2016GPS中国大会、男子シングル 中国人に同情

この2016GPS中国大会の男子シングルは、日本選手が出場していないということで、日本国内ではかなり注目度が低かったと
思うんですけど、パトリック・チャンと金博洋という日本男子のライバルの調子を見るという意味でも、やはり見逃すわけにはいかない試合でした。
チャンは今季導入の4Sを跳ぶことができるのか、金博洋は前のアメリカ大会の不調(245.08の5位)から脱することができるか。
この大会で今季の男子シングルの行方がある程度占えるというものです。
では、そんな興味深い中国大会の様子を簡単に振り返ってみたいと思います。

チャンと金の2強の実力が頭ひとつ抜けるなか、予想の難しい3位争いでしたが、昨季の世界ジュニア王者ダニエル・サモーヒンはSP83.47の2位という好位置につけるも、FSで4回転を2度転倒、1Aに抜けるのが2本という悔しい内容でトータル213.51の総合8位。
ハンサムでやんちゃな選手なので、成績が上がってゆけば人気者になるとおもいますけど、怪我をしないように気をつけて欲しいですね。

ホームの声援を力に変えたかった閻涵は、SPで4Tを成功させるも、1Lzでコンボなしというミスを犯して8位に沈むと、FSでも4Tのステップアウトとパンクした1A(コンボならず)で巻き返すことはできずにトータル230.19の総合5位。
金博洋の陰に隠れてすっかり存在感が薄くなっちゃっていますけど、まだ20歳(22歳説も)なんですから、奮起を促したいものです。
ジュニア時代の輝きが年々失われるのは寂しすぎ!

膝の痛みで苦しんだ昨季と打って変わって好調なセルゲイ・ボロノフ(ロシア)は、4T+3Tを決めたSPで82.93の4位というまずまずの位置につけると、FSでは2本目の4Tが3Tになっただけであとはノーミスという素晴らしい内容。
ジャンプ・スピン・ステップともに技術が安定し、その余裕から表現面での掘り下げができているのですから、脅威の29歳はまだまだ進化の途上です。トータル243.76で総合3位!
ちなみに同じロシアのマキシム・コフトゥン(21歳)は221.43で7位。コフトゥンが伸び悩んでいるのを見ると、どちらが若手なのかわかりません…。

そして金博洋です。
アメリカ大会では4回転が思うように決まらず、どこか怪我でもしているのかと不安でしたけど、この中国大会のSPでは4Lz+3T、3A、4Tとしっかり決めて96.17(TES57.02・PCS39.15)の首位。
ビッグジャンプを次々と決めたことで会場も大いに盛り上がり、それに煽られて『スパイダーマン』の演技も元気いっぱいでしたし、中国観客と金博洋にとって、本当に幸せなSPでした。ホームっていいですねえ。
優勝の期待が高まるFSでも、こらえながらの4Lz、クリーンな4S、荒々しい3A+1Lo+3Sという上々のスタートに、会場のボルテージはいきなりMax。
『道』のおかしなお遊戯でも観客を楽しませ、本当にいい雰囲気のなかでしたけど、後半冒頭の4Tは緊張感のある助走から転倒。
それでも勝負どころの4T+2Tは執念で降りて、ホームの期待を裏切らなかったのは立派。
終盤の3Lz+3T、3A、3Fもしっかり揃えて、本当に気持ちを感じる演技でした。
本人も手ごたえがあったのか大きなガッツポーズ、会場は割れんばかりの大歓声、優勝したような大騒ぎでした。
FSは182.37(104.57・78.80・減点1)、合計278.54。
課題の表現面とジャンプの質の部分がいまひとつだったため、あまりスコアは伸びませんでしたけど、まずまずといってところでしょう。4回転の調子が戻ってきて本当に良かった!

パトリック・チャン(カナダ)は、柔らかい身のこなしと絶品のスケート、的確なボディコントロールで惚れ惚れするような『ビートルズメドレー』を披露するも、4T+3Tでお手つき、3Aステップアウト、2Lzというジャンプミス連発でSPは83.41(38.92・44.49)の3位。
今季は苦手の3Aだけではなく、3Lzの調子が悪いのが気になりますね。
(※お手つきの4T+3TにGOE+0.4ついていたのは”さすが”P・チャン。私も震えるほど驚きました。常識外れですね。)
こうして金博洋に大差をつけられてのFSでしたけど、完成度高い4T+3T、エッジが深くてぞっとするほど綺麗なスケーティングからの3Aも珍しく綺麗に決めて、会場はびっくりした感じの盛り上がり。
しかし、習得中の4Sは踏み切りが弱く、回転不足気味の転倒。あまり跳べる感じがしませんね、練習ではどうなんでしょう。
普通はこの転倒で”勝負あり”という感じですから、チャンも気持ちが軽くなったのか、どっしりとしたキャメルスピン、コレオでも緩急自在に音楽を表現して本当に見惚れました。
そして大事な後半冒頭の4Tはやや詰まるも気合で着氷し、3A+2Tは変なバランスでしたけどチャンにしたら立っただけで十分、そこからも3Lo、気になる3Lz+2T+2Lo、3Fと揃え、深いシットスピンからの、ステップシークエンスはスケートがどこまでも
伸びていって、それがどんどん透明になってゆくような美しさ。まさに『A Journey』でした。ブラヴォ!
本当に演技は素晴らしかったですし、ジャンプも前のカナダ大会からずいぶん改善されてきて、これならばまだまだフェルナンデスや羽生結弦にプレッシャーを与えられるというものです。
まあ、ただ、今回は金博洋の勝ちでしょう。SPでの差もありますし、FSでのチャンは4Sで転んで、後半のジャンプもそこまで出来がよくなかったですからね。
なんて思っていたら、FS196.31(104.31・93.00)、合計279.72で、金博洋をわずかに上回っての逆転優勝。
いくらなんでもこれは高すぎ。
プロトコルを見ると、4Sに回転不足が付いていなかっただけではなく、技術要素の加点が多すぎ。めちゃくちゃなことをしますね。
金博洋と中国のフィギュアファンには心から同情します。ホームで地元選手がこんな酷い目に合うなんて記憶にありませんよ。
私が中国人観客ならば席を立って帰ります。そしてもう二度とフィギュアの国際大会は観に行きません。

こんなことがNHK杯で起きたら、と想像すると本当にぞっとします。
フィギュアスケートの舞台裏って、いったいどうなっているんですかね。
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