『THE ICE』2016(中)、ダンス選手権の激闘

(続きです。)
幕間にはまず恒例のダンスレッスン。
村上佳菜子さんと宇野昌磨くんのカナちゃん&ショウちゃんが先生役となって、フィナーレのダンスを観客に教えます。
ところが、カナちゃんはテンション高くがんばっているのに対し、シャイなショウちゃんは恥かしがって、声も小さく、ティーチングもおざなり。
するとそこに「それじゃアカン!」とトヨタ自動車の小塚崇彦さんが再び登場!
タカちゃん先生がショウちゃん先生を指導するというおかしな展開に会場は大爆笑でした。

続いてのトークショーでは舞さんが司会になって、浅田真央とジェフリー・バトルとの対談。
『THE ICE』10回の歴史のなかで解禁はこの2人だけだそうですが、「そのなかで一番思い出に残っているペアプロは何ですか?」という質問に対し、バトルは「小さい頃、姉と演じたこともある『アラジン』を真央とも演じたこと。真央は日本の宝だから一緒にやるときはいつも緊張するよ」といって華やかな笑顔。
浅田さんはちょっと考えてから、「2008年は私もジェフも世界王者になった年だったので、そのとき踊った曲(『True love's kiss』)ですね」。
すると、すかさず舞さんが「あのときはジェフが真央にキスをするふりをして話題になりましたよね」と合いの手を挟み、浅田さんは「あの頃はまだ男性の顔が近くにあると恥ずかしかったです。でもすごく嬉しかったのを憶えています」とちょっと照れ笑い。
そこからはジェフが、「この10年で真央は美しさも技術も素晴らしく成長して、いまでは大人な雰囲気を漂わせる女性になった」と称賛し、浅田さんも「これからも一緒に滑ることができたら嬉しい」といって、トークでも2人はベストカップルでした。
そして最後に浅田さんが「現役はもうそんなに長くないので、ひとつひとつの試合を大切にしたいです」との抱負を語ってトークは終了。
浅田姉妹もジェフもリラックスしていて、とってもいい雰囲気でした。

休憩を挟み、次はお待ちかねのジェフリー・バトル司会のダンスバトル。アシスタントのタラ・ケインは可愛らしいだけじゃなく、盛り上げ上手で好印象。
バトルのテーマ曲は開催中のリオ五輪にちなんで『サンバ・デ・ジャネイロ』で、対戦は、褐色の裸に白いジャケットを羽織ったフローラン・アモディオと、帽子にサングラス、パーカーという不審者ファッションのジェイソン・ブラウン。両者、”絶対に脱ぐ”という出で立ちです。
アモディオが「負けたらパリに帰る」と自信をのぞかせると、ブラウンが「パリからの絵葉書待ってるよ」と挑発して、のっけからヒートアップ。
その勢いのままサンバがかかると、アモディオはいつものキレッキレのダンス、対するブラウンは柔軟性を生かした足上げで会場を沸かします。
するとアモディオは早くもジャケットを脱いで上半身裸でサンバ!しかもその姿のままスタンドに飛び込んで、女性客とダンス!
予想通りのアモディオのパフォーマンスに会場は黄色い声援に包まれて大盛り上がり、これで勝負あったか、と思われたそのとき、帽子を脱いだブラウンがスパイラルパーマの長髪を振り乱してのダンス!
いつもは後ろで結っている彼の髪が、ほどいてみたら爆発せんばかりのボリュームで、それを振り乱すブラウンを観たお客さんはびっくりするのと同時に目が釘付け。
さらにパーカーを脱ぎ捨てたブラウンは日の丸をマントにしたTシャツ姿。しかもTシャツには「日本大好き」と上手な日本語が書いてあります。
これで勝負は完全にブラウンの流れ、拍手の量による判定でもブラウンがやや有利に見えましたけど、審判のジェフはなぜか「one more try」と延長戦を要求。
しかし、ブラウンは一度掴んだ流れをがっちり離さず、対するアモディオは思わぬ不利な状況に心が折れたのかシュンとしてしまって、激闘を制したのはジェイソン・ブラウン!
『THE ICE』初参戦にしてブラウンは勝ち方を知っていました。「他の選手にリサーチをかけた」という事前準備が勝敗を分けましたね。
アモディオは自慢の裸に頼り過ぎでした。”ひとは己の長じるところによって身を過つ”とはこのことでしたね。
でも、パリにはまだ帰っちゃダメ、九州公演が残っている!

この近年まれにみる激しいダンスバトルで大いに勢い付いた後半パートの一番手は、全日本女王・宮原知子。
毎年、ここで完成度の高い新FSを披露している宮原さんですが、今年ももちろん新FS『惑星 スターウォーズより』。
3Loで勢いよく入った宮原さんですが、3Lzでまさかの転倒、これは珍しいミス。しかし続く3Fはしっかり決めて、後半も3Lz+2T+2Lo、3S、2A+3T、2A+3Tとノーミス!さすがです!
ただ、このFSはとても雄大な曲で、それをスケーティングで表現するのは、まだちょっと難しいという段階でしたね。
スケーティングのスピードや緩急、強弱というのは、宮原さんの課題でしょうから、この曲はひとつのチャレンジといっていいでしょう。これを自分のものにできればもうひとつ上のステージに行ける!

アダム・リッポンは、コールドプレイの『O "Fly On"』。
ひとつひとつの前衛的な振り付けに意味をもたせ、よく作り込まれた、リッポンらしい興味深いプログラム。
ときおり自分でも振り付けをする選手だけに、曲のすべてを自分のものにしていたといっていいでしょう。
フィギュアスケーターという現役の短い競技のなかで、そこで触れ合う全てのひとびとに対する敬愛と、自分自身がトップスケーターとして戦い続けて行こう、”Fly On”してゆこうという静かな気迫に溢れた素晴らしいプログラムでした。
もちろん代名詞のリッポンルッツも決めた!

今年で30歳、昨年は大学の医学部に進学したというジョアニー・ロシェットですから、もう日本の氷の上で彼女を観るのは難しいかと思っていたら、2年連続の『THE ICE』参戦。
しかもオープニングでわかるように体も絞れていて、”名前だけ”の参戦ではありません。
自分のプログラムでも3Tと3Sを綺麗に決めて、びっくりしました。
セクシーでアダルトな衣装と正確なスケートは、現役時代を彷彿とさせました。
「女王様!」と叫びたくなったひともいるんじゃないでしょうか。とってもカッコよかったです。
趣味でスカイダイビングをしているそうですから、その興奮がアスリート魂に火を点けているのかもしれませんね。

子供の頃に浅田真央からスカウトされて競技フィギュアに進んだことで知られる宇野昌磨。
今季のSPはその姉弟子をリスペクトするような『ヴァイオリンと管弦楽のためのファンタジア』。
冒頭は人類で初めて決めた4Fでしたけど、これは惜しくもステップアウト、4Tも着氷が乱れて、ぐたぐたになりそうでしたけど、3Aはバシッと決めて、得意のリンボーハイドロでつないでのステップシークエンス。ここでの体の全部で音を拾うセンスは相変わらず。
ただ、全体にスケートが軽くて、曲の雰囲気が出るところまではいっていませんでしたね。
ジャンプの難度が高いので、プログラムの表現まで手が回らないのかもしれませんが、フィギュアファンが頭に描く”浅田真央の思い出”に負けない演技をしなくては、弟分の名が泣くというものです。
(ダンス選手権で文字数を使いすぎたので後編に続きます。)
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