イギリスのEU離脱について考える

それにしても、びっくりしましたね、まさかイギリスがEUから脱退する運びになるとは。

2013年にキャメロン首相が約束した実施を約束した残留or離脱の国民投票ですが、当初は残留は揺るがないという見方が強かったものの、シリア問題やギリシャ問題の影響からか、徐々に脱退への機運が高まり、最近ではそれが拮抗。
しかし、直近の世論調査では残留がやや優勢、ブックメーカーのオッズも残留に大きく傾いているという状況でしたので、世界的にも現状維持ムードが広がっていましたよね。
そして運命の6月23日。
”離脱票”が51.9%を獲得して、まさかの形で国民投票は決着。

この結果を受けて、残留を支持していたキャメロン首相が辞任を発表。
イギリスはもちろん、EUの先行きも不安になったのことで、世界中が株安になってのパニック。
日本では急激な円高も伴って市場も政府も大童でした。
私もこれで世界がどうなってゆくのかまたくわかりません。
しかし、専門家がいうように、イギリス経済が短期的に低迷するのはなんとなく理解できます。

こういうときは身近なもので考えるのが一番ということで、あれこれ想像したのですが、サッカーのプレミアリーグがわかりやすいですね。
まず、イギリスがEUから離脱となれば、いわゆるEU枠が使えなくなります。
通常の外国人選手に必要な労働ビザが、EU域内の選手には要らなかったわけです。
プレミアリーグは外国人枠がないかわりに、この労働ビザが厳しくて、「FIFAランキング70位以内の国の選手で、直近2年間の国際Aマッチの75%以上に出場」となっているんです。
これを具体的にいうと、”世界的評価がはっきりしている中堅以上の選手”というふうになると思うんです。
つまり、才能のある若手や、才能はあるが色々あって代表に選ばれてこなかった外国人選手は、今後プレミアではプレイできないということになるんです(ポンドの価値が下がればスター選手獲得競争にも負けてしまいます)。
これでプレミアは間違いなく弱体化しますし、欧州チャンピオンズリーグでも活躍が難しくなるでしょう。
そうして他国のリーグに比べて弱くなり、魅力を失っていけば、投資額はもちろん、ユニフォーム(グッズ)の売り上げも落ち、テレビ放映権も下がるに違いありません。
これはまさに負の連鎖です。
それがわかっているから、イギリスのサッカー関係者は、ほとんどのひとが残留を支持していました。

おそらくこういうことが色んな業種で起こってくるのが、これからのイギリスだと思うんです。
それでもなお半分以上のイギリス国民が離脱を選んだのはなぜか。
一番大きな理由は移民・難民の問題でした。
”寛容”を旨とするEUにいるかぎり、これをはねつけることはできないんです。

離脱派の考える移民・難民とは、働ける者はイギリス人の雇用を奪い、働けない者は社会保障費を増大させると同時に治安を悪化させ、増えすぎれば伝統的なイギリス社会の破壊しかねない存在というわけです(プレミアも外国人選手が増えすぎて代表が弱体化したといわれますよね)。
対する残留派は、移民は労働力であり、EUに留まることで金融市場での地位や自由なビジネスチャンスが維持でできると主張していました。
ちなみに世論調査によると、40歳くらいを境に、下は残留支持が多く、上は離脱支持が多かったそうなんです。
自分の能力でもって人生を切り開いてゆく意欲と気力のあるひとたちはEUにいる方がいいということなのでしょう。
逆にお年を召したひとにとっては、色んなものが自由になるのは不安の方が大きかったということなのでしょう。
そして、キャメロン首相らはその不安を慰めることができなかった。
それがこの結果です。

グローバルだのボーダレスだの自由競争だのは強者の論理なんです。
移民で儲けるのも強者です。
弱者にとっての移民は不安のタネでしかありません。
”寛容”などという美し言葉だけでは我慢できないところまできているんです。
そもそも、寛容を求めるひとたちは、不寛容なひとたちに対しては寛容ではないのですから。

日本はイギリスを反面教師にしなければなりませんね。
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