『真田丸』第4話、『挑戦』

『真田丸』第4話の始まりの舞台は諏訪の法華寺。
武田家が滅び、寄る辺を失った真田昌幸は、昨日の敵であった織田家に与することを決め、服従の意を示すために信長が陣を張る法華寺へと、次男源次郎を伴ってやってきます。
そこで待ち構えていたのは織田と同盟関係にある徳川家康。
以前から気に食わなかった昌幸に対し、上杉家にも通じているという疑いをかけ、信長との謁見前にねちこく詰問しますが、そこは”表裏比興”の真田昌幸、何食わぬ顔で切り抜けると、信長からも認められ、真田家は無事”存続”と相成りました。
しかし、その代りに昌幸は上州にある沼田と岩櫃という2大拠点を織田方に差し出すという苦渋の条件を呑まされ、織田家の関東方面軍団長というべき滝川一益の与力となるのでした。
また、もうひとつの服従の証として昌幸は娘の松を安土城に人質にやることになり、源次郎もその護衛として安土城に赴き、その繁栄の様子を唖然とした表情で見つめ、「これからは織田の時代だ」との思いを強くするものの、その滞在中のある晩、あの本能寺の変が起きたのでした…。

この第4話の見どころは昌幸と家康の神経戦。
それを草刈正雄さんと内野聖陽さんという存在感のある俳優2人が見事に演じ、昌幸が「これは戦だ」といって評定の間に向かったように、まるで槍を合わせているかのような緊張感がありました。
これから始まる2人の戦いの序章という雰囲気でしたね。

また、そういうシーンだけでは重すぎるとの判断からか、信州真田の荘では、木村佳乃さんの松や、長澤まさみさんのきり、黒木華さんのうめが、松の夫で逃亡者である小山田茂誠を小芝居を弄して匿うという笑いの要素も。
口での戦と笑いというのは三谷幸喜作品の特徴といったところでしょう。

そのような対比でなんとか間を持たせた第4話ですが、私はかなり物足りないものを感じました。
法華寺での謁見の場面から本能寺の変までが一足飛びで、その間の約3ヶ月がほとんど描かれておらず、沼田と岩櫃を明け渡した昌幸の無念がよくわかりませんでしたし、何よりも滝川一益と昌幸の関係に触れなかったことは理解に苦しみます。
真田家と滝川家といえば、一益の孫である一積は昌幸の娘を妻にし、その後は大阪の陣で死んだ信繁(幸村)の娘を養女にした人物でもあるわけです。(※一積は年少の頃、昌幸の庇護を受けていたともいわれています)。
おそらく昌幸と一益は短い間ながら、とても気が合ったのでしょう。真田家と滝川家の交友とういうのは、嘘と裏切りの戦国時代において、本当に美しいものだと思います。
この4話はその伏線を張るべき回だったのではないでしょうか。

そして、ちょっとしたことなんですけど、今回気になったのは、真田家重臣・高梨内記の娘であるきりが、地侍の娘のうめたちと仲良くしていることを、父親から「身分が違う。向こう地侍といっても百姓のようなものだ」と咎められた場面です。
この頃の真田家というのは国衆(国人)といわれる階級であり、”荘園領主以上大名以下”といった勢力なのですから、その重臣というのだって大した身分ではないわけです。しかも当時の信濃(全国的にも)は兵農分離していませんから、百姓も何もありません。
そういった身分差というのは江戸時代以降の感覚だと思います。
むしろ、ここでは高梨家がこれまでどれだけの勲功を立ててきたかを誇り、その格差を語らせることで、戦国時代らしい実力主義を強調すればよかったのではないでしょうか。

『真田丸』は初回視聴率19.9%を記録してから、20.1%、18.3%ときて、この4話では17.8%しか取れていません。
この右肩下がりの原因を断定するのはまだ時期尚早かもしれませんが、初回放映時からいくつかのメディアで指摘されているように”脚本の軽さ”は私も気になるところです。
多くの日本人がイメージする戦国時代というのは、もっと厳しく、激しい時代なのではないでしょうか。
三谷さんが得意とする笑いも、そのなかでこそより光り輝くのだと思います。
ぜひ、そういう”挑戦”をして欲しいものです!
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