『真田丸』第13話、『決戦』

4月3日放送の第13話『決戦』は待ちに待った上田合戦。
7000の徳川勢(鳥居元忠指揮)を2000の真田勢が迎え撃ち、これを撃退したことで、真田昌幸の勇名が天下に鳴り響き、その後、真田家が大名としてその地位を確立してゆく、きっかけになった戦としてもよく知られています。
当時の徳川は、小牧・長久手の戦いで羽柴秀吉相手に事実上の価値を収め、勢いに乗っていた時期で、そんな徳川をまだ信州の一地方領主だった真田家が戦力差をものともせずに追い払ったというのは、近隣諸国、いや日本全国にさそかし衝撃を与えたことでしょう。
この上田合戦は、これまで多くの創作物で扱われてきましたけど、歴史ファンにとっても血沸き肉躍る戦です。
そんな名戦を『真田丸』ではどう描くのか、本当に楽しみでした。

まずは軍議。
昌幸が諸将を前に、囮を使って上田城に徳川勢をおびき寄せ、城下に作った様々な仕掛けでもって相手の隊列を間延びさせてから、背後の砥石城に配した長男・真田信幸の兵と城の本隊が挟み撃ちするという策を披露します。
しかし、ひとつ困ったことが。
徳川勢を挑発する前線部隊と、その指揮を執る手駒が足りないのです。
すると、調度そのとき、越後上杉に人質に行っていた次男・信繁が上杉からの援軍とともに帰参。
「これで勝った」、思わずそう呟く昌幸でした。

そして上田城東南にある神川の向こう岸に陣取る徳川を『高砂』で挑発しながら、上手く後退してゆく信繁の小部隊。
徳川をおびき寄せた城下には千鳥掛けに設けた柵、熱湯や丸太といった罠。
こで相手が間延びし、混乱したところで、伏兵が弓鉄砲を射かけます。
それでもさすが精強と謳われた徳川兵、それをものともせずに二の丸へと押し寄せ、いよいよ大手門が見えるところまで迫ってきます。
もともと兵力差は3倍以上、しかもそしたる抵抗もなく、二の丸を制圧したことで一気に畳みかけようとした徳川勢でしたが、本丸から出てきたのは昌幸率いる真田の主力部隊、そして背後からは信幸の部隊が鬨の声を上げながら迫ってきます。しかも二の丸には弓鉄砲部隊とともに農民兵も配され、それがゲリラ兵のように石や槍で仕掛けてくるのですからたまりません。
徳川勢は大混乱に陥りながら敗走するも、城下の千鳥掛けの柵や複雑な家屋の配置に思うような撤退ができず、被害はますます大きなものとなり、最後は真田家臣・出浦昌相が堰き止めていた水を解き放って神川を増水させたことで、徳川兵はその流れにもまれてさらなる大打撃。
これにて戦は真田家の大勝利。
失った兵でいうと、徳川が1300という惨状なのに対し、真田は50に満たないというのですから、稀に見る一方的な戦でした。

しかし、そんななか、主人公・信繁には思いがけない悲劇が待っていました。
徳川敗走兵によって、妻である梅が殺されてしまっていたのです。
その亡骸にすがりながら涙をこぼす信繁。
呵々大笑の大勝利だったはずが、辛く悲しい勝利となってしまいました…。

というのが第13話の概要だったのですが、城下や二の丸のセットを作り込み、多くのエキストラを使って、生々しい迫力に溢れた上田合戦となっていました。”序盤のハイライト”の煽りに偽りはありませんでしたね。
今回のように籠城戦をリアルに描くというのは、こらまでの大河で私の記憶にはありません。
上田城はそう大きな城ではないので、描きやすかったとは思うんですけど、NHKも歴史ファンの期待に応えてよくがんばったと思います。かなりの挑戦でした。
ただ、ちょっと残念だったのは、史実の上田合戦では、徳川勢を二の丸までおびき寄せたとき、城下に火を放って相手の退路を塞ぐと同時に、それを信幸の兵や農民兵に対する挟撃の合図としたはずなんです。
NHKでは以前、『歴史ヒストリア』で上田合戦を扱った際、城下を焼くという思い切った作戦が勝利の大きな要員になったと紹介していただけに、『真田丸』でそれがないのは拍子抜けでした。
おそらく、これはリアリティを出すために大きなセットを組み、多くのエキストラを動員したものの、城下を燃やすとなると、かなり危険になってしまうので、泣く泣く断念したのでしょう。
あれを燃やしたら相当凄いシーンになったと思いますけど、そこをそのまま徳川兵役のエキストラが敗走するというのは、本当に死人が出てしまいます。
そこでCGを使ってしまえば、炎に巻かれながら大混乱に陥る様を描けるでしょうけど、それではせっかく大セットや大エキストラを揃えたリアリティを損ねてしまいます。
ようするに、”手作り感の戦”にこだわったということなんだと思います。
そのCGと手作りの葛藤こそが、制作側の心のなかでの『決戦』だったのかもしれません。

私は手作りで十分楽しめましたし、上田合戦に賭ける制作サイドの情熱も十分伝わってきました。
その意味で今回は大勝利!だったと思います!
そして、来週からの舞台は巨大都市・大坂。
今度はCGの出番ですね!
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