イラク戦勝利、リオ五輪へ!

”ドーハでのイラク戦”といえば、日本サッカー史に残る悲劇として有名ですが、その年に生まれた若きサムライたちが、そこに歓喜の歴史を塗り重ねてくれました!
リオ五輪を目指す我らがU23日本代表は、出場枠3をかけての準決勝イラク戦において、アディショナルタイムの劇的決勝弾によって見事な勝利を収め、6大会連続の五輪出場を決めたのです!

相手のイラクはU19世界大会ベスト4など、この世代のアジアのチームでは実績ナンバーワン、日本もこれまで負け続けてきた宿敵であり、乗り越えなければならない壁でした。
試合は中3日の日本、中2日のイラクというのが影響したのか、立ち上がりは日本の動きが軽快で、相手が蹴ってくるロングボールとそのこぼれ球への対応もしっかりしていたものの、攻めではなかなかバイタルエリアまでボールが運べない息苦しい展開。
すると、日本の選手の球離れが悪さを突かれ、そこからイラクがカウンターを取る場面もあって、試合の流れが徐々にイラクへ傾き始めます。
しかし、そんな嫌な空気が一変したのは26分、日本が奪われたボールを前線の鈴木武蔵が長い脚で引っかけるようにして奪い返すと、そのままストライドの大きなドリブルで左サイドを駆け上がり、そこから絶妙なグランダーのクロス、そしてそこにイラクDFを振り切ってスライディングで合わせたのは2トップの相棒・久保裕也!
美しい流れで日本先制!
久保や武蔵がベンチに飛び込んで控え選手と一緒に喜ぶ姿も美しかった!
(※代表選手に愛着を込めて敬称略。)

ビハインドとなったイラクは、風上ということもあって想定通り長いボールが増えてくるものの、日本は前線からのしつこい守備と最終ラインの堅固さによって跳ね返すと、そこからカウンターに入る場面も多く、37分のカウンターでは先制点のときとは逆に久保が
左サイドを持ち上がり、ゴール前の武蔵にグラウンダーのクロス、これはわずかに脚が届かず残念。
「今度は武蔵、お前が決めろ!」といわんばかりの久保のプレイ。久保って絶対イイやつだと思います。
そのように2点目はなかなか奪えませんでしたけど、試合は日本の制御下にあったといっていいでしょう。
1-0で折り返し、後半もこの形を維持すれば勝利は少しずつ近づいてくる、そんな手ごたえを感じる時間帯でした。
しかし、サッカーというのは一寸先も読めないスポーツです。
43分のイラクのCK、ニア(ストーン)の武蔵がクリアしきれなかったところから、イラクの執拗なヘッドをGK櫛引政敏が素晴らしい反応で弾くも、3度目には手が届かず、悔しくも同点に。
観ていて私もがっくりきましたけど、選手もかなり気落ちしている様子、本当に嫌な時間に取られてものです。

また、最後の場面ではイラク選手と競ったキャプテン遠藤航の寄せが甘いのも気になりました。
大会前にインフルエンザにかかった遠藤は、GLの試合では足の付け根を痛めるなど、コンディションはいまひとつのようで、球際の強さもありませんでしたし、パスも強いボールが蹴れていません。
彼がどっしりと中盤に座らなければ、後半はイラクのペースになってしまうかも…。

後半立ち上がりに仕掛けてきたのはイラク。
5分には中盤の選手(10番)のドリブルに日本守備陣が釣り出されたところからパスを出され強烈なミドル!
これはGK櫛引が体を伸ばして弾いてくれたものの、危ない危ない。
そこからもイラクの攻勢が続くのですが、後半は風下のせいか長いボールではなく、パスを繋ぐ地上戦で来られたので、ちょっと日本は慌てたかも。
それでも守備陣が気迫を前面に出して凌いでいると、12分くらいからイラクも攻め疲れたのか、日本が徐々にボールを持てるようになり、少しずつ押し戻してゆきます。
ただ、このU23日本代表、通称〈手倉森ジャパン〉はこれといった攻めの形のないチームですから、自分たちのボールになっても、なかなか決定機を作れません。唯一の戦法といっていい”カウンター”も後半はかなり警戒されていましたからね。

すると20分くらいから怪我を押しての強行出場だった鈴木武蔵が疲労から足を釣り、23分にオナイウ阿道と交代。
武蔵は攻守に渡ってよくファイトしてくれていましたし、先制点に繋がるプレイは本当に天晴でした。
そして、疲れていたのは武蔵だけではなく、イラクもこのあたりからかなり動きが鈍くなってきます。
それを見た手倉森誠監督は33分に久保→浅野拓磨という交代を選択。
スピードスターでありジョーカーである浅野投入は、「90分で試合を決めろ!」というメッセージを意味しますし、それはチーム全体のコンセンサスなので、そこからはとにかく浅野を走らせる日本。
そんな日本に対して、イラクはやや引き気味になって、後ろのスペースを埋めて備えるわけですが、その分、攻めは鈍ります。
イラクは最初の交代カードを後半40分に切ったことでもわかるように、”延長戦勝負”を選んでいたのは確かです。
試合全体を通して決定機は日本より多く作れていたので、まずはしっかり守って、延長戦でじっくり時間をかけて攻めればいずれは決められる、とでも考えていたのでしょう。

しかし、サッカーというのは”まさかのスポーツ”です。
45分を過ぎたアディショナルタイム、前線の浅野が果敢な守備で相手ボールを奪うと、右サイドの深いところで粘っこくキープをし、相手を引き付けてから南野拓実にパス、それを南野が中央に切れ込んでから浮き球のクロス、これが相手GKにとって手がぎりぎりに届くか届かないかのボールで苦し紛れのパンチング、それがバイタルに落ちてきたところを原川力が絶妙なトラップからの左足スーパーボレー!
これが線を引くようにしてイラクゴールに突き刺さり、日本が勝ち越しに成功!
まさに劇的、筋書きのないドラマ、いや漫画の国だけあって漫画のようなゴール!
勝利を確信した日本はベンチもスタッフも団子になっての大喜び!
テレビで応援していた日本のひとびとも気持ちはその団子に加わっていたはず!

そこからすぐに歓喜のホイッスル。
”最弱”と呼ばれた世代は、自らの弱さを自覚し、それを強さに変えて、見事使命を果たしました。
これぞ大和魂、日本男児ここにあり。
選手たちが一丸となって戦っていた姿も本当に美しかった。
その眩い若者たちの姿は、日本サッカーと日本の国の未来を明るく照らしました。
ありがとう、そしておめでとう、若きサムライたち!

そしてもちろん、この勝利に関しては手倉森監督の采配も本当に見事なものでした。
格上ともいえるイラクを相手に、寝技の泥仕合で消耗させ、最後はジョーカー浅野で勝負を決める。
そんな狙い通りに試合を終わらせるなどそうはできることではありません。
この大会の手倉森監督は交代も選手起用も本当に冴えていました。
神がかっていたといってもいいかもしれませんよね。
しかし、それはただの運ではなく、選手を信じ、ブレることがなかったからこそ形になったものです。
このチームの強さはベンチも選手も一丸となって戦える信頼関係です。
これぞ和の国、日本ですね!

また、今回の手倉森ジャパンは、これまでの日本代表にない”勝負強さ”というのを見せてくれました。
それを支えていたのは、五輪連続出場という伝統を守るための”使命感”だったと私は思うんです。
「五輪に出て当たり前」という感覚は、選手にとってもサポーターや日本のひとびとにとっても本当に大事なものです。
これは「W杯に出て当たり前」もそうですし、「アジア杯も優勝を争って当たり前」も同じことです。
それを今後は「W杯や五輪で決勝トーナメントに進んで当たり前」、「選手がヨーロッパで活躍して当たり前」というように広げてゆく必要があります。
伝統は積み重ねによって強固になってゆくのです。
手倉森ジャパンはその伝統の1ページを、それも眩いばかりの1ページを確かに紡いだのです。
ひとりひとりがヒーローです。

リオへと続く彼らの物語をこれからも楽しみにしています!
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