わかりにくい維新と、わかりやすい合流

”維新”と聞いて、一般的な日本人が想像するのは明治維新と政党名でしょうけど、”維新”と付く正統はいくつもあって、正気どれがどれだかよくわからないというのが現実ではないでしょうか。

まず”維新”が政党の名前として世に出てきたのは、2010年4月、当時の大阪府知事・橋下徹さんが中心となって立ち上げた地域政党、〈大阪維新の会〉が最初です。
そこからいくつもの地方議会選挙、大阪府知事・市長のダブル選挙にも勝利していった大阪維新の会は、民主党を離党した国会議員グループや太陽の党(元たちあがれ日本)などを吸収し、2012年10月には国政に進出するために名称を〈日本維新の会〉に変更します。
この頃の維新の会は本当に勢いのある政党でしたけど、その源泉は橋下徹さんの存在感とカリスマ性だったのはいうまでもありません。
当時は間違いなく、”維新=橋下”というイメージでした。

その勢いが陰ってきたのは、2013年9月の堺市長選挙、11月の岸和田市長選挙で立て続けに敗北し、大阪都構想の先行きが不透明になっていった頃からです。
この2013年というのはいまの安倍晋三内閣がアベノミクスを始めた年で(内閣は12年12月に成立)、大阪のひとたちも取りあえずは安倍さんに任せて、急な改革はよしておこう、という気分だったのかもしれません。
安倍自民の圧力を感じていたであろう橋下さんは、国政での存在感を高めるために、みんなの党(江田憲司さんのグループ)との合流を模索しますが、そことは考えが合わない元太陽の党のグループが2014年5月に分かれて出て行ったものの、同年9月に江田憲司さんがみんなの党を割って作った結の党と維新の会が合流し、〈維新の党〉として生まれ変わり、代表は橋下さんと江田さんが共同で務めることとなりました。

しかし、その維新の党として戦った11月衆議院選挙では橋下さんが投票日前日に「勝ち目がありません!」と認める惨敗。橋下さんは維新の党の共同代表も辞任します。
これによって軸足を大阪に移し、都構想に政治生命を賭けた橋下さんでしたが、2015年5月の住民投票でこれが否決されると、大阪市長を任期満了で終えた後は政治家からも引退すると宣言。
これを聞いた江田さんもなぜか党代表を辞任すると発表して、維新の党の代表は元民主の松野頼久さんになります。
この頃には”維新=橋下”というイメージがずいぶん揺れていました。
色んなひと、色んなグループを吸収したために、”維新”という政党が何をしたいのか国民もわけがわからなくなったことでしょう。
それを察した橋下さんは”維新=大阪都構想”という原点に帰ろうとしたのでしょうけど、それはあくまで大阪の問題ですから、他の都道府県の有権者は関心は薄かったものと思われます。

そうして橋下さんが事実上、維新の党から離れてしまったことで、露わになってきたのが、橋下派と松野派の対立です。
大阪に籠りたい橋下派と、民主党を始めとした野党を糾合して自民党に対抗したい松野派の争いといっていいでしょう。
結局これは2015年10月に分党という結末を迎えます。
橋下さんたちは〈おおさか維新の会〉、松野さんたちは〈維新の党〉として活動してゆくことになったのです。

ここまで書いてきて私もややこしくてわけがわからなくなりそうですが、今日2016年2月26日、かねてより合流を協議していた民主党と維新の党の話し合いが正式合意に至ったとの報道がありました。
しかし、この合流ってどれだけの価値があるのでしょう?
ここまで長々と書いてきたように、いまの維新の党というのは、最初の維新とは何の関係もない政党です。”民主党を割った松野グループ+結いの党”というのがその実態です。
今日のニュースもようするに松野さんたちは出戻りで、結いの党が民主党に合流したというだけです。
民主と維新は大騒ぎしていますけど、我々国民からしたらほんの些細な出来事にすぎません。
今後は他の野党勢力の合流も呼びかけるそうですけど、今年7月は参議院が予定されていますから、それに向けての単なる”野合”に国民は呆れていると思いますぜ。
今回の合流で、国民にとって利益があるとするならば、それは”維新”と名の付く政党がひとつなくなって、わかりやすくなることくらいでしょうね。

ちなみにNHKが調査した直近の政党支持率でいうと、自民党37.6%、民主党9.6%、維新の党0.6%となっています。
ここで面白いのはおおさか維新の会は1.6%で維新の党の2倍近くもあることです。
民主・維新は合流によってこの数字がどう変化するのでしょう?
自民党に近づくのか、それともおおさか維新の方に近づくのか、楽しみにしておきます。
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