『真田丸』第1話、『船出』

1月10日にスタートを切った2015年大河ドラマ『真田丸』ですが、私個人も十分楽しめましたし、ネットやメディアでの評判も上々で、視聴率も19.9%というまずまずの数字を叩きだしていました。これは次回以降上昇してゆくんじゃないかと予想しています。

その第1話『船出』の内容はといいますと、長篠の戦を境に勢力が衰えた甲州武田へ、織田・徳川連合軍がそれを滅ぼそうと攻め入った1582年、追い詰められた武田勝頼は居城新付を捨て、再起を図る決断をします。
その落ち延びる先に選ばれたのが真田昌幸が守る上州岩櫃城。
しかし、家臣団の裏切りが相次ぐなか、「真田は信用ならない」という一部の家臣たちの諫言と、己の最期は甲州でという思いに駆られた勝頼は、小山田信茂の岩殿城を逃走先に選んでしまうわけですが、これが最悪の選択でした…。

偉大なる父武田信玄が築いた大領国と大家臣団がわけもなく瓦解してゆくなか、己の運命を呪うでもなく、素直に受け止める武田勝頼の姿が、”哀れ”であり、”あわれ”な初回でした。
そうした美しい世界が作れたのは、勝頼を演じた平岳大さんの存在があってのものといっていいでしょう。
品のある姿振る舞いと、愁いと苦悩を帯びた表情は、滅びゆく名門の最後の棟梁に相応しい格を備えていました。
武田勝頼という一般的にはあまり評価が高くない武将の認識をあらためさせたといっても過言ではありません。
平岳大さんといえば、名俳優である平幹二朗さんと名女優である佐久間良子さんの長男でありながら、いまはまだ両親ほどの活躍ができていないのは、本人はもちろん視聴者の多くもそれを知っていることです。
そういった条件もまた勝頼と平岳大さんを重ねさせているのかもしれませんよね。
勝頼の出番は今回か第2話で終わりでしょうから、ちょっともったいないような気がしますけど、平岳大さんはこれから続くドラマに厚みを持たせる大仕事をやってのけたと思います。いずれ、ご両親に負けずとも劣らない評価を得るんじゃないでしょうか。

この平岳大さんが功一等ならば、それに準ずるのは真田昌幸を演じた草刈正雄さんでした。
かつての超ハンサム俳優であり、1985-86年の『真田太平記』で幸村を演じた草刈さんが、年を経て飄々とした捉えどころのない芝居をするようになり、それが”表裏比興の者”といわれた昌幸のイメージに思いのほかハマっていたとのは驚きでした。
しかも、裏がありそうな顔をしながらも、本音のところでは誰よりも強い義と忠の志があるという、昌幸の複雑な魅力も十分に表現しているのですから素晴らしかった。
実は私、この配役はちょっぴり不安だったんですけど、本当にいい意味で裏切られました。出演は長丁場になるでしょうから、主役を食っちゃうんじゃないでしょうかねえ。
今後、草刈昌幸が色んな悪知恵を巡らせてゆくのが本当に楽しみになってきました! 

その不安でいえば、私が心配していた真田信之役の大泉洋さんも思ったよりよかったです。
普段ふざけてばかりいるひとが、真面目が演技をすることで、かえって信之の堅さが際立っていたのは面白い演出でした。
こういう感じで演じていれば、たまにコミカルな面を出したときにもそれが光るでしょうし、大泉さんにとっても美味しい役になりそうですよね。

この第1話では、大河にありがちな”主人公が歴史的大人物となぜか緊密に触れ合う”という場面もそんなに無理がありませんでしたし、これまた大河にありがちな”妻や母といった女性が政治に口を挟む”といった場面も抑制的で、家の方針は裏で昌幸と2人の息子だけが話をしているのも好感が持てました。
女性視聴者重視というNHKの方針に従いつつ、歴史ファンに配慮するというのは難しいところがあるでしょうけど、脚本の三谷幸喜さんには今後もがんばって欲しいものです。
その三谷さんといえば、最後の方にワンカットだけ出てきた北条氏政役の高嶋政伸さんがご飯に汁を2度かけていた小ネタの挟み方はやはりさすがですね。私もこういうのが好きですし、小ネタ探しはネットでも喜ばれるんじゃないでしょうか。

私の住む長野県には真田家ゆかりの地が点在しているので、全県挙げて大いに盛り上がっている状況です。
『真田丸』を機会に信州が素晴らしいところであることを他府県の方々に知ってもらいたくてうずうずしているんです。
そのためには『真田丸』が面白いものになってもらわなくちゃあ困ります。
第1話の出来は上々でした。
これで長野県民の多くはほっと胸を撫で下ろしたはずです。
これなら大いに期待ができる!
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