆にのけぞったポーズでフィニッシュ。
プログラム全体がよく作りこまれていて、あきさせる部分がないクイーンの『リヴ・フォーエバー』でした。
リッポンはタノジャンプとルックス以外(今年はパープルヘアー)に派手なところはありませんが、自分の持っている力を把握し、それを出しつくすタイプのスケーターといえるでしょう。親友のワグナーもそうですけど、真面目さが伝わってくる演技です。
SPは80.36(41.56・39.80・減点1)の3位。
そうして表彰台も狙える位置でスタートしたFSでしたけど、冒頭の4LzでまたもやDGの転倒するも、3Aは軸ぶれしながら+2Tで着氷、両手タノのリッポン3Lzを決めて持ち直したのはさすが。
ステップでも巧みな滑りと振り付けで観客を引き付けます。
このFS『ビートルズメドレー』は曲が唐突に変わるので、私はちょっとついてゆくのが難しかったですけど…。
そんななか、曲が『イエスタデイ』に変わってすぐの後半冒頭、なにかを暗示したのかのように3Aでお手つきステップアウト(以前の『G線上のアリア』でも似たようなことがありましたよね)。
これで表彰台が遠のくも、リッポンはベテランらしい粘りを見せ、3Lz+3T、3Lo、イーグルからの3F+2T+2Loを着氷、安定したスピンのあとのコレオも大きな滑りと動きで攻めて、3Sもカチっと降りると、流れを切らさぬままのコンビネーションスピンで鮮やかにフィニッシュ。とっても面白かったです。
FSは159.33(80.47・80.86・減点2)、合計239.69で4位。
今季のリッポンは演技が開けっ広げになって、表現者としてひとつ先に進んだという印象です。
ジャンプが安定すれば結果もついてきそうですね!
(※思いもかけない波乱の展開だった優勝争いへと続きます。)
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