2016GPSスケートカナダ、女子SP 豪華な顔ぶれ

2016GPS第2戦のスケートカナダ女子シングルは、一言でいうと豪華。
何しろ現世界女王メドベージェワを筆頭に、全女王のトゥクタミシェワ、地元カナダ勢は三本柱の2人チャートランドとオズモンドが出場、そこに宮原さんと本郷さんが挑みかかるという構図はまるでプチ世界選手権。
今季の行方を占う意味でも重要な一戦となりそうです。
それでは、わくわくしながらSPを振り返ってみます!

第1グループ先頭にいきなり登場した本郷理華は、3Fを鮮やかに決めると、美しい『カルミナ・ブラーナ』の旋律をスピンで彩り、上達が明らかなスケートで加速してからの後半の3T+3Tも力技で着氷(回転はぎりぎりか)。
2Aを降りてからのステップも長身を生かして華やかに攻め、勢いを持続したままのコンビネーションスピンのフィニッシュ。
スピード感と美しさを兼ね備えたダイナミックな演技。全体の動きやスピンのポジションなど、昨季に比べてブラッシュアップされて
いました。課題の姿勢もほとんど気になりません。
そして瞠目すべきはスケーティングの進化でしょう。これが演技全体のレベルアップに繋がっていると思います。
SPは65.75(TES3657・PCS29.18)。

昨季のスケートカナダで見事に銅メダルを獲得した永井優香さんは、ここをゲンのいい大会にしたいところでしたけど、抜け癖のある冒頭のルッツが2Lz+2Tになってしまう苦しいスタート。
その後は3Loを着氷して持ち直し、スケーティングも伸びていたものの、後半まさかの1Aでガックリ。
続くコンビネーションスピンでもミス、ステップもでも精彩を欠いてしまいました。
キスクラではうつむいたまま。SPは40.39(TES15.14・PCS25.25)。
FSでは3Lzを決めたい!

前女王だったことを世間に忘れさせないためにも今季が大切なエリザベータ・トゥクタミシェワ(ロシア)は、3T+3Tを飛ぶように決めると、不得手ながら丁寧なスピン(ビールマンはややトラベル)、後半の3Lzも軽々、顔の演技が主体のステップで
『ピアノ協奏曲第23番』を奏でると、タノ2Aを降りてからのコンビネーションスピンは何かから解放されたような鮮やかさ。
上々の内容にほっとした笑みがこぼれるトゥクタミシェワ。今季は体も絞れていますし、次は3Aに挑戦して欲しいですね。
SPは66.79(TES36.09・PCS30.70)。これにはやや不満そうでした。

ここ2シーズン怪我で苦しんだケイトリン・オズモンド(カナダ)ですが、冒頭の3F+3Tを豪快に決めると、その後ちょっと躓くも、笑顔でごまかし、ターンからの3Lz(エラーだと思います)も無事着氷、個性的なキャメルで前半を締めくくり、後半は2A、パワフルなビールマン、『パリの空の下』の歌唱の盛り上がりに合わせての大胆なステップには会場から自然に手拍子が起こり、オズモンドの演技もより加速してゆくと、最後のコンビネーションスピンも気持ち良さそうに回って華やかな笑顔。
いいときのエネルギッシュな滑りが戻ってきて、安心したひとも多いのではないでしょうか。地元観客も大満足な演技でしたね。
そしてスコアはなんと74.33(TES40.93・PCS33.44)。パーソナルベストを10点近く更新。
PCSはついこの間のフィンランディアでは29.38だったのに驚愕のジャンプアップ、3Lzもプロトコル上はクリーンでGOE1.3。
もうわけがわかりません。めちゃくちゃです。ホームだからといっても限度があります。アホらしい。

第2グループの宮原知子のSPは、2Aから入って、ステップへと続くプログラム。
ステップでは体を大らかに使うことを意識しながらの『ラ・ボエーム』、振り付けは正確。
投げキッスで前半に別れを告げてからの、後半3Lzはやや踏ん張るも気合の+3T!
滑りも気持ちが乗ってきて、スパイラルで彩ってからの3Fを決めると、キャメルで珍しくちょっと緩んだものの、すぐに建て直して美しいビールマンでフィニッシュ!
相変わらずの正確性や繋ぎの多さはもちろんですけど、何よりも”リスクを賭けたジャンプ構成”を評価したいSPでした。
しかもそれをしっかりまとめるのですからさすが宮原知子、全日本女王。
いまの女子シングルは、ジャンプ構成が頭打ちになっているので、スコアを伸ばすには後半ジャンプ加点1.1倍を上手く利用するしかありません。昨季の世界女王メドベージェワ陣営はそれにいち早く気づいて結果を出したといえるでしょう。
宮原さんも今季はそれに倣ったわけですが、彼女は回転不足を取られやすいので、後半ジャンプのリスクはより高いものがあったと思います。
それを承知の上で果敢に挑戦したことに私は鳥肌が立ちました。なんという精神力か。今季もまた脱帽です。
しかし、ジャッジが出したスコアは65.24(32.09・33.15)という低さ。これには会場もざわざわ。オズモンドと9点も違うのですから混乱しますよ。
ルッツで回転不足が取られたにしても、それだけじゃ足りない、他にもどこか取りこぼしたのか…、と思いつつ後でプロトコルを確認すると、+3Tが回転不足、そして何と3Fにエラー判定。これだと基礎点が3割引きになるだけではなく、もちろんGOEもマイナスになってしまうので、期待値から5点ほども低くなってしまいます。
宮原さんの3Fは時折”!”(回転が怪しい)という評価をされますけど、エラーまで行くのは稀で、今季もUSクラシックやJオープンではクリーン評価でした。
今回の3Fもそのときと変わらないように見えましたし、いきなりエラーを付けられては競技になりません。
+3Tの回転だって、他の選手でもっと怪しいのがあったと思いますし、イチャモンといっていいでしょう(3Lzの方が微妙)。
宮原さん陣営と日本スケート連盟はしっかりジャッジに苦情をいって、FSではこんなことが起こらないようにしなければなりません。
日本の女王がコケにされたんです。火の玉のような抗議が必要です。
宮原さんもこの怒りをFS『木星』に乗せて、ジャッジにメテオストライクだ!

エフゲニア・メドベージェワ(ロシア)のSPは昨季と演技構成が同じで、振り付けも大差なく、曲が『River Flows in You』に変わっただけという内容。
芝居がかったマイムや持ち前の柔軟性が魅力で、後半にタノ3F+3T、3Lo、タノ2Aをしっかり決めたのも立派。
体型変化もあまりなく、昨季の安定感を持続しているのはホっとするところながら、スケーティングや全体の動きの歪み、ジャンプの踏切り時の力みなどは修正されておらず、進歩は見られません。
SPは76.24(41.22・35.02)。昨季同様のジャッジからの偏愛によってGOEとPCSで他の選手を圧倒しています。PBも少しだけ更新。
このように本当に強い選手ですけど、”昨季と同じくらいの強さ”と考えれば追う方はやりやすいというものです。
もちろん彼女の安定感は凄い。ただただ凄い。
女王の座もプレッシャーになっておらず、メンタルの強靭さはピカイチです。敬意を払うべき16歳(11月で17歳)です。

この結果、首位はメドベージェワ、2位がオズモンド、3位にトゥクタミシェワ、4位が本郷さんで5位に宮原さん。
日本勢は、メドベを抜くのは難しいでしょうけど、表彰台は十分に可能性があります。
おかしなジャッジに惑わされず、平常心で、自分の演技に集中すればいいんです。
2人ならそれが出来る!
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