引き際は怪物のままで

2016年のプロ野球ペナントレースも、セ・リーグは広島カープが、パ・リーグは北海道ファイターズが制し、プレイオフに進出するAクラスチームも決まったことで、試合はまだわずかに残っているものの、実質的な戦いはもう終わってしまいました。
この終わりはまた来季に向けたチーム作りというわけで、この時期は引退する選手や、球団から戦力外通告を受ける選手がいて、秋風とともに寂しさも漂ってきます。
引退する選手でいえば、横浜ベイスターズの顔として、低迷期でも腐らずに熱いピッチングを見せていた三浦大輔。タイガースでは福原忍と鶴岡一成の両ベテラン。ミスターマリーンズのサブロー。ファイターズの変則サウスポー武田勝。
彼らなどは全力を絞りつくした末の清々しい引退で、ファンにも温かく見送られ、幸せな現役生活の締めくくりだったと思います。
しかし、現実的にはそういう選手というのは極わずかで、多くが戦力外通告を受けながら、現役続行を模索するのがプロ野球です。

そんななか、私が「この人気投手も覚悟が決まったか…」と思ったのは、9月30日にホークスの工藤公康監督が、入団した昨季からこれまで一度も登板がなかった松坂大輔を「1軍に上げる」と明言したときです。
今季の松坂は、昨年手術した肩の状態も安定せず、2軍の試合に登板することも稀だった上に、登板したときも全盛期からはほど遠いピッチングをするのみでした。
ですから私は、最後に1軍のマウンドに上げることで、工藤監督が松坂にプロ野球ファンにお別れをいう機会を与えたと思ったわけです。

そして昨日10月2日、宮城での東北イーグルスとの試合の8回のマウンドに上がった松坂でしたけど、2死球2四球3連打という厳しい内容での5失点。
10年ぶりの日本(1軍)でもピッチングは、松坂大輔というスター投手の落日をまざまざと見せつける結果となったわけです。
3年契約(4億円×3年)で来年がその最終年の松坂ですが、本人もここが引き際だと痛感したことでしょう。力がないのにダラダラと続けても、”怪物”といわれたイメージを傷つけるだけです。

ところが試合後、松坂は「来年に向けてファームでいちから作り上げたい」という前向きコメント、工藤監督は「くじけないで、とにかく前を向いていこう」とそれを後押し。
私はこれを見てポカンとしてしまいました。
いや、もうさすがにダメでしょ。
なんかもう凄く太っていますし、度重なる怪我でおかしくなったピッチングフォームも悪い意味で固まっていますし、36歳という年齢でいっても、復活の目があるとは思えません。

ネット上では、そんな松坂に対して厳しい言葉が溢れています。
「節制が出来ない」だの「金の亡者」だの「晩節を汚すな、恥を知れ」だのは優しい方で、書くのが忍びないような罵詈雑言が飛び交っているわけです。
しかしながら、いまの松坂はそういう批判や非難を跳ね返せるだけの材料は何ひとつ持っていません。ネットの声の方が正しいといってもいいでしょう。私も彼が何のために現役を続けようとしているのか理解できません。
高校時代から特別扱いされ、野球界だけではなく、メディアからも守られ、何をしても許されてきた松坂ですが、もうそろそろ自分が特別な存在ではなくなったことを意識するときです。
引退後の人生の方がずっと長いのですからね…。

松坂と同じく、メジャーから日本に復帰して巨額契約を結んだ選手でいいますと、佐々木主浩の6億円×2年、城島健司の4億円×4年が有名ですけど、彼らは自分のいまの実力をそれに見合わないと自覚したとき、自ら契約を途中で打ち切り、引退を決断しました。
複数年契約というのは、あそこが痛い、ここが痛いといって2軍でのらりくらりとやっていても報酬を得られるわけですが、佐々木と城島は自分のプライドをそれで売らなかったわけです。
そのせいか、この2人を悪くいう野球ファンはあまり見たことがありません。
むしろ潔い引き際で、ファンの脳裏には現役時代の雄姿の方が強く残っているといってもいいでしょう。

松坂だってまだ遅くはありません。
怪物の栄光が色あせてゆくのを見たくない!
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