『真田丸』第11話、『祝言』

前回、真田信繁が地侍の娘である梅と「祝言を挙げる」という時代錯誤な宣言をしたことで首を捻った視聴者も多かったでしょうけど、この11話『祝言』では冒頭からその疑問に応える形で、信繁が「(家格が合わない)梅は側室として迎えるが、私はもう妻は娶らないので正室と同じだ!」と真っ直ぐなプロポーズ。
ただ、信繁は今後、正室を設けるだけではなく側室も何人もこしらえるので、歴史ファンはニヤリとしたはず。

というわけで、形だけでも祝言を挙げたい信繁は、父や兄には話を通し、了解を得たものの、公家出身の母(高畑淳子)からは「身分が違う」と反対されます。
そこで一計を案じ、配下(迫田孝也さんと藤井隆さん)を使って、母に花をやったり、気分のよくなる香をそれとわからぬように焚いたりして、母を篭絡寸前まで追い込みますが、あと一歩のところで計略がばれてすべてオジャンに。
このコメディパートは出演陣がみなノリノリで演じていて楽しかったです。三谷幸喜さんのコメディ映画の一部みたい。

そうして祝言の話でてんやわんやの真田家でしたが、その背後で信繁の父、昌幸に暗殺の手を迫っているのでした。
裏で糸を引いているのは徳川家康。
昌幸がいるために信濃小県が思うようにならないと考えた家康は、小県の有力者である室賀正武をそそのかし、昌幸の命を狙わせます。
その企みに気がついた昌幸は、ことあるごとに対立していた室賀を逆に排除しようと決断し、完成したばかりの上田城へ室賀をおびき寄せるために、信繁の祝言を利用することにしたのでした。

その計画を知らされぬまま、祝言を許された信繁は大喜び。
そして大いに盛り上がる祝言の席。
しかし、その華やかな宴の影で、客として招かれた室賀は、昌幸に意地を張った結果、無惨にも切り殺されるのでした。
騒ぎに気付いた信繁は、室賀の死を目の当たりにし、梅の晴れの日を汚されたことに対する怒りよりも、父の計略に気が付かなかった自分を恥じ入ります。
「そういう自分が嫌いじゃ」との言葉が虚しく響く第11話でした。

今回は最近人気が高かった室賀正武(西村雅彦さん)の最期ということで、中盤からは緊張感のある仕上がりになっていました。
昌幸が小県を手中に収めるという物語にとっても重要な過程を、室賀という存在感のある人物の死で強調したといえるでしょう。
上田城も完成し、いよいよ真田が一回り大きな家になるわけです。
西村雅彦さんといえば、三谷幸喜作品にはなくてはならない役者のひとりですから、序盤でいなくなるのは寂しいんですけど、いい仕事をやってくれたと思います。戦国時代の小領主の苦悩と哀れが伝わってきました。
また、室賀を手にかける出浦昌相役の寺島進さんの芝居と殺陣もリアリティと重さがあって印象に残りました。いい配役ですね。今後も”裏の仕事”で視聴者の背筋を寒くさせてくれそうです。

また、その対立という意味で、今回面白かったのは、信繁の側室となった梅(黒木華さん)が、幼馴染であり、ともに信繁に思いを寄せているきり(長澤まさみさん)に「信繁さまは私のもの」といって、圧力をかけるシーン。
それまでは信繁とのイチャイチャを見せつけることできりを泣かせていたのに、祝言が決まったことで(お腹に子供も)、直接的な行動に出てきたのはちょっとびっくりしました。
黒木華さんはほんわかした見た目に反して怖い芝居も得意ですよね。前に朝ドラで主人公をいびる同僚役を演じていたときも底意地の悪さと喧嘩上等な迫力を醸し出していました。
彼女主演で女囚シリーズをリバイバルしたら面白そう。

というわけで、今回は前半のコメディパートもよかったですし、それと打って変わって重い雰囲気の後半もしっかり作られていて、上々の出来だったと思います。
大河らしいシリアスな物語に、どうやって三谷幸喜らしいノリを加えることができるのか、その両者のバランスが今後も重要ですよね。
支え合い、補い合い、1+1が2以上のチカラを発揮するいい夫婦のように。
この第11話『祝言』は、そのいい切っ掛けとなる回だったと思います。
人気ブログランキングへ
スポンサーサイト
プロフィール

かつしき

Author:かつしき
FC2ブログへようこそ!

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード