リオ五輪男子サッカー ぶち破れベスト8の壁

アジア最終予選決勝トーナメントに進出し、グループリーグ首位でベスト8を決めた若きサムライブルーですが、リオ五輪男子サッカーに出場できるアジアの国は”3”。
つまり、トーナメント1回戦で負ければ五輪の夢はそこですっぱり絶たれてしまうわけです。
どこぞのテレビ局が、よくいう「負けられない戦いがそこにある」とお定まりのセリフがありますけど、この1回戦はまさにそれに当たります。
その大事な試合の対戦相手は現在A代表ではアジアでナンバーワンのランキングを持つイラン。
本当はこんなところで対戦する相手ではないはずなのですが、イランはグループステージでカタールに不覚を取って2位通過となり、決勝戦でもおかしくなカードがここに実現してしまったというわけです。これは両国にとって不幸な状況としかいいようがありません。
しかしもちろん勝つのは日本だ!不幸は全てイランにくれてやれ!

日本のスタメンはGK櫛引政敏、4バックが右から室屋成・岩波拓也・植田直通・亀川諒史、ボランチに遠藤航と原川力、右OMFに矢島慎也、左に中島翔哉、2トップが久保裕也とオナイウ阿道。
グループリーグの結果から手倉森誠監督が導き出したメンバーはなんともリアリスティック、勝負に徹しているといっていいでしょう。私はこれを見て半分勝ったような気になりました。
しかし、それに冷や水を浴びせるように前半の開始早々、日本守備陣の不注意をついたイランがビッグチャンスを2回連続で作り出すのですから、立ち上がりはやはり怖い。運よく凌ぎましたけど、ここで決められていたらすべて終わっていたかもしれません。
ただ、このピンチで日本も一気に覚醒したのか、その後は集中を高めてペースを握り、6分にはCKから岩波の惜しいヘッド。相手GKのまぐれみたいなプレイで防がれてしまいました。

イランは前線の選手は能力が高いものの、GKはポジショニングがおかしく、足元も拙い感じでしたし、DFも日本攻撃陣に簡単に前を向かせたり、凡ミスも多かったりで付け入る隙はかなりありそう。
しかも最終ラインからのビルドアップはまったくといっていいほどできず、それによって攻めの迫力も減退するのですから助かりました。
おそらくこういう弱点があるのでグループリーグでも2位に甘んじたのでしょう。
日本もそこがわかっているのか、久保やオナイウらが前線守備をしっかりやって、相手をよく苦しめていました。

ただ、日本も負けられないプレッシャーからか人数をかけた攻撃は出来ず、あまり得点の匂いはしません。
27分に久保が角度のないところから強いシュートを打って、わずかに枠を外した場面が惜しかったくらいですね。
イランもまた攻めの形は作れないのですが、たまに長いボールが前線に渡ったときは、強烈な個のチカラによってゴールに迫ってくるので、一発の怖さはあります。
前半終了間際に岩波が不用意なファウルを犯し、危険な位置でのFKを与えてしまいましたけど、こういうのも要注意ですね。
イランの選手たちは野党のような目つきで、常に日本のミスや不注意を狙っていました。

そんなわけで両チームに硬さが見えるなか、前半は0-0で終了。
テレビで観ているこっちにもじりじりとした緊張が伝わってきました。
そんななか、日本代表はしっかりした前線守備で自分たちのペースを作っていたのは立派でした。
立ち技ではなく、寝技で勝負、といった具合でしょうね。

後半に入ると、イランの方が何か吹っ切れたように攻勢をかけてきて、日本はやや押し込まれる展開。
12分にはイランが右サイドからアーリークロスを入れてきて、ファアの選手がフリーでヘッド!
もうアカン!
と目をつむりそうになるもボールはバーを直撃!助かった!
簡単にクロスを上げさせちゃダメ!

後半はイランの時間帯が続いて本当に息苦しい展開。
日本はちょっと動きが重たい感じがしました。
日本は中2日、イランは中3日だったのでその差が出ているのか…。
しかし日本が粘り強く守っていると、後半30分くらいか徐々にイランの動きが鈍り始め、日本は両サイドからの攻めを作れるようになってきます。
これも日本がチームとして規律のある守備を持続させていたお蔭です。
よくもまあこれだけ生真面目なメンタルを持った選手を集めたものです。
寝技がイランのスタミナを奪ったのです!

イランのペースダウンを見た手倉森監督は37分に久保→浅野拓磨という選択。へばってきたイランDFと快足の浅野を競わせようという狙いでしょう。イランは足をつる選手もいましたしね。
ベンチに下がることとなった久保ですが、ポストプレイやファウルゲット、仕掛けや展開のパスと、存分にチカラは見せていたと思います。”次”はゴールを決めてくれるはずです!

後半の終盤は日本が何度かチャンスを作るも、イランの気持ちの籠った守備もあって、得点には繋がらず、最後には両チームとも延長を選択するように、プレイスピードを落として後半終了。
日本は43分に矢島→豊川雄太という交代。
この日の矢島は攻守ともにあまり良くなかったのですが、手倉森監督はよく我慢して、”戦術的交代”まで粘ったのですから、大したものです。私ならば堪えられなかったと思います。

イランがだいぶへばってきたので、延長は日本が優位に立てそう。
負けたら終わり、点を入れられたらやばい、というしびれる展開ながらも、ちょっとした希望は見えています。
その希望が形になったのが延長前半6分、右サイドを上がってきた室屋が相手DFを鋭い切り返しでかわすとそのまま思い切ったクロス、それに頭で合わせては豊川!相手CBのマークを巧みに外した技ありゴール!
日本が宝物のような1点を奪った!
豊川は守備が強いだけではなく、チャンスではこうして牙を研いで待っているのだからなんとも頼りになる男だ!

延長での1点という大きなアドバンテージを得るも、時間はまだまだ残っています。
逆に守りに入れば危うい、それがサッカーです。
しかし、日本は勇気を持ってラインを下げず、いいバランスでゲームを進行させていたのですから、この若きサムライたちは肝が据わっている。
延長前半終了間際にはイランにゴール前でボールを繋がれ、シュートに持ち込まれるもGK櫛引が止めて1-0での折り返し。
櫛引はこれ以外にも何度もピンチを救っていました。サイズもありますし、落ち着きもありますし、将来有望ですね。

延長前半のイランはビハインドになってもそう無理に攻めてくるということはありませんでした。
ゲームの流れもありますし、スタミナ配分もあったと思うんです。
ですから、後半は絶対に死に物狂いで攻めてくる。
日本はそれをどう凌ぐか、そしてどう追加点を奪うか、一瞬も目が離せないゲームになる!

しかし、延長後半になってもイランはあまりギアが上がりません。
全体的に足が止まっていてパスコースは作れず、ロングボールはオフサイドにかかって四苦八苦。
これはもう完全にガス欠かも。
こうなれば2点目を取って、イランに引導を渡すしかない!
延長後半4分、そんな気迫で、相手のボールを奪い、左サイドから仕掛けたのは中島翔哉!
相手DFを一気に抜き去ると、角度のないところから豪快に振り抜いたミドルシュートがイランゴールに突き刺さった!
よっしゃあああ!
貴重すぎる2点目!ベスト4を手繰り寄せた!
中島はその1分後にも思い切りのいい仕掛けからのミドル!
これも決まって3-0!
イランの希望を完全に断ち切った!
これぞエース、これぞ10番の仕事だ!

中島はここまであまり攻撃では生きていませんでしたけど、左SBの亀川とともに化け物のようなスタミナで相手とのサイド勝負を制していたので、十分に貢献はしていたと思うんです。しかし延長では「チームのために」(試合後インタビュー)点が取りたかったというのですから、10番としての責任感と使命感がゴールに繋がったのだと思います。

3-0となったことでイランもさすがにがっくりきてピッチを彷徨うだけのチームとなっていましたけど、ゲーム終了間際には何かを思い出したように攻めてきて、11分には細かくボールを繋いで日本の最終ラインを完全に崩してからのシュート!
しかしこれもバー直撃。今日はイランの日じゃありませんでしたね。

こうしてU23日本代表は長らく苦しめられてきた”ベスト8の壁”を木っ端みじんに打ち砕いての準決勝進出。
選手は大いに疲れたでしょうけど、応援する側もへとへとになりました
しかし、こういうしびれるゲームに勝ったことは本当に大きいと思います。選手に大きな自信を与えたことでしょう。
また、手倉森監督のスタメン選択と交代カードは抜群だったといっていいでしょう。
もちろん、それもこのチームの”層の厚さ”もあってのことですけど、グループリーグで層を厚くしたのも、手倉森監督の”賭け”とも思える選手起用があってのことです。
この大会の手倉森さんは本当に冴えていますぜ。

このチームは派手さはありませんけど、規律と粘り強さがあります。
自分たちが弱いのを知っていて、それを強さに変えチカラがある。
リオ五輪まであと一勝、このチームなら絶対に勝ち取ってくれる!
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