陛下のお気持ちと、皇室と共にある日本

7月13日(2016年)の夜にNHKが「天皇陛下が生前退位の意向を宮内庁関係者に伝えられた」(宮内庁は否定)と報じてから、にわかに国民的関心事となったこの話題も、陛下からの直接のお言葉がないだけに、落ち着かない空気が日本全体を包んでいたわけですが、今日8月8日、ついに陛下がお気持ちを表明されました。

その11分に及ぶVTRで、陛下はまず冒頭に、「天皇という立場上、現行の皇室制度に具体的に触れることは控えながら、私が個人として、これまでに考えて来たことを話したいと思います。」と前置きし、明仁という一個の人間としての意見だということを強く強調されて話をお始めになられました。
譲位や退位という言葉を避けながらも、2度の外科手術と高齢による体力の衰えから、「全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが難しくなるのではないかと案じています。」との不安を述べられ、「これからも皇室がどのような時にも国民と共にあり、相たずさえてこの国の未来を築いていけるよう、そして象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくことをひとえに念じ、ここに私の気持ちをお話しいたしました。国民の理解を得られることを切に願っています。」とのお言葉で締めくくられたお話の真意は、十分に国民に伝わったのではないでしょうか。
皇室典範には摂政という制度がありますが、陛下は、天皇が崩御した際には社会不安が起きてしまうこと(昭和天皇の病気入院や崩御でのいきすぎともいえる自粛ムードのことを指していると思われます)、そして殯の行事・葬儀の行事が新天皇の即位の行事と重なることで、残される皇族や関係する人間が困難な状況に置かれることから、生前に退位できる制度があった方がよいのではないか、というご意向のようです。

”あらゆる職務を全うできてこその天皇”という陛下の信念、国と国民のことを慮ってのご配慮、そしてご家族を思いやるお心。
それらが痛いほど伝わってくるVTRに、私も大いに感銘を受け、ひとりの国民として深く考えさせられました。
陛下のおっしゃられることも、本当にその通りだと思います。

ただ、不敬を承知で書かせてもらいますと、陛下の信念というのは”天皇明仁個人”のものであり、天皇という立場のものが普遍的に持つべきものである、とは必ずしもいえないと思うんです。
たとえば、昭和天皇には昭和天皇のお考えがあったでしょうし、次に天皇となられる皇太子殿下にもご自身のお考えがおありになるはずです。
また、憲法にも皇室典範にも”天皇とはこうあるべき”とは書かれていないのですから、今上陛下のお考えになられている”理想像”というのは、やはり個人的なものだと思うんです。
そして、崩御の際の問題ですが、退位なされた前天皇がお隠れになったとしても、やはり国民は自粛ムードになると思います。
退位なさろうがなされまいが陛下は陛下です。我々は動揺するに決まっています。
また、行事が重なることの困難でいったら、いっそのこと行事事態を縮小してもいいはずです。

もうみなさんおわかりのように、私は生前退位に反対です。
まず、退位の判断は誰がするのかという問題がありますし、天皇自身が判断するにしても、それが外部の圧力によって強要される危険性、そして天皇自身が退位の意向を政治的に利用する可能性もあるわけです。
日本の歴史を鑑みても、そのような事態が大きな政情不安・社会不安を生んできたのは事実だと思います。

ですから、今回このような大事が陛下のお言葉でも宮内庁発表でもなく、NHKの報道から始まったことに、私は強い憤りを覚えています。
「陛下がこのようにお考えになられている」と忖度し、それを喧伝することが、どれだけ社会に影響と動揺を与えるのか、いわなくてもわかることです。
たとえその内容が正しかったとしても、伝え方やタイミングによっては、政治利用が十分に可能なのです。

そしてまた、マスメディアの多くが発信している”おかわいそうに”という論調も、私は受け入れることができません。
これは共産党や社会党がいう”天皇の人権”と同じ話です。
この考え方は天皇制そのものを否定するものです。
私は、「これからも皇室がどのような時にも国民と共にあり、相たずさえてこの国の未来を築いていけるよう」、全力で模索してゆくことこそが国民の務めだと思います。
陛下を”個人”として見ることは、その判断を誤らせます。
ですから、私も今回は”おかわいそうに”を振り払って、勇気を振り絞って書いたつもりです。
私の想う日本には、常に天皇と皇室があります。
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