2016GPS中国大会、女子SP 強豪の胸を借りて

この2016GPS中国大会の女子シングルは、ワグナー、ラジオノワ、トゥクタミシェワ、オズモンドという世界の強豪が揃い踏み。
そこに我らが日本からは本郷理華さんと三原舞依さんが挑んでゆくわけですが、正直いってかなり厳しい戦いが予想されます。
こうなれば、強豪たちの胸を借りるつもりで、ぶつかり稽古のつもりで、自分自身のレベルアップに繋げていって欲しいですよね。
というわけで、まずはSPから振り返ってみたいと思います。

怪我が癒えた今季は従来の勢いを取り戻し、カナダ大会では2位だったケイトリン・オズモンド(カナダ)。
このSPでも『パリの空の下』らしくお洒落な振り付けで演技に入ると、スピードに乗っての鮮やかな3F+3T、降りてすぐに振り付けをする余裕も。
続く3Lzはステップを踏むことによって踏み切りのエッジをアウトに向ける工夫をしての着氷(エッジはまだ微妙)、しなやかなキャメルスピン、美しい踊り、イナバウアーを挟んでの2Aはオーバーターンするも気にすることなく、美しさと力強さのビールマン、華やかなターンから入ったステップでも体幹がしっかりしていてパワフル。最後も余力のあるコンビネーションスピンで大きな笑顔を咲かせていました。
以前のバタバタしたところもなくなって、だいぶまとまってきましたよね。いい演技でした。
SPは72.20(TES38.87・PCS33.33)。
3Lzはエッジ判定がセーフでGOE(加点)1.20付いていますけど、これは”水物”だと思います。”e”や”!”になればGOEもマイナスになりますしね。アメリカのゴールドもそうですけど、”大国”の選手のエッジ判定は不可解です…。

アメリカ大会では貫録の優勝を果たしたアシュリー・ワグナー(アメリカ)ですが、このSPでは最初の3Fがやや乱れてセカンドを付けられず、後半の3Loにはなんとか+2T、2Aも慎重。
滑り全体も重くて、ステップでもフットワークにキレが感じられず、なんとも苦い『Sweet Dreams』でした。
SPは64.36(31.10・3326)。
たぶん、調子がいまひとつなんでしょうけど、そんななかでも大きなミスをしなかっただけよし、というところでしょうか。
25歳(91年5月生まれ)のベテランですから、シーズンのどこをピークにすべきかわかっているでしょうしね。
そうして調子が悪そう、なんて思っていてもFSではしっかりまとめてきて表彰台に乗っていたりして…。

『カルミナ・ブラーナ』の雑多なまでの賑やかさに乗ってゆきたい本郷理華は、大らかな滑りからの3F、丁寧なビールマンとキャメルでまずまずの前半戦。
後半冒頭は勝負の3T+3Tでしたけど、セカンドがやや回転不足(UR)か。
それでも2Aはしっかり決め、その流れで入ったステップでは、鮮やかなターン、独創的な振り付けで観るものの心を踊らせ、最後のコンビネーションスピンにも気持ちが入っていました。
よく滑り込んでいて、完成度の高いプログラムですね。特にステップの振り付けはお見事。
SPは63.63(33.20・3043)
今季はやや体が大きくなったように見えますし、それでジャンプがやや大変になっているのかもしれませんけど、スピードを生かして、思い切って踏み切れば、回転不足も少なくなるはずです。
FSでも攻めの演技に期待しましょう!

得意の3T+3Tで珍しくオーバーターンしてしまったエリザベータ・トゥクタミシェワですが、シンプルなシットとビールマンを確実に回り、後半冒頭の3Lzも無事成功。
ステップではターンを多用しながら『ピアノ協奏曲第23番』の雰囲気を作って、タノ2A、アップライトスピン、最後は妖艶な指さしでジャッジと観客を誘惑しながらのフィニッシュ。
しかし、悪いところもなければ良いところもないというなんとも微妙な演技。3Aを跳びませんし、コンビネーションジャンプが後半にあるわけでもないので、見所もありません。
SPは64.88(33.88・31.00)。
みなさん、2シーズン前の世界女王だったことをお忘れなく!
ジャンプが決まればまだまだ怖い選手です!

年々大きくなる自分の体と格闘し続けているエレーナ・ラジオノワ(ロシア)は、ぎこちない感じの3Lz+3T(URか)でスタートするも、力感のあるキャメル、独創的なコンビネーションスピンで『ポーギーとベス』の自由で即興的な雰囲気を作ると、後半はスピードに乗っての3Lo、苦手な2Aも丁寧に着氷。
ステップではネコ科の動物を思わせるしなやかな動き、独創的な振り付けで魅せて、見事なビールマンで大いに盛り上げての終幕。
このステップはよく作り込まれていて、本当に面白かったですし、ひとつの作品になっていました。ラジオノワの表現者としての自負を感じさせます。
SPは70.75(36.81・33.94)。
ジャンプのバランスはまだしっくりきていないのだとは思いますけど、FSではどうにかまとめて欲しいものです。
体型変化なんてねじ伏せろ!

アメリカ大会で3位となり、期待と注目が集まる三原舞依さんですが、そのプレシャーを感じさせない流れるような3Lz+3Tでのスタート!
的確なシットスピン、深いエッジで彩ってからのコンビネーションスピンも質の高いメカニック、大きくリンクを滑りながら突入した後半も2Aをすっきり決めると、派手さはないものの一糸乱れぬビールマン、ステップではボディコントロール、エッジワークともに丁寧で安定品質、そのいい流れからの最後の3Fもよし!
本当によく滑り込まれた『序奏とロンド・カプリチオーソ』でした。三原さんが細かい振り付けを真面目にこつこつ練習してきたのが伝わってきます。心に沁みる演技でした。アメリカ大会で着氷が乱れた3Fが決まったのもよかった!
SPは68.48(37.37・31.11)でパーソナルベスト!
三原さんは基本的な技術力が高くて本当にいい選手です。今季シニアデビューということで表現面ではまだ課題がありますけど、
それも楽しみな伸びしろですね。
また、インタビューの受け答えも素直そうで好印象。真面目な演技といい、ジュニア選手のいいお手本になるんじゃないでしょうか!

SPの結果、1位オズモンド、2位ラジオノワ、3位三原さん、4位トゥクタミシェワ、5位ワグナー、6位本郷さん。
実力とSPのリードからいってオズモンドとラジオノワは表彰台が濃厚ですけど、もう1枠は混戦といっていいでしょう。6位までの選手なら全員チャンスがあると思います。
もちろん、三原さんと本郷さんの頑張りに期待!
2人で強豪の壁を突き崩せ!
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