ロシアのドーピングと連帯責任

リオ五輪はまだ始まっていないというのに、ドーピング問題によって影の主役としての座を不動のものとしているロシアですが、7月24日(あと数時間後)に開かれるIOC理事会でも、”国として不参加”が決定されることが濃厚となっています。
ロシアはレスリングや柔道では勇ましさを見せたかと思えば、体操女子や新体操やシンクロでは美しさを見せるという二面性を持ち、五輪を彩る重要な国のひとつなのですから、それがいないというのは本当に寂しいものがあります。
日本とも、女子バレーボールや柔道、シンクロなどで鎬を削ってきただけに、ライバル関係という意味でも残念としかいいようがありません。

ロシアのドーピング問題は、世界反ドーピング機関(WADA)がロシア陸上界の不正を指摘した昨年に始まり、今年に入ってからはロシア開催だったソチ冬季五輪において、ロシアが国ぐるみで自国選手の検体をすり替えるなどしてドーピング検査をごまかしていたとの報告書がWADAから発表されたことで話はさらに大きくなりました。
この報告書のもととなったのは、ソチのドーピング検査機関の元所長の告発なので、かなり信憑性の高いものです。おそらくは事実なのでしょう。
しかし、ここで意見が分かれるのは、「国が行った不正の責任を選手も負うべきなのか?」という問いです。
検体がすり替えされたからといって全ての選手がドーピングをしていたわけではないでしょうし、必ずしも選手自ら「すり替えてくれ」と頼んだわけでもないはずでしね。
そこで、「選手団全員の不参加は厳しすぎるのではないか、連帯責任には反対」という意見が出てくるわです。

確かにこれは難しい問題です。
ですが私は、”ロシア選手団の不参加”という意見の方を支持します。
なぜならドーピング検査において、検体のすり替えはあってはならない禁じ手だからです。
五輪だけではなく、WADAに加盟するスポーツ組織は、選手から採取した尿や血液といった検体を分析することでドーピングの有無を判定しているので、”検体が本物”というのが大前提なんです。
また、いたちごっこともいわれる薬物と検査の進歩の関係も、検体を基に過去に遡っての処分というのもあるので、検体さえあれば検査技術が向上した未来に不正を突き止めることができるわけです。このことはひとつの抑止効果ともいえるでしょう。選手からすれば、今現在どんなに検査しずらい不正薬物といえども、使うのに躊躇いが生じるはずです。
…しかし、検体がすり替えられてしまえば、以上の話はまったくの無意味となってしまうんです。
選手への処罰というのは、検体から陽性反応が出た場合のみ下せるのですから。

ロシアの検体すり替えは、ドーピング検査そのものを有名無実化させるものです。
これをされてしまえば、明らかなドーピングをしている選手にだって罰を与えることはできないんです。
これでは競い合いになりません。
ロシアが国家として不正を認め、再発防止策を打ちださねば、五輪はもちろん、色んな世界大会への参加も難しいことになるでしょう。
他の国の選手たちからしたら、「一緒にやりたくない!」に決まっていますからね。

私はロシアはドーピングなんてしなくたって強い国だと思います。
選手たちの勇ましさや美しさというのは敬愛の対象でもあります。
”何がなんでも勝てばいい”という国家ぐるみの不正は、それをただただ汚すだけです。
国全体としての価値観が変わらないかぎり、連帯責任は続くのです。
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