小保方本は報道で十分

甘利明経済再生担当大臣の辞任記者会見が残念であり、やっぱいりかあ、と思わせた昨日(2015年)1月28日ですが、ちょっと違う意味で残念であり、やっぱりかあ、と私が首を捻ったのは、小保方晴子元研究員がこの日に出版した手記がアマゾンの売れ筋ランキング1位になったというニュースした。

小保方元研究員といえば、理化学研究所に所属していた2014年1月、細胞に刺激を与えることで万能化させるという”STAP現象”を発見したとして大々的に記者会見を開いて一躍脚光を浴びたのも束の間、その研究に疑義が呈されるとともに、STAP論文に剽窃や捏造があったことが露見し(学生時代の論文にも)、理化学研究所が本人を交えて検証実験をした結果、「STAP現象はなかった」と結論付けられた人物です。
これによって日本の科学研究の信用が失墜するとともに、理研にしてもSTAP研究に費やしたコストが無駄になり、検証実験でさらに労力を浪費し、小保方元研究員の指導役であった笹井芳樹博士という世界的権威が自殺してしまうという大ダメージを負ってしまいました。

その混乱の責任の大部分が小保方元研究員にあるのは疑いのない事実ですが、理研が2015年2月に下した彼女への処罰は”懲戒解雇”。
ちなみに、小保方元研究員はすでに依願退職していたので(2014年12月)、まったくといっていいほど意味がありません。
また、このとき理研は「民事訴訟も検討する」といっていましたけど、それ以降なんの音沙汰もなく、1年が過ぎようとしています。
おそらく裁判となれば理研の監督責任も明らかになってくるので、それを恐れたのでしょう。
風化させることで事件に幕を下ろすという、なんとも曖昧で無責任な、いわゆる日本的解決法でした。

私は小保方元研究員が発表した手記を買って読んだわけではありませんが、報道されているところによると、「取材攻勢は殺意すら感じさせた」というマスコミ批判、「誰かを騙そうとして図表を作成したわけではありません。一片の邪心もありませんでした」という自己弁護、そして、「私がES細胞を混入させたというストーリーに収束するように仕組まれているように感じた」として、理研や一緒に研究を行っていた若山照彦教授を非難する内容のようです。
また、STAP現象については、どうやら小保方元研究員はまだそれが実在すると信じているとのことでした。

このような手記が出版されると聞いて誰しもが思うのは、”なぜ研究で反論しないのか?”という率直な疑問でしょう。
検証実験において、STAP現象さえ再現できていれば、すべてが丸く収まっていたわけですしね。
それが出来なかったのに、自分の一方的な主張を世の中に喧伝する。しかもお金を取って。
こんなことが倫理的に許されるのでしょうか?
私はあの神戸の残虐事件の酒鬼薔薇聖斗が手記を出版した時と同じような胸糞の悪さを感じています。
それは書いている本人だけではなく、出版社に対してもそう。
「絶対に売れる!」と思っても、手掛けてはいけない本というのがあるはずです。
ただ、出版社も商売ですから誘惑に負けてしまうこともあるでしょう。それをさせないためにも、アメリカのように犯罪者が自らの犯罪を元に書き物を出版してはいけないという法律を日本も真似すればいいんです。
それでも小保方元研究員のような”グレーゾーン”もあるので、その場合は出版社が自主規制すべきですし、それでもなお出版されてしまったら、最後は国民の側が”買わない”という選択をすべきです。

もちろん、私は小保方元研究員に対し、「反論をするな」といっているわけではありません。
その方法が問題だと思うのです。
反論するならば自分がやってきた研究をインターネットで公開するのもひとつの方法でしょうし、国内外の大学や研究所に自らを売り込んでSTAP現象を追及してもいいわけです。手記では「人生をやり直すことができたとしても、私はやはり研究者の道を選ぶ」との決意を述べているわけですからね。
研究者として真正直に生きるのならば、誰もそれを邪魔しません。
ですから、もう人目を引こうとするだけのパフォーマンスは止めてください。
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