『真田丸』第20話、『前兆』

前回、正妻がありながらも徳川家康から嫁をもらうことになってしまった真田信幸は、上田に帰ってすぐにその正妻に離縁を切り出し、何だか腑に落ちないままに祝言を挙げます。
これが後の天下分け目の東西合戦で、真田家が分裂する”前兆”ということになるわけですが、この『真田丸』では、昌幸がこの婚姻に積極的で、信幸が消極的という扱いになっているところは、以前にNHKでも放映された『真田太平記』とは逆なので、今後の展開も予測がつきませんし、楽しみです。

その頃、聚楽第では、茶々に懐妊の兆しが現れます。
50歳を過ぎるにまで子を持ったことのない秀吉はもちろん大喜びの大はしゃぎ。
西日本は完全に掌握し、帝を聚楽第にお迎えして家康ら有力大名との従属関係をその場で明確にするなど、着々と天下統一に向かっている秀吉にすれば、「これで豊臣家も安泰」といったところだったのでしょう。政治の面でも、”刀狩”によって兵農分離を推し進め、国家安寧への道筋を描きます。

ところがそんな折、聚楽第の白壁に、刀狩に反発する歌や、茶々の腹の子の父親を疑う歌が落書きされているのが見つかって秀吉は大激怒。
そこで犯人捜しを担当したのは、この物語の主人公・真田信繁。
まずは現場検証を行い、夜に高い白壁に落書きをするためには、篝火も梯子も必要だし、複数犯の犯行だと推理。さらには梯子の先の折れたところを見つけます。
そして、犯行推定時刻に見回りを担当していた番兵を探し出したところ、その男はもともと問題行動が多く、事件後は自分が信仰する浄土真宗の本願寺に身を寄せているというではありませんか。
怪しい、いや怪しすぎる!
しかし、その尾藤道休を取り調べてみると、病床に臥せっているだけではなく、なんと字が書けないとの告白を受けて、捜査は暗礁に乗り上げます。

すると、そんな状況に痺れを切らした秀吉は、犯行当夜、聚楽第を警備していた番兵17人に対し、業務不行き届きで処刑を命じます。
犯人捜しは遅々として進まず、このままでは秀吉による関係者へのさらなる処罰が予想されるなか、尾藤道休が病死。
これを聞いた信繁は、「道休に罪をかぶってもらいましょう」と石田三成らに提案。
三成は難色を示したものの、信繁が「責任は私が取ります」と覚悟を見せて、この案が決行。
信繁もようやく主人公らしくなってきた!

そうして、道休の首実検をした秀吉ですが、怒りはそれでも収まらず、「道休の一家親類隣近所も首をはねろ!」との命令が下されますが、これには普段秀吉に逆らわない三成も大反発。
「乱心しているのは殿の方でござる!」と命をかけて諌めますが、秀吉からは切腹を申し付ける冷酷な声が。
しかし、そのとき、秀吉の古女房・寧が割って入り、「落書きを気にするなどあなたらしくもない。でんと構えていればいいのです」と窘めます。
さらには、いつの間にか部屋に入っていた茶々からも「殿下の子に決まっておりまする!」と笑い飛ばされた秀吉は、しゅんとして納得。その鬢には白いものが増えていました。

というような内容の第20話のサブタイトルは『前兆』。
秀吉の衰えと、それによって起こる豊臣家の家督争いの兆しが見えたというわけでしょう。
今回は、堺雅人さんの信繁による推理パートも他のドラマを思い出して面白かったですし、山本耕史さんの石田三成が命を張って豊臣家に尽くしている姿もかっこよかったですね。
そしてなんといっても、秀吉の明るさと弱さと怖さを存分に表現した小日向文男さんが素晴らしかった。これまでも多くの俳優さんが演じてきた秀吉ですが、その多面性を演じ分けたひとは少なかったと思います。
この秀吉は小日向さんを代表する役になりそうですね。
また、鈴木京香さんの寧が、周りから上がる「殿下はお変わりになられた」との声に、「少しも変っておりません。信長公よりずっと怖いお方。そうでなければ天下など取れはしません」と呟いたセリフも芝居もよかったですねえ。二人三脚で豊臣家を築いてきた彼女だけが本当の秀吉を理解している、というのがしみじみと伝わってきました。

そのように役者さんたちの演技によって満足度の高い回だったわけですが、不満をいうとするならば、舞台設定がわかりにくすぎます。
今回の舞台が聚楽第だったことを、どれくらいの視聴者がきちんと理解できたか、私には疑問です。
京の町の賑わいや、秀吉がもたらした好景気などが描かれるべきだったと思います。
大坂が舞台だったときも城下の様子がまったく描かれませんでしたし、この部分は完全に手抜きですね。
もちろん、コストがかかるのはわかりますが、作品の質を上げるためにも、制作サイドにはさらなる努力を求めたいですね。
それが役者さんたちのがんばりに応えることです!
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