体操男子団体金メダル!栄光は続く!

五輪と世界選手権を合わせた個人総合6連覇という前人未踏の記録を持ち、”歴史上最高の体操選手”とも呼ばれることもある我らが内村航平。
ロンドン五輪の頃から世界中のメディアが五輪を代表するアスリートのひとりとして注目し、かのウサイン・ボルトに「ジャマイカ人が走るのが得意なように、日本人は体操が得意なんだろう」といわしめた内村航平。
若くして体操競技の真髄を極め、栄光を総なめにしてきたようなこの王者が、十代の頃から夢見、喉から手が出るくらい追い求めてきたのが”団体での金メダル”。
アテネ五輪の日本チームが描いた栄光への架け橋の向こうに、仲間たちと一緒にもうひとつの橋をかけるのが内村航平の願いであることは、1億2千700万人の日本人全てが知っていることであり、応援してきたことでもあります。

そうしてこの2016リオ五輪を前に、加藤凌平、田中佑典、山室光史、そして白井健三という頼もしい仲間を揃えた内村は、「自分たちの力が発揮できれば、金メダルはそう難しいことではない」という自信に満ちた抱負を語っていました。
2015年の世界選手権で久々の団体優勝を掴んでいただけに(内村・加藤・田中・白井+萱和磨・早坂尚人)、確かな手ごたえを感じていたのでしょう。
2014年の世界選手権では地元開催の中国のイカサマ採点で優勝をさらわれましたが、実質的な優勝は日本だったわけですから、いまの日本チームは本当に強いのだと思います。
ですから、我々国民としても、リオでの金には大きな期待を寄せていたわけです。

しかし、開会式翌日の予選で、日本チームはまさかのミスを連発して4位に沈み、決勝ではあん馬始め・ゆか終わりというきついローテーションに。
大会前に内村が、「決勝はゆか始め・鉄棒終わりで行きたい。そうでなければ金メダル獲得の可能性が半分になってしまう」と語っていただけに、この予選の順位はチームだけではなく、日本全体に少なからぬショックを与えていました。
しかも、決勝第1種目のあん馬で、山室が絶対にやってはならない落下…。スコアは13.900…。
山室は2種目目の得意とする吊り輪(15点代半ばが期待されます)でも不安定な演技で14.866…。  
内村と加藤と田中がそれぞれ15点付近のスコアを出して、何とかチームを支えましたけど、目を覆いたくなる序盤でした。
同ローテーションで予選3位のロシアが快調な滑り出しだっただけに、本当に嫌な雰囲気です。

しかし、それを一変させたのは3種目目の跳馬。
加藤が着地で大きく一歩下がりがらも15.000で食らいつくと、内村もリ・シャオペンをまずまずの着氷でまとめて15.566、そして若武者白井が自らの名が付いた3回ひねりをピタッ!と決めて15.633!
これで勢いが出てきた!

そして平行棒では、予選で「みんなの足を引っ張ってしまった」と悔し涙を浮かべていた田中が、予選でミスした序盤の難しい技を的確に捌いて、その後は美しくダイナミックな彼らしい演技での15.900の!よっしゃあ!
続く加藤も抜群の安定感でミスなく仕上げて15.500。追い詰められたときにこの男は妙な色気と迫力を醸し出す!
大黒柱の内村も15.366でまとめて、これで首位ロシアの背中は完全に視界に入った!

5種目目の鉄棒でも加藤は集中力を研ぎ澄まさせての15.066。日本刀を思わせますね。
予選では落下があった内村も絶対王者の誇りにかけて大きなミスをせずに15.166。
田中も離れ業を2本しっかり決めて、着地でやや跳ねた以外は抜群の内容。Eスコアが辛くて、15.166とスコアは伸びませんでしたけど、田中がしっかりまとめたことで、首位ロシアとの差は0.208。
試合後に山室が「佑典の鉄棒が終わった時点で泣きそうになった」と漏らしていたように、ゆかでのロシアとの実力差を考えると、日本がかなり有利な展開。
あとはミスなくゆかをまとめるだけです。

ただし、ゆかは「最も体力を使う種目」といわれるように、最終ローテーションにこれがあると思わぬミスが出ることも多いわけです。決して安心していい状況ではありません。
しかし我々は安心していいんです!日本にはこの男がいる!
ゆかの世界王者”Mister Twist”白井健三が目にもとまらぬ速さでひねりまくり、最後の4回ひねりのシライも着地を吸い付くように決めると、どうだ!といわんばかりのガッツポーズ!スコアは16.133!
続く加藤も後輩の起こしたツイスターを、凌平ならぬ”涼風”に変えて、ノーミスの演技で15.466!
この時点で日本チームは優勝を確信した雰囲気。
もちろん遠く離れた日本列島でも喜びを爆発させる準備は万端です。

そして大トリはもちろんこのひと内村航平。
この4年間、自分を鍛えると同時に、仲間たちの成長を促し、時には支え、時には叱咤してきた、この偉大なるキャプテンに残された仕事は、その頼りになる仲間たちが作ってくれた逞しい橋脚に、金メダルへの美しい橋を架けることのみです。
ゆかの上で技のひとつひとつを丁寧に積み重ねてゆく内村の体は、喜びにあふれているようにも見えました。
そして、最後の着地がらしくもなく前後にずれたとき、内村航平は幸せそうに笑っていました。

内村のゆかは15.600で、日本チームの最終合計スコアは274.094。
ロシアの演技はまだ終わっていませんでしたけど、Dスコアの計算上では日本を超えることは出来ず、日本の優勝は事実上確定。
テレビでは解説者もアナウンサーも興奮で声が上ずっていました。
そしてロシアの演技が終わり、日本チームは歓喜の輪。
アテネ五輪以来の金メダル、体操ニッポンの復活です!

表彰式では子供のような笑顔を見せる内村を筆頭に、輝かしい金メダルを首にかけた栄光の5人が君が代を「声が裏返るまで」歌い、式のあとには森泉貴博コーチの首に5つの金メダルをかけての記念撮影。本当に美しい光景でした。
内村は憧れ続けたアテネの場面に、いま自分自身が立っていることをインタビュアーから聞かれると、「アテネは僕たちのなかでは超えられていないのかなと思う。ただ、僕たちには僕たちの歴史というものがあるだと思います」と答えていました。
素晴らしい言葉ですね。
内村がアテネの代表に憧れたように、きっと次世代の選手たちもこのリオの代表を眩しく眺めていることでしょう。
その繰り返しこそが、本当の栄光への架け橋なのです。
そして内村は十代の頃からアテネへの憧れを公言してきたことで、その設計図をみんなに示してきました。

内村航平という男は偉大なチャンピオンであると同時に偉大なリーダーです。
この男の存在こそが、日本にとっての金メダルといっても過言ではありません。
ありがとう内村航平、ありがとう体操ニッポン。
最高の興奮と、最上の喜びに、私はいまふるえています。
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