鳥越さんの説明責任

この2016年東京都知事選挙は当初、自民党が分裂選挙になったところに民進・共産・社民・生活が推薦する鳥越俊太郎さんが立候補したものの、前回の選挙で共産や社民が推薦した宇都宮健児さんも立候補を表明していたので、そちらの支持層も分裂状態になりかねないところでした。
しかし、7月14日の告示前日、鳥越さんと協議をした宇都宮さんが「保守が分裂しており、都政を転換する千載一遇の機会」との理由で出馬を断念。
これによって4野党はその支持者ともども鳥越さんに一本化できることとなったため、”鳥越さん有利”という声も多かったように思うんです。

ところが、いざ選挙戦が始まってみると、鳥越さんは高齢(76歳)や持病(ガンの手術4回)のせいか街頭演説の回数も時間も他候補に比べて極端に少なく、見識不足からか都政に関する具体的な政策も語れないので、すぐに勢いをなくし、序盤の世論調査では小池百合子さんの後塵を拝するという体たらく。
そんな鳥越さんの話題といえば、巣鴨での街頭演説で40秒ほど演説をしただけで後を応援の森進一さんに任せて『襟裳岬』を一節歌ってもらったこと、鳥越さんを含む有力3候補が出演する予定だった報道番組をキャンセルして、それが批判された後に出演した19日のバラエティ番組で、小池さんに「ガン・サバイバーに対する差別だ!偏見だ!」と狂犬のように吠えたことくらいでした。
もちろんいずれもマイナス印象でしかありません。
おそらく次の世論調査ではさらに小池さんに差を広げられているのではないでしょうか。

…などと思っていたら、首位を追うどころか、ビリにでもなりかねないスキャンダルが今日21日発売の週刊文春が掲載されるとのことで、昨日から今日にかけて大騒ぎとなりました。
その気になる内容はといいますと、十数年前に鳥越さんが某私立大学のメディア関連のゼミに特別講師として呼ばれた際、そこに所属していた女子大生に下心を抱いた鳥越さんは、色々相談に乗るという体で巧みに別荘に誘い込むと、強引にキスをし、肉体関係を迫ったというのです。
女子大生は何とか抵抗して逃れたものの、その後も鳥越さんが執拗に関係を迫るので、精神的に参ってしまって大学にも行けなくなってしまったそうです。
そしてそのことを女子大生から相談された恋人が鳥越さんを呼び出して怒りの抗議。
すると鳥越さんは渋々謝罪をし、「もうテレビからも引退する」とまでいったので女子大生も恋人も訴えたりすることはなかったようですが、鳥越さんがその約束を反故にしたのは周知の通りです。
その後、結婚をした女子大生と恋人は鳥越さんのテレビ出演には忸怩たる思いを持っていたものの、今回の東京都知事選挙に出てきたことで、「我慢してきたことが抑えられなくなった。絶対に許すことはできない」といって週刊文春に事の次第を告白したとのことでした。

私はこのように要約しましたけど、記事のすべてを読むと本当に嫌な気分になります。下劣すぎて細部を書けないほどです。
この告白が事実だとすれば、強姦未遂ですし、いわゆるアカデミックハラスメントです。
マスコミ志望だったと思われる女子大生は自分の将来を考えて鳥越さんの邪な誘いを断りづらかったのでしょうし、自分の倫理観や恋人への思いとの葛藤でさぞや苦しんだに違いありません記事のよればいまだにトラウマが残っているそうです。
こういう人間に都知事の資格があるのか、と女子大生の恋人であり、夫となった人物が憤るのも当然といえるでしょう。

ただ、これはいまの段階では週刊文春の一方的な記事にすぎません。
確かに最近の週刊文春は、有名タレントの不倫問題や元プロ野球選手の覚醒剤事件、舛添要一前都知事の公私混同問題などなど、スキャンダラスな”事実”をスクープしていますけど、記事のすべてを信じていいわけではないのです。事実は当事者が認めるか、裁判所が認めるかしなければならないわけですからね。
鳥越さんサイドはこの記事に関して「事実無根の誹謗中傷であり、選挙妨害だ」と反論し、今日21日には名誉棄損などで週刊文春を告訴しました。
ただ、鳥越さん本人からの具体的な釈明はまったくないんです。

その選挙妨害記事でいえば、週刊文春は先日の参院選でも自民党から立候補した青山繁晴さんについて、「共同通信社の記者だったとき、ペルー日本大使公邸人質事件の取材費を私的流用して首になった」と報じて注目を集めました。
しかし、このときの青山さんは「領収書の出ないあの手この手の取材方法でお金を使った。情報源を明らかにしないのが自分のポリシーだから会社にもそれはいわなかった。その説明に納得しない会社に失望して依願退職した」と、具体的に説明したあと、週刊文春を刑事告発したわけです。
すると週刊文春は「記事には絶対の自信がある」といい張るのみで、得意の”第2弾記事”を載せることもできず、大人しくなってしまいましたよね。
裁判はまだ行われていませんが、選挙の結果、青山さんは比例で481890票(自民党2位)もの支持を受けて当選。
有権者は青山さんの説明と態度に信頼を置いたということでしょう。
私はこれが政治家らしいやり方だと思います。

ですから、鳥越さんも「事実無根だ」というのであったら、もっと具体的に釈明すべきです。
大学のゼミには招かれたのか、女子大生とは面識があるのか、別荘に連れ込んだのか、強姦まがいのことをしたのか、被害者とその恋人に謝罪をしたのか。
”事実無根”という言葉だけでは、それらすべてを否定しているのか、部分的に否定しているのかもよくわかりません。
ぼやかした否定をすることは、あとになってあれこれいいわけをするための布石にも見えるわけです。
そんな卑怯なことをしてはなりません。
”説明責任”というのは政治家にとって最も大切な要素のひとつです。
そして、それがなされないとき、ジャーナリストたちはこぞって政治家をコテンパンに叩いてきましたし、鳥越さんはその旗頭のひとりでした。
それなのに自分の場合は、きちんとした釈明をしない、できない、というのであれば、都知事になる資格はもちろん、ジャーナリストとしての資格もないはずです。

鳥越さんを自分を支持しているひとのためにも丁寧で真摯な説明をすべきなんです。
それが納得ゆくものであれば、支持者だけではなく、世論も鳥越さんの味方になるに違いありません。
ピンチをチャンスに変えてみてください。
このままでは鳥越俊太郎という人間そのものが落選してしまいますぜ。
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