2016四大陸フィギュア女子SP 躍動する日本勢

2016四大陸フィギュア女子シングルで日本のメディアが書きたてるのは、「シルバーコレクター宮原知子がゴールドメダルを獲れるのかどうか」。
四大陸で2年連続2位、昨季世界選手権で2位の宮原さんは、メディアからすると日本版”almost girl”になってしまうんですねえ。
私個人としましてはまったく考えが違います。
シニア1年目の14年四大陸では厳しいジャッジもあってあと一歩優勝に届かなかったのは確かですが、15年四大陸では怪我を抱えながらも粘りの演技で2位に食い込み、世界選手権では格上の相手を何人もなぎ倒しての2位だったのですから、宮原さんの2位は「あと一歩!」というよりも「よくやった!」の2位ですよ。そこを勘違いしてもらっては困ります。
この四大陸でも結果はどうあれ、宮原さんは絶対に「よくやった!」で大会を終えてくれることでしょう。それが宮原知子のフィギュア道です。
というわけで、まずはSPの様子を振り返ってみたいと思います。

最終グループ、日本勢の一番手として登場した本郷理華は力強く3F+3Tを降りると、勢いとキレのある動きで『キダム』の興奮を高め、後半の3Lzも丁寧に着氷し、2Aは鮮やか、ステップでも攻めの演技で、見得を切る場面もばっちり決めて、まとまった内容。
今季は初戦が良くて、その後は調子が下り気味でしたけど、ようやく上がってきましたね。
SPは64.27(PCS34.81・TES29.46)で4位。
この日も表現面ではよく攻めていたものの、課題のルッツや、やや苦手なスピンの前後で演技が停滞する印象がありました。今後は”技術要素でも表現する”というのが大切になってくると思います。
もっとも自分を厳しく評価できる本郷さんにすれば、そんなことはとっくにわかっているでしょうけどね!

今大会では宮原さんとの優勝争いが期待されていたグレイシー・ゴールド(アメリカ)ですが、美しく鮮やかな振り付けで『エル・クチョロ』に入るも、冒頭のコンビネーション予定が最初の3Lzでいきなりの転倒。
彼女は2個目のジャンプが苦手の3Fなので、そこをコンボにするのはかなりの難関…。
そうして得意のスピン2本で気持ちを整えて臨んだ3Fでしたけど、やっぱりという感じの無残な転倒(※既定のコンボにならなかったので3Fの得点はキックアウト)。
これでさすがに気落ちしたのか、今季はかなり上達を見せているステップでも演技が曇って、がっかりなフィニッシュ。
SPは57.26(27.52・31.74・減点2)でまさかの9位。
これでもう優勝は厳しくなりました。

このグレイシーの失意の演技をリンクサイドで見ていたのは次に滑る宮原知子。フィギュアではミスが連鎖することもよくあるので、ちょっと嫌な感じ。
しかし、”四大陸女王”という、いまだ手にしていないチャンピオンシップのタイトルのためには、それを乗り越えなければいけない!
冒頭はそんな緊張と気迫がない交ぜになったのか、3Lz+3Tは小ぢんまりしたものになっちゃいましたけど、それを的確に決めるのが宮原知子の凄味。
続いてもからくり人形のようなレイバックとフライングキャメルスピンで技術の高さを見せると、、『ファイヤー・ダンス』の盛り上がりに合わせた深い動きで入ったステップシークエンスでもコンパクトで正確な動きとフットワーク。
このステップで気持ちも落ち着いたのか、後半の3Fと2Aは思い切りよく跳んで、最後は代名詞の逆回転スピンで燃え上がるようなフィニッシュ。
これはもう圧巻の安定感としかいいようがありません。鍛錬によって磨かれているのは技術だけではなくメンタルなんですねえ。
SPは72.48(39.88・32.60)で初の70点代で首位!
PCSも失敗したグレイシーを踏み台にした格好でよく伸びました。グレイシーに1点近い差をつけていたのもFSや世界選手権に向けて大きいですね。
これで優勝への視界も良好だ!

浅田真央の休場でチャンスが巡ってきたのは妹分の村上佳菜子。
今季はなかなかいい演技ができないなかで結果も出ていないだけに、いいイメージでシーズンを締めくくりたい村上さん、まずは冒頭に迫力のある3Fを決めると、急遽出場したとは思えぬ攻めの演技、体もよく絞れていました。
そうして安定したスピンで前半を終わらせ、勝負の後半でも3T+3Tを思い切りよく跳んで、苦手の2Aもなんとかこらえた!
得意のステップでは村上さんらしい豪快さで『ロクサーヌのタンゴ』をマッチョに演じ、素晴らしい内容でした。表現面では出場選手でも最高レベルだったといっても過言ではありません。
フィニッシュ時には本人も拳を突き上げ大満足、憧れのロクサーヌもついに完成したといっていいんじゃないでしょうか。
SPは68.51(36.51・32.00)で2位。
FSでは他選手に比べてジャンプ構成が低いので厳しい戦いになるでしょうけど、いま自分が出来ることを精一杯やることが来シーズンに繋がるはずです。台北(台湾)の観客の記憶に残る演技を期待します!

全米選手権4位で世界選手権を逃した長洲未来は、この四大陸がシーズンの滑り収め(おそらく)。
なので、村上さん同様、来季に繋がる演技が見たいなか、冒頭の3F+3Tを力強く跳んだ長洲さん、3Loはこらえる形になるも、後半の2Aは丁寧に降り、ステップでもひとつひとつの動きとスケートに気持ちを込めるいい滑り、最後のスピンもビールマンの畳み方が独創的で、鮮やかな印象の残る『Demons』でした。
SPは66.06(35.05・31.01)で3位。
長洲さんは昨季からまとまってきたジャンプがより安定してきて、演技全体にも余裕がでてきましたね。
この上昇曲線ならば、目標の五輪も夢ではない!

カナダ女王アレイン・チャートランドは芝居がかった楽しい『PINA』でしたけど、冒頭の3Lz+3Tで尻もち寸前のお手つき、3Loもどうにか跳んだという感じ、スピンも安定感に欠け、滑りのいいはずのステップでも見せ場を上手く作れずに悔しそうなフィニッシュ。
SPは59.71(30.74・28.97)で7位。
カナダ勢はケイトリン・オズモンドもミスがあって得点を伸ばせず(11位)、ひとりもFS最終グループに残らないという失態。
このところ勢いのないカナダ女子ですが、フィギュア伝統国としての奮起を求めたいと思います。

こうして日本勢は複数表彰台が見えてきたわけですが、ここまできたら”独占”しちゃいましょう!
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