2016キリンカップ、浅野拓磨の自己主張

〈キリン〉といえば、日本サッカー協会がアマチュアだった時代から、慈善事業ともいえる支援を行ってきた、サッカーファンからも大きな信頼を寄せられている企業ですが(私もビールはキリンを愛飲しています)、こと”キリン主宰の親善試合”となると、近年は興行的側面が強すぎて、「チームの強化になっていないのではないか」という声が聞こえてくることもありますよね。
特に、複数チームで競う〈キリンカップ〉ではなく、海外から1チーム〈もしくは2チーム)だけ呼んでくる〈チャレンジカップ〉の方は、その傾向が顕著に思われます。

しかし、今年2016年、5年ぶりに開催されたキリンカップは十分な強化になったんじゃないでしょうか。
6月3日初戦のブルガリア戦は、モチベーションとコンディションの低い相手をハリルジャパンが圧倒して、7-2という花試合のような内容でしたけど、昨日7日の決勝戦はボスニア・ヘルツェゴビナが真剣に戦ってくれたおかげで引き締まった好ゲームでした。
欧州ではリーグ戦が終わったばかりということで、ボスニア・ヘルツェゴビナも幾人かの主力が欠けていましたけど、今後のW杯予選に向けて地位を確立したい若手・中堅たちが中心のチームの方がかえってモチベーションは高かったのかもしれません。
現日本代表監督であるハリル・ホジッチがボスニア・ヘルツェゴビナ出身ということで、「変な試合は出来ない」という思いもあったでしょうしね。

ボスニア・ヘルツェゴビナは、前のブラジルW杯がそうだったように、堅守速攻の戦術をしっかり守りながら、局面でフィジカルを生かして激しく戦ってくる、本当に嫌なチームでした。
平均身長が日本より10センチ高いだけではなく、骨格や筋量も見るからに差があって、1対1で負けていなかったのはキャプテン長谷部誠と途中出場の遠藤航くらいだったので、全体的に苦しい試合だったのはいうまでもありません。
しかし、日本は左サイドを宇佐美貴史と長友佑都が制圧し、前半は幾度もチャンスを作って、先制したのも前半28分、宇佐美が長友を囮にスルスルとPAに侵入してからラストパス、それを清武弘嗣が決めた形でした。
宇佐美はやっぱり凄い選手です。ガンバのホームである吹田スタジアムのお客さんも鼻が高かったことでしょう。

しかし、その1分後、SB吉田麻也のケアレスなプレイで相手にボールが渡ると、それを縦に入れられて、あっけない同点シュート。吉田と森重真人のCBコンビは、「どうぞどうぞ」といわんばかりに相手の侵入を許すのですから目も当てられませんでした。
この日はこの場面以外でも、サイドを易々と突破されたり、裏を取られたり、空中戦で競り負けたりと、守備陣は頼りない限り。親善試合だからといってフレンドリーにいく必要はないのです。
特に吉田は”現在日本最高のDF”なのですから、猛省して欲しいですね。

そうして、”やるかやられるか”の前半を1-1で終え、後半に入ると遠いところから来てくれたボスニア・ヘルツェゴビナに疲れが見えてきて日本のペースに。
ただ、日本とは逆に最終ラインが堅牢な相手を崩すことが出来ず、決定的な場面が作れずにいると、66分には相手FKからのスルーパスを簡単に通され、最後は1点目と同じジュリッチに決められて、ボスニア・ヘルツェゴビナが逆転。
ここも吉田が付いていましたけど、まったくといっていいほど圧力になっていないのですから、情けなくなってきます。

その後の日本は攻撃的な選手交代も含めて、ホームの大声援を後押しに攻めたてますが、決定的なとことまではボールを繋げずにアディショナルタイムへ。
そして残り表示は4分、これならまだワンチャンスは作れる、そう思っていた矢先に、右サイドを抜け出したのはこの日が代表初先発の浅野拓磨!
自慢の快速で相手DFを置き去りにしてPAに侵入した浅野、右足を振り抜いてシュート!…と誰しもが思った場面でしたが、彼が選択したのはパス。
しかし、これが相手DFに難なくクリアされて万事休す。
この日の浅野は何度か右サイドから仕掛けましたけど、いいシュートが打てませんした。おそらく左足に自信がないのでしょう。右FWに入るなら左足が使えないとちょっと厳しいですね…。

試合後の浅野は敗戦の責任が自分ひとりにあるようにがっくりうなだれ、インタビューでも目に涙を貯めていました。
私も、彼がシュートを打たなかったことには心底がっかりしましたけど、この涙を見たら言葉はありません。
誰よりも悔しがっているのは浅野本人なのです。
浅野は3日のブルガリア戦が本格的な代表デビュー(2015年東アジア杯にも出場)だったにも関わらず、自分で獲ったPKを「自分が蹴りたい!」と主張して代表初ゴールを挙げ、スタンドの家族ともども大喜びだったわけですが、2試合目は天国から地獄という落差でした。
しかし、これもいい経験です。
PKを蹴ったのも、敗戦に涙を流したのも、自分がチームを牽引したいという”自己主張”。
我々ファンやサポーターはこういう若手を待っていたんです。
能力的には本当に素晴らしいものを持っているので、代表に欠かせない選手になったっておかしくありません。

次は勝利に導くプレイでの自己主張を期待しています!
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