たけしさんと長嶋さんにがっかり

”球界の天皇”といえば、その圧倒的な実力をもとに国鉄スワローズ時代には監督よりも権力があったという400勝投手・金田正一が有名ですが、昭和40年代以降の生まれのひとはあんまりそんなイメージはないと思うんです。
国鉄時代はもう60年も前の話ですし、1965年に読売ジャイアンツに移籍した金田さんはすっかり大人しくなってしまったといいますしね。いまの30代や40代の野球ファンにとっての金田さんといえば、”空威張りのオモロイ解説者”という芸風が定着しているのではないでしょうか。
”球界の天皇”といって、その世代にひとが思う浮かぶのは間違いなく”長嶋茂雄”ですよ。
長嶋さんがジャイアンツの監督をしていた時代(93年~01年)の野球報道といえば、長嶋一色だったといって過言ではありません。シーズン中はもちろん、ちょうどその頃導入されたFAによって他球団のスター選手を自由に獲得できるということで、オフシーズンから常に話題の中心であり、ジャイアンツのブランドと資金力と本人のカリスマでもって好き放題に選手をかき集める様は、まさしく絶対君主のようでした。
しかも、主力引き抜きによって他球団を弱体化させたり、また獲得選手を飼い殺しにしたりというエゲツナイことをしてもメディアはまったく叩きません。プロ野球がつまらなくなることよりも、長嶋さんが楽しそうに野球をやっていることの方が大切だという間違った価値観のひとが多かったせいでしょう。
私などはいまのプロ野球人気の凋落の原因はこのころの長嶋さんにあると思うんですけどね…。

そんな長嶋天皇の御威光ですが、監督を辞め、脳梗塞を患い、ずいぶん輝きが失せてきた思っていたんですけど、まだまだ健在でした。
「そういうバカなこと聞くなよ、長嶋さんに」。
これは昨日2月13日(2016年)のTBSの情報番組で司会のビートたけしさんが発した言葉です。
読売ジャイアンツのキャンプ地に訪れた長嶋さんに対し、ある記者が覚醒剤所持で逮捕された清原和博容疑者についての質問をしたところ、長嶋さんが無言のまま立ち去ったという話を聞いたビートたけしさんが、質問をした記者に憤りをあらわにしたわけです。
私はたまたまこの番組を観ていたのですが、寸時唖然として、ビートたけしさんが何をいっているのかわかりませんでした。

ここ最近の報道では清原容疑者はジャイアンツに所属していた頃に違法薬物やドーピングに手を染め始めたといいますし、当時の同僚・野村貴仁元投手はマスコミの取材に対して、野村元投手は自分でもグリーニーという興奮剤を使用し、複数のチームメイトにもわけていたというんですけど、清原容疑者はそのひとり、しかも頻度が高い常連だったというんです(※野村元投手は引退後、覚醒剤で有罪判決)。
この両選手がジャイアンツに所属していた当時の監督はいうまでもなく、”長嶋茂雄”そのひとです。
2人の様子や、チーム全体の雰囲気に何かおかしなところがなかったのか、記者から質問されるまでもなく、自分自身で何らかの説明をする立場にあると私は思います。
年齢(79歳)や病気のことがあるにしたって、キャンプで”熱血指導”(スポーツ紙)しているそうですから問題はないでしょう。

ある世代にとっての長嶋さんは何があっても守らなければならない”天皇”なのかもしれません。
しかし、長嶋さんは天皇ではありません。
自分で何かを決断したり、欲しがったり、金田さんにように威張り散らしたりするひとが天皇のはずはないわけです。
長嶋さんは”監督”です。
しかもチーム編成にも口を出せる全権監督といってもいい立場にあったんです。清原容疑者はもちろん、野村元投手も長嶋監督が欲しがって獲った選手だったはずです。
そんなひとに当時の問題について質問をする。こんな当たり前のことができない、またはそれをした記者が批判されるなんてのは、完全に間違っています。
人気選手、人気監督だったからといって、メディアもファンもその責任については目を瞑るなんてのは狂った考えです。
そういう姿勢こそが、清原容疑者のような選手を生んだ温床なのではないでしょうか。

私は、長嶋さんへも、ビートたけしさんへも、心底がっかりしています。
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