女子サッカーリオ五輪最終予選 落日の第3戦

2試合(全5試合)を終えて勝ち点1のなでしこジャパン。
リオ五輪への扉を開くためには出来れば3連勝、悪くとも2勝1分が求められる状況のなか、この3月5日の第3試合の相手は中国。
FIFAランクも日本が4位、中国17位と開いていますし、雑なサッカーをする相手だけに、落ち着いて試合を運べば勝利はそう難しくないはずです。
スタメンはGK福元美穂、4バックは右から近賀ゆかり・田中明日菜・熊谷紗希・鮫島彩、Wボランチは阪口夢穂と川村優理、右のOMFに中島依美・左がキャプテン宮間あや、2トップは大儀見優季と横山久美。

日本は立ち上がりから得意のサイドから攻撃を組み立て、中国はフォアチェックからのカウンターで精度は問わずにどんどんアーリークロスを入れてきます。
中国は全体的にも雑ながら、フィジカルが強くて球際でも粘ってくるので、なでしこたちはやりにくそう。
そんなことを思っていた14分、川村のバックパスが中途半端になったところで、CBが譲り合う形になって中国に流れ、まさかの中国先制。
この日は”絶対勝たなければならない”という試合だったので、立ち上がりからなでしこたちの動きがやや硬く、判断も出足も鈍かったのが嫌な形になってしまいました…。

すぐに追いつきたい日本ですが、焦りからかミスが増え、連携も上手くゆきません。
私もテレビで観ていて勝ち点計算ばかりが気になりましたけど、まずは試合に集中しなくては。
攻撃も急ぎすぎたり、強引だったり、得点の香りがしないと思ったら、25分過ぎの段階でなんとシュートはゼロ。
それでも、アグレッシブな立ち上がりを見せていた中国にへばりが出てくると、29分に大儀見からのパスを受けた横山が惜しい仕掛け、そのすぐ後には宮間のアーリークロスに中島がわずかに寄せきれず。
中国はDFラインが高いのでその裏が有効。DF個々のも能力が高くありません。
34分にも相手のクリアミスから横山がドリブルで持ち込む場面もあって、完全に日本の流れ。
両SBの鮫島、近賀も積極的に攻撃に絡んで押し込み、いくつか惜しい場面も。
しかし、決定機は作れないままに前半終了。
ゴールが遠い…。
互いの気持ちのずれからかパスが合わず、攻撃に有機的連動性が欠けていました。

早く1点取り返したい佐々木則夫監督は後半頭に川村を下げてジョーカー岩渕真奈を投入。
布陣は岩淵と大宜味の2トップ、横山が右OMF、宮間がボランチに下がります。
その後半立ち上がりは大儀見がスライディングで奪ったボールに宮間の強烈ミドル!
これは相手GKのセーブに合うも気迫を感じる攻めでした。

ただ、中国もハーフタイム休憩で息を吹き返すと、激しいフォアチェックも戻ってきて、日本はなかなかリズムに乗れません。カウンターの脅威もありましたしね。本当に息苦しい展開。
そんな後半12分、大儀見が宮間とのパス交換から強烈なミドル!
これは惜しくも枠を逸れるも、エースのこの日初めてのシュートはチームに活力を与えそう。

なんて思った矢先の13分、中国が大きな展開からの攻め、最後は17番がエリアの外から強引に左足を振り抜くと、やや山なりのボールが計ったように右隅のいいコースに入って、まさかの2失点。
日本DF陣が寄せきれなかったのは確かですけど、あんなシュートはめったに決まるものではありません。流れが悪い時ってこういうことがあるんですよね…。

ただ、まだ絶望するには早い。時間はまだまだ残されています。ここからは底力が試されます。なでしこは誰一人として下を向いていませんでした。
しかし、2点リードで余裕を持って守る中国を崩すことは容易ではなく、試合は膠着状態。
日本も強引にボールを前線に蹴っていきますけど、それではチャンスの確度は高まりません。
ですから、こういうときこそ個の打開力です。
後半20分、岩淵のクロスがカットされたところを横山が激しい寄せで奪い返し、その勢いで切り込んでいってシュート!
これが豪快に中国ネットに突き刺さって1-2!よっしゃああ!さすが長野パルセイロのエース!
なでしこの新エースとしても名乗りを上げた!

若い横山のゴールで勢いの乗りたい日本は21分にこぼれ球を岩淵がダイレクトで叩くもGKの正面。惜しい!
なでしこのチカラなら残り20分強で2点くらい取れる!
22分には中島→川澄奈穂美。
より前掛かりになった日本は中国のカウンターの脅威にさらされながらも、相手ゴールに向かってゆきますが、連携やパスに微妙なズレが生じて、どうにも勢いに乗れません。
こういうときはセットプレイが重要になりますが、34分の宮間が激しいタックルで奪ったCKも田中のヘッドは力なく相手GKに阻まれます。今回のメンバーはパワープレイに適した人材がいないのもこういうときに痛い…。

無情にも残り時間が削られてゆくなか、最後のカードとして42分鮫島→高瀬愛実。
しかし、川澄が左SBに下がり、高瀬が右OMF入る攻撃的布陣を取るも、チャンスらしいチャンスを作れないまま試合終了のホイッスル。リズムに乗れない大会を象徴するようなゲームでした。
試合後のなでしこのメンバーはほとんどが呆然自失。それをひとりひとり励ます宮間の気丈さに涙が出そうになりました。
しかし、本当に信じられない90分でした。崩された場面というのはほとんどなかったのに2点を奪われ、1点しか取れない。
夢なら覚めて欲しい。

これでリオ五輪(2枠)はほぼ絶望的となりました。
日本は現時点で勝ち点1、あと2試合連勝しても7までしか伸びません。
オージーは3連勝の勝ち点9でほぼ当確。
中国は現時点で勝ち点7なので、残り2試合でひとつ引き分ければ日本の上になってしまいます。
また、中国が足踏みするとしても、それは次の中国の対戦相手である韓国に勝ち点3を与えることになり、韓国は最終戦が最弱のベトナムなので、韓国が勝ち点8でリオへの切符を手にする可能性がぐっと高まります。
客観的に見て、日本は脱落したといっていいでしょう。
奇跡があるとすれば、韓国が中国に勝って、次のベトナムに引き分けて勝ち点6でフィニッシュ(負けてくれてもよし)、中国もここから2連敗してくれて勝ち点7のまま、そして日本が2連勝して勝ち点7で並び、得失点で中国を上回ることです。

でも、これは本当に厳しい。ありえないくらいに都合のいい未来です。
ですから、私ももう予選通過は考えません。
ここからはなでしこたちがあと2試合を全力で戦って、彼女たちらしいサッカーを見せてくれることのみを願います。
輝かしい実績を残してきた佐々木則夫監督のなでしこジャパンですから、沈みゆく姿も美しいものであって欲しいと思うわけです。
そこに奇跡があるかもしれません。
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