2015GPS中国大会 帰ってきた浅田真央

みなさん、ついに11月6日がやってきましたね!
例年ならば「お見合い記念日!」というひとがいるかもしれませんが、今年2015年の11月6日は浅田真央がGPSに帰ってくる日です!それ以外にありません!
また、奇しくも10年前のGPSデビュー戦も中国大会で、今回と同じ北京の会場だというのですからさすが浅田真央、なんでも物語にしちゃいます。

そしてその記念すべき復帰戦のSPはジャズの名曲『素敵なあなた』。
私は子供の頃、家にあった池波正太郎先生のエッセイを読んでから小説も読むようになったファンなのですが、そのエッセイのなかで度々先生がベニー・グッドマンのことを書かれていて、それでスウィングジャズにも興味を持つようになったものです。
ですから、浅田さんが2012-13に『アイ・ガット・リズム』を滑ったときもすごく楽しかったですし、今季もSPに『素敵なあなた』を選んだと聞いたときは本当に嬉しかったんです。
1930年代のジャズナンバーが持っている明るさと楽しさと気品は、浅田さんの持っている個性とぴたりと重なります。
『アイ・ガット・リズム』もすごく良かったですし、『素敵なあなた』も絶対に素晴らしいプログラムになることは間違いありません。断言できます。
今季は休養明けのシーズンということで、体作りや技術面(特にジャンプ)に不安がないわけではありませんでしたが、10月3日のジャパンオープンの好演でそれも完全に払拭していたので、ファンとの日本国民の心も穏やかだったはず。
私もこの1ヶ月は心が軽かったですし、もっといえばウキウキワクワクでした。

そうしていよいよ浅田さんが現地に渡り、前日の公式練習の様子なんかがニュースで流れることになったわけですが、その映像を観ていて、胃がキュッと痛んできました。
SPのジャンプ構成が”3A、3F+3Lo、3Lz”なんですよ。
シーズン前に浅田さんは今季の目標について、「2年前と同じレベルで復帰したい」と語っていましたよね。
同じじゃなくて、本人の過去最高レベルじゃないですか!しかも女子シングルの歴史上間違いなく最高の難度です!
こうなるともうあきれるくらい、「さすが浅田真央」。
これですよ、これ、このファンの予想の斜め上な感じ。
本当に浅田真央が帰ってきたんです!
こうなれば我々も腹をくくって浅田真央という名のジェットコースターに乗り込むしかありません。このスリルと興奮はもはや麻薬です。

そんな興奮とともにやってきた11月6日の夕方、街の車やひとの流れが心持ち駆け足に見えました。みんな浅田真央を待っているに違いありません。
帰ってみんなパソコンやテレビをすぐに点けたことでしょうし、帰れないひとはスマホでちらちら気にしていたはずです。
我が家でも私と大の真央ファンである相方は、なぜか立ったまま、テレビを食いつくように見つめ、浅田さんの出番を待ちます。
浅田さんは最終グループの1番滑走。
6分間練習では浅田さんがジャンプを跳ぶたびに観客が大歓声を上げていましたし、テレビで観ていると観客の顔の向きが常に浅田真央を捉えているのがわかります。日本からのお客さんだけではなく、中国のお客さんも本当に楽しみに待っていたんでしょうね。
浅田さんは6分間練習で3Aを1発決めていい感じ。練習態度にもベテランらしい落ち着きがありました。
3Aだけではなく、3Lo+3Loも3Lzも簡単なジャンプではないので調整は難しそう。
ただ、表情や血色、肌の張りや体の絞れ方から見て、コンディションには問題ないはず。
あとはやるだけです!

そうしてリンクにひとり残された浅田真央。
軽やかなクラリネットに合わせてお茶目な表情と振り付けで滑り出すと、冒頭はもちろん伝家の宝刀3A!
いつもよりやや発射角が低かったものの上手く着氷をさばいて成功!助走から踏み切りに迷いなし!
会場も爆発したような盛り上がり!
女子では奇跡ともいえる大ジャンプの後ですから浅田さんも我々ファンも一息つきたいところですけど、次も女子では最高峰の大技3F+3Lo、最高潮に達した緊張感がさらに続くなか、浅田さんはこれも果敢に跳んだ!
セカンドがちょっと足りない感じでしたけど、プログラムに勢いがついたことは間違いありません。流れはよし!
ポジションを確かめるようなキャメルスピンのあとは、しなやかなで蠱惑的な動きで観客を煽り、その観客が猿臂を伸ばすのを、すうーっと伸びるスケートであざ笑うかのように振り払うと、後半は軽々とステップからの3Lzを着氷!
ジャンプを全部決めたことで浅田さんから笑顔がこぼれ、会場は2度目の爆発!我が家も爆発!
腰の負担が心配なレイバックスピンでもビールマンポジションが取れていたのも好材料、そうしてそこからは見せ場のステップだったわけですが、これが本当に凄かった。フィギュアスケートの可能性をさらに広げた、歴史的で画期的なステップだったといっていいでしょう。
首筋をなめるようなねっとりしとしてスケートで始まったと思ったら、曲調のテムポアップに合わせてスピードがきゅきゅっと上がり、さらには鍵盤を細かく叩くようなステップとツイズルでどこまでも登り詰めてゆく、浅田真央がひとりで色んな楽器を演奏しているような、ひとりビッグバンド状態。そのリズムの変則性や即興性はまさに”ジャズ”でした。
ここまで完璧に氷の上でジャズを表現した人類がかつていたでしょうか、ベニ―・グッドマンが生きていたら即座に浅田真央に共演のオファーが届くはずです(ローリー・ニコルも振り付けをしていた最高に楽しいでしょうね)。
最後はこの素晴らしい復帰戦の喜びを噛みしめるかのようなコンビネーションスピンで演技を締めくくった浅田さんは軽くガッツポーズ。
満足と安堵の入り混じった表情に、私も胸が熱くなりました(相方は号泣寸前)。
これが浅田真央です。我々はフィギュアスケートを超えて”浅田真央”という競技を観ているのかもしれない。そういう彼女のみが持っている世界がそこにあるんです!
SPのスコアは71.73(TES37.08・PCS34.65)。
正直いって75点は出ないとおかしいと思います。
5コンポーネンツ(PCSの項目)はそれぞれ9点以上、”最低”でも合計で36点以上の評価があってしかるべきだと思いますし。
プロトコルを見ると3LzにはエッジエラーがついていてGOEがマイナスされていただけではなく基礎点も減っていましたけど、ここも”最低”でも!(正・不どちらとも付かないという評価)という評価で基礎点は守られるべきです。ジャパンオープンのときは!でしたしね。

というように私もちょっとイラッとしましたけど、試合後のインタビューで浅田さんが「練習ではここまで完成度が高くない」といっていて、ずっこけそうになりました。そういう状態でこの構成に挑んだんや…。
まあ、点数よりも復帰初戦からこの超高難度プログラムを組めたこと、そしてそれをある程度やれたことの方が大きいですよね。伸びしろがまだまだあるわけですから。
たとえばスピンなんかは、腰の件もありますし、まだ追い込んで練習をしていないと思います。仕上がっている状態をシーズンのうちのごく短い期間にした方がいいに決まっています。
いまの浅田さんはスコアなんてあまり気にしていないのでしょう、自分の手ごたえや満足感を大事にしているはずです。
私もいまは浅田さんが帰ってきてくれたことへの喜びに浸っていたい。

復帰戦としてはもう”最高”といっていいです、最高の11月6日ですよ。
お見合い記念日に『素敵なあなた』に出会えたんですからね!
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