2016GPSロシア大会、男子SP 驚きのPB更新

現在の男子シングルが羽生結弦とハビエル・フェルナンデスと2強状態なのに異論を挟むひとはそう多くないでしょうけど、今季もその状態のまま進行する、という見方には多くのひとが異論を挟むことでしょう。
その異論の中心にいるのはもちろん日本が誇る天才・宇野昌磨。
昨季末にものにした4Fを武器に、いまの宇野昌磨には前を行く2人の背中がはっきりと見えています。
そして迎えたこのGPS第3戦ロシア大会では、フェルナンデスとの直接対決。
血沸き肉躍る戦いの始まりです!
というわけでSPから簡単に振り返ってみたいと思います。

本格シニアデビューした昨季、いきなり世界選手権で4位に輝いたミハル・コリヤダは、果たしてロシアのエース足りえる器なのか。
それを占うこのSPでは冒頭の4Tやや軸がやや後ろになるも+3Tを付けて見事に着氷、続く3Aも軸がやや後ろに傾くと今度はステップアウト。やや入れ込みすぎか。
しかし、テレビアニメ『ヌー、パガジー!』(ロシア版トムとジェリー)らしいはっちゃけた滑りで後半に入ると、余裕の3Lz、ステップでも動きが切れていて、安定したキャメル、芝居をひとつ挟んでからの最後のビールマンスピンもお見事。
SPは90.28(TES48.56・PCS4172)。
技術要素に苦手なところがなく、基本な滑りの技術も安定しているので本当にいい選手です。これほど欠点のない選手も珍しいと思います。
ただ、いまのままでは何となく地味。”これぞ”という取り柄が欲しいですよね。

ラヴェンダー色の衣装で登場した宇野昌磨のSPは『ヴァイオリンと管弦楽のためのファンタジー』。
美しい調べとともに滑り始めた宇野昌磨、鮮烈な衝撃を届けたい冒頭の4Fでしたけど、悔しいお手つき。
ターンからの4Tはやや着氷を乱しながらも力技で+3Tを付けるもステップアウト。
苦しい立ち上がりながらミスは最小限に抑えたといっていいでしょう。
そうして舞うようなFキャメル、美しい入り方からのコンビネーションスピンで前半を締めくくり、後半のイーグルからの3Aは鮮やか!降りてすぐにリンボーダンスのように上体を逸らすイーグルを挟む余裕も。
ステップではエッジが氷に吸い付くような滑り、ターンも美しく、音楽に溶けてゆくようでした。
終幕のコンビネーションスピンでも物語性を意識して劇的にポジションを変化させていったのもさすがの一言。
やはり天才です。
ただ、もちろん本人は口を結んだ悔しい表情。4回転が綺麗に決まりませんでしたからね。6分間練習では何度も着氷していたので残念。
しかしスコアは思いのほか高く、98.59(54.28・44.31)でパーソナルベスト更新。
前のスケートアメリカでは89.15(4T+3Tが回転不足)だったので、私も今回は93点くらいかと思っていました。
宇野くん本人も試合後はびっくりした表情で、「凄く高得点で、嬉しくはあるんですけど、決していい演技ではない。FSでは修正したい」と冷静な分析。踊りは上手くても点数に踊らされる選手ではありません。
FSでもジャッジの匙加減などは無視して、自分が満足する演技を突き詰めてください。
その先に世界の頂が見える!

現世界王者ハビエル・フェルナンデスのSPは昨季に続いての『マラゲーニャ』でしたけど、衣装と髪型を変えてよりダンディに、よりセクシーに。
冒頭は豪快な4Tを踏み切って観客の度肝を抜くも、+3Tでバランスを崩すステップアウト。
その悔しさをぶつけるようにまた物凄い勢いで踏み切った次の4回転も3Sになるまさかのミス。
ちょっと力みすぎましたね。
しかし、得意のアップライトスピン、フェロモンを放散した踊りで後半へと入ると、3Aは確実に着氷。
姿勢に寸分の緩みのないスピンを2つ回ってからのステップでもスケートの踏み込みの強さが際立ち、ぐいぐいと体が進んでゆき、舞踊も激しく、そしてしなやか。
あまりの勢いに壁際に寄り過ぎて、そこにいたフラワースケーターの女の子たちが驚きと興奮の黄色い声を上げるも、それに笑顔で応えるのはさすが色男。
最後は『マラゲーニャ』のイケメンポーズで貫録のフィニッシュ!
さすが2年連続世界王者、風格を感じる演技でした。
SPは91.55(45.47・46.08)
シーズン初戦ということで、状態はまだまだなんでしょうけど、滑りや動きの迫力が他の選手とはまったく違いました。
仕上がったときを想像すると、ちょっと震えが起こるくらいです。
今季も日本勢の最大最強のライバルですね。

郷土の先輩・高橋大輔をリスペクトした『ブエノスアイレスの春』を2年連続でSPに選んだ田中刑事くんでしたけど、冒頭のジャンプが2Sになるショッキングなスタート。
続いての3Aはしっかり着氷するも、スピンで音楽に乗り切れず、そのまま入った後半の3F+3Tはステップアウト。
バチバチっと動きを音楽にはめたいステップシークエンスでもはめきれず、最後のスピンも緩んでしまって不完全燃焼の演技となってしまいました。
SPは69.13(32.49・36.64)。
昨季の終盤はもっといい滑りが出来ていただけに、なぜ同じプログラムでこうなってしまったのか私にもよくわかりませんけど、”気持ちの問題”ならば、そここそを高橋大輔に学ぶべきです。
田中くんもいいものをたくさん持っているんです。自信を持って!

この結果、SP1位は宇野くん、2位がフェルナンデス、3位がコリアダ。
宇野くんは試合後に、あとちょっとでノーミスだったアメリカ大会FSの借りを返したいという趣旨の発言をしていましたけど、フェルナンデスを意識するのではなく、自分の演技に集中すれば自然に勝利が舞い込んでくるというものです。
そんな宇野くんの真っ直ぐな瞳を思い返すに、FSでは200点を超えることは間違いないでしょう。
宇野昌磨が頂へと駆け上がる姿から目を離せない!
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