2016都知事選、無視できない11万4千票

この2016東京都知事選挙は与党が分裂選挙となったのを見た4野党が統一候補を出すという先の読めない展開で始まったこともあって、マスメディアは小池百合子さんと増田寛也さんと鳥越俊太郎さんを”有力3候補”といってくくり、その3人を中心とする報道に終始しました。
とりわけ民放テレビ局などは、今回の選挙にはその3人しか出ていないのではないかと勘違いさせるくらい偏った扱いで、その他の候補者の有志が集まって、メディアに抗議文を送ったほどです。
ただ、結果からいえば、当選した小池さんが291万票、次点の増田さんが179万票、3位に終わった鳥越さんが134万票を獲得したのに対し、4位の上杉隆さんは17万9千票、5位の桜井誠さんは11万4千票という大差を付けられたのですから、ある程度の偏りは仕方ないといっていでしょう。紙面にしろ、放送時間にしろ、制限がありますからね。

しかし、民主主義というのは、個々人が自由に意見を表明すると同時に、それを個々人が自由に受け取り、自分なりの考えを持つことから始まるわけです。
したがって個々人を繋ぐメディアには大きな責任があります。
特に個々人が未来への重要な判断を下す場である選挙においては、出来るだけ公平に候補者の声を拾い上げねばなりません。
それがなければ有権者は判断材料がなくなってしまいます。
そういう状態を一番喜ぶのは独裁者なのです。

今回の都知事選は歴代最多の21人が立候補したということもあって、いわゆる泡沫候補が多かったのも事実でしょう。
しかし、17万9千票の上杉さん、そして11万4千票の桜井誠さんなどは、泡沫といって切り捨てるにしてはあまりにも多い得票数でした。
にも関わらず、その2人の政策や人物像を、選挙中にいったいどれだけの都民が知り得たでしょう?
上杉さんなどはNHKが”有力以外の候補”として、毎晩ちょろっと伝えていたのでまだましでしょうけど、桜井さんに至ってはテレビで取り上げられたことは皆無に等しかったのではないでしょうか。
それで11万4千票というのは見事としかいいようがありません。
上杉さんと同じような扱いだったら、15万、いや20万票も見えたのではないでしょうか。

さらにいうならば、NHKが有力以外の候補として上杉さんと一緒にフリップに並べていた中川暢三さんと山口敏夫さんはそれぞれ1万6千票ほどしか獲れていません。
選挙期間中には期日前投票所での取材や世論調査、街頭演説の盛り上がりなどで、各候補の獲得票がある程度予想できるので、NHKだって桜井さんがかなり票を伸ばすことはわかっていたはずです。もちろんそれは民放テレビ局や新聞社も同じことでしょう。
しかし、マスメディアは桜井さんを無視し続けました。
マスメディアからすれば、”ジャパン・ファースト”を叫ぶ桜井さんは、泡沫候補というより危険分子だったのかもしれません。

知っているひとは知っているように、桜井誠さんは〈在日特権を許さない市民の会〉という市民団体の元会長です。
この団体は在日朝鮮・韓国人に対する特権をなくし、普通の外国人のように扱うことを目的にすると同時に、在日朝鮮・韓国人による日本人や日本社会へのいわれのない攻撃を止めさせようと、激しいデモを行ってきたことでも有名です。
左派系のジャーナリストやメディアは彼らを「極右」だの「排外主義者」だのといって警戒したり、攻撃したり、はたまた”報道しない自由”を行使したりしてきたので、今回の知事選での対応も予想の範疇にあったといっていいでしょう。
それが11万4千という無視するにはあまりにも多い得票数だったことから、選挙後には危険視する論調を苦々し気に発信することも忘れてはいませんでした。
しかし、在特会やそれを支持するひとたちというのは本当に極右や排外主義者なのでしょうか?

ちなみに今回の桜井さんの公約は、
・都内に在住する外国人への生活保護費の支給を停止する。
・都内の不法滞在者を4年間で半減させる。
・日本人への反日ヘイトスピーチ禁止条例を制定する。
・朝鮮総連と韓国民団の中央本部及び関連施設にきちんと課税する。
・パチンコに対する規制を行う。
・韓国学校建設については中止。
・コンパクトな東京五輪の実施。
の7つであり、在特会の主張と重なる部分が多いものの、あくまで知事の裁量の範囲で掲げているのですからかなりまともです。
「島嶼部は消費税5%」とか「東京から250キロ圏内の原発は全停止」とか出来もしないことを訴えていた鳥越さんと比較すると、よけいにそれが際立ちます。
この公約は在特会の主張ともかぶる部分が多く、これのいったいどこが極右で排外主義なのか私にはよくわかりません。

まず、生活保護法は日本国憲法第25条に基づいて制定されており、その憲法は日本人を対象にするものなのですから、当然のように外国人に生活保護を受給する理由にはなりません。
そして、彼らが日本から出て行ってもらおうとしているのは、あくまで”不法”に滞在している外国人であり、在日朝鮮・韓国人に対しては、他の外国人と同じように扱うと主張しているだけです。
本当の極右や排外主義者ならば、法に則って日本に渡ってきた外国人に対しても、それを差別し、排除する活動をしているはずです。我々はその手の発言やデモがヨーロッパやアメリカで行われていることをすでに知っています。
桜井さんたちはそれとは根本的に違うといっていいでしょう。
彼らが敵視しているのは、法に則っていない状態や特定の民族への特別扱い、そしてその不平等と違法性を是正しようとしない政治、指摘しようとしない有識者やマスコミだと思います。

ただ、もちろん桜井さんたちの活動は、ときに過激であり、品のない言動があることもまた事実でしょう。
しかし、本質的には間違ったことをしているわけではないと思いますし、これまでの主張や活動を見ても、世界の常識でいえば”普通の保守団体”にすぎないと思います。
過去には暴力行為や破壊行為をしたという話もありますが、その規模は決して大きいものではなく、小競り合い程度ですから、”危険な組織”というにはちょっと実績が足りません。
彼らに比べれば、日本共産党の方がずーっと実績が上です。

桜井さんたちは来年の都議選にも打って出ようとしているそうですが、いびつで尖がったところのある組織も、ひとの目に触れることで丸みを帯び、より受け入れられ易い形になるものです。
この都知事選の街頭演説の映像を観ていても(桜井さんたちが自分で動画サイトにアップしたもの)、桜井さんの生の声は多くのひとの足を止めるチカラを持っていました。
地道に活動を積み上げて行けば、その輪はどんどん広がることでしょうし、桜井さんたちもその手ごたえを掴んだはずです。

まっとうな政策を掲げ、まっとうな選挙活動を行った桜井さんたちに、私は大きな拍手を送りたいと思います。
もうひとりの勝者に。
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