『真田丸』第30話、『黄昏』

この『真田丸』第30話は、『黄昏』というサブタイトル通り、豊臣秀吉の衰え切った様子が描かれていました。
サン=フェリペ号事件の処置に関し、先にスペインと結んでいた協定と矛盾したことをしてしまうなどの職務上の問題はもちろん、痴呆の症状とも思える徘徊を始めたり、記憶が混同したり、見た目もよぼよぼで、現代でいえば”要介護度4の後期高齢者”といったところでしょうか。
馬廻り役の真田信繁はさしづめホームヘルパーといったところでした。
姿が見えない秀吉を探したり、手を引いて歩いたり、粗相の後始末をしたり、一生懸命に殿下のために尽くします。
しかし、悲しいことに秀吉の記憶は、ここ10年ほどが薄くなってしまったのか、信繁のことが誰だかわかりません。
”誰そ彼”と”黄昏”を引っかけているのでしょうね。

そんな状態ですから、秀吉も自分の死後のことを考え、拾が5歳で元服するのを承認したり、家臣たちに形見分けをしながら、拾のことを頼んだりします。
そこにはもはや天下人たる威厳はなく、上杉景勝に「徳川を見張るため、会津に移って欲しい」と懇願した際には、土下座をして涙を流すほどでした。
小日向文世さん演じる秀吉が『真田丸』に元気よく登場したのが第14話、そこからこの第30話まで、物語のなかでは13年ほどが経過したわけですけど、ほんと老けましたねえ。
鈴木京香さん演じる寧や山本耕史さん演じる石田三成、そして堺雅人さんの信繁の見た目はほとんど変わらないので、小日向秀吉だけがまるで玉手箱を開けてしまったようです。
まあ、大河ではよくある演出ですけど、今回はちょっとやりすぎかなあと思います。

それというのも、秀吉は第30話ではまだ60歳なんです(初登場は50歳手前)。
もちろん、現代と違って当時の60歳といえば、もう人生も終わりのときが近いのでしょうけど、同時代の60歳くらいの武将はそんなに老け込んでいません。
試みに1537年生まれの秀吉(享年62)と同年代の武将を幾人か挙げてみます。
・1533年生まれ享年78歳の島津義久
・1534年生まれ享年74歳の細川幽斎
・1537年生まれ享年60歳の前田利家
・1539年生まれ享年60歳の長曾我部元親
いずれも晩年までしっかり仕事をしていますし、著しく耄碌したという逸話も残されてはいません。病気を持っていたひとも表向きは矍鑠としていたようです。
秀吉の死因については不明な点が多く、様々な説があるようですが、ドラマなどでは老衰に近い描かれ方が多いように思われます。年のせいで判断が狂ったり、凶暴になったり、我が子を溺愛しすぎたりとかいう感じですよね。
しかし、当時といえども60歳でそこまで老け込んだという例は調べても見つからないわけです。

小日向秀吉はとにかく老けすぎです。
ちなみに内野聖陽さんの徳川家康(1543年生まれ)は秀吉の6歳下。
草刈正雄さんの真田昌幸(1547年生まれ)は10歳下。
この2名と比較すると違和感が際立ちます。
秀吉の死因については、いまは”脚気説”が有力になりつつあるとも聞いたことがありますが、『真田丸』でも、老いではなく、普通に病気で弱った秀吉でよかったように思います。
その後の豊臣家の滅亡に繋がる”哀れさ”を強調するための老醜も、やりすぎればコントになってしまいます。
それに、老けすぎたメイクの秀吉を見て何話か見逃したと勘違いする視聴者もいるかもしれません。
それこそ「誰そ彼?」ですぜ。
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