2015GPSロシア大会男子シングルをざっくりと

2015GPSロシア大会男子シングルは、現世界王者であるハビエル・フェルナンデスが合計271.43での優勝。
SPでは4Sが3Sに抜けて2位と出遅れたものの、FSでは序盤に4T、4S+3Tを見事に決めて勢いに乗ると、後半冒頭の4Sが2Sに抜けて転倒してしまうも、その他のジャンプは確実に降りて、184.44(TES92.70・PCS92.74・減点1)を叩きだすのですから、まさに貫録を見せつけての優勝といっていいでしょう。
今季のフェルナンデスはジャンプだけではなく、表現面でも充実していて、昨季までよく見られた”手抜き”も少なくなりましたし、課題だったスタミナ面も改善傾向にあります。
これは私の想像ですが、”世界王者”という地位が彼に誇りとやる気を与えているのだと思います。地位がひとを育てたといってもいいでしょう。SPの『マラゲーニャ』は彼を代表するプログラムになりそうですし、FSの『野郎どもと女たち』も持ち前の芝居っ気が存分に発揮されていて目を離せないプログラムになっていると思います。
もともとその才能は歴代でも突出したものがあるだけに、本気になったフェルナンデスは勝負強さと魅せる力を兼ね備えた素晴らしい王者になりそうですよね。
また、リンクメイトとしてそのフェルナンデスと間近で接している我らが羽生結弦が兄弟子の成長に感化されていないはずはありません。
この2人が切磋琢磨することによって男子フィギュアのレベルがどんどんと上がってゆくことが、私は楽しみでなりません。

合計250.47で2位に入った地元ロシアのアディアン・ピトキーエフは本当に魅力的な17歳です。
まだあどけなさを残して細く柔らかい体で音楽を繊細に表現するだけではなく、豪快な4T+3T(SP)を決めるだけのパワーも持ち合わせているのですから、そのギャップには驚くばかり。
見た目も、愁いを帯びた美少年というだけではなく、姿勢や体の使い方にも天性の美しさがあり、一度見たら誰でもファンになりそうな選手ですしね(特に女性)。
シニアデビューのSPをノーミスで終えて首位に立ったのは立派でしたし、最終滑走のFSでも、その緊張のなか、ミスを3Aの転倒だけに抑えてなんとか滑り切り、地元の大歓声を浴びながら、涙をこらえるようにして喜んでいたのも印象的でした。
スタミナ面やエッジワーク、ジャンプの安定性といった部分に課題はありますけど、次代を担うスター候補のひとりといっていいでしょう。本当に楽しみです。
私ももうファンのひとりです。

この大会は小塚崇彦やアダム・リッポン、セルゲイ・ボロノフやナム・ニューエンといった実力者が集まっていたので、そこでのメダル争いになると思われていたわけですが、その予想に反して活躍したのはロス・マイナー(アメリカ)でした。
SPでは4Sを回避して3Fにするも、ステップシークエンスのあとの後半に3Lz+3Tを配置するという挑戦的なプログラムで3位に(合計248.92)。
このSPはただ滑っているところがほとんどなく、”すべてがつなぎ”といっていいレベルの高い内容で、一瞬たりとも目を離すことができませんでした。
FSでも志しの高い演技は変わらず、冒頭の4Sの転倒や後半の3Aのお手つきはあったものの、その他のジャンプはほぼ的確に決めて得点を積み重ね、スピンやステップでもしっかりレベルを取ってまとまったスコアを出したのもさすがでした。
マイナーは基本技術の高い選手で、穴がないのが特徴ですが、その反面、これといった強みもない選手といった印象でしたけど、その技術力の高さでもって表現面に磨きをかけたことで、演技全体がとっても鮮やかになってきたと思います。
課題のスタミナ面もかなり改善されてきましたしね。
あとは4Sだけ!

「左足首腱鞘炎による練習不足」とのことで前の中国大会を棄権し、不安の残る2015シーズンのスタートとなった小塚崇彦ですが、SPでは4Tダウングレード、3Aお手つき、3Lz+3Tは踏ん張る形と、ヒヤヒヤものの演技(8位)。スケートはよく滑っていたので、やはり調整不足はジャンプの部分なのでしょう。
もちろんそのジャンプがFSで急によくなることはなく、出だしの4Tで回転不足、3Aでふらり、後半頭の3A予定が1Aにパンクするとバランスを崩しての転倒、それを引きずり次のコンボは1Lz+1Tに…。
後半は冒頭のミスが思いがけないものだったのか、珍しく全体に慌てた感じで、曲に追い立てられるようになり、演技終わりに本人の口が「やべえ」」と動く残念な内容。
エッジコントロールの巧みさやスケートの滑らかさなどは他選手の追随を許さないことろでしたけど、ジャンプでミスを連発すると演技全体が曇ってしまいますよね。合計は195.48で9位でした。
小塚くんは演技後のインタビューで「初戦から戦う気持ちになれたことが収穫」といって、サバサバした表情を見せていたものの、内心は穏やかではないはずです。
なんといっても彼は、かつての全日本王者であり、世界のメダリストなんです。
この悔しさをバネに12月の全日本選手権にすべてをぶつけた欲しい。
FSの『イオ・チ・サロ』は昨季からの持ち越しで、ジャンプ以外の部分はかなり磨き上げられているのがわかります。
SPの『レスペート・イ・オルグージョ』も、脱力した腕の使い方がフラメンコギターと調和して素晴らしかった。
まだまだ小塚崇彦は進化しています。あとはジャンプだけです。
全日本では、「小塚崇彦はここにいるよ」という演技を期待してます!
人気ブログランキングへ
スポンサーサイト
プロフィール

かつしき

Author:かつしき
FC2ブログへようこそ!

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード