2016NHK杯、男子SP 同学年揃い踏み

この2016GPSNHK杯の注目は、何といっても羽生結弦。
前のカナダ大会では新技の4Loの失敗などが響いて2位(SP4位・FS1位)に沈んだ羽生結弦ですが、昨季も初戦の2位(SP6位・FS2位)から第2戦のNHK杯でSP・FSで世界最高得点を揃えての完全無欠の優勝を遂げたことを我々はよく憶えています。
そしてまた我々は今季もそれと同じ上昇曲線を描くと確信をしているわけです!
というわけで、まずは本日11月25日の男子SPを簡単に振り返ってみたいと思います。

昨季の金博洋に続いて羽生結弦に挑む若きクワドモンスターはアメリカのネイサン・チェン。シニアデビューだというのに4回転を4種類装備しているという正真正銘の怪物です。
そのSPは怪物ならぬ『海賊』だったわけですけど、冒頭の4Lzで回転不足気味に転倒したものの、緊張感のある助走からの4Fにしっかり+3Tをつけてのリカバリーはお見事。
しかし、シットスピンのあとの大の苦手としている3Aはお手つきステップアウト。これが跳べるようにならないと4回転の貯金を吐き出すことになります。
また、このネイサン・チェンは4回転だけの選手ではなく、スピンも安定していますし、ステップシークエンスの動きも綺麗で、スケーティングやフットワークの技術も若い割にしっかりしていて、”頂点”を狙う野心に溢れているといっていいでしょう。
ただ、音楽をあまり聞いていない感じなのが残念。3Aとそこの部分を強化すればとんでもない選手になるのは間違いありません。
SPは87.94(TES48.55・PCS4039)。
4Lzの回転不足(UR)を取られなかったおかげでそこそこスコアが出ました(※女子SPもそうでしたけど回転認定は甘めかも)。
これで初の表彰台が見えてきたかも。

田中刑事くんは前のロシア大会で2Sになって「転倒してもいいから思い切りいけばよかった」と後悔した冒頭のジャンプをステップアウトしながらも4Sで着氷、続いては自信に満ちた3A!
やや緩いシットとキャメルで前半を終わらせ、後半はやや苦手にしているコンビネーションでしたけど、3F+3Tを的確に着氷!やった!
ステップでは上半身と下半身のバランスも良く、軽い身のこなし。音楽が盛り上がったところでの攻めも激しく、決める部分も大胆に
決め、大いに魅せる『ブエノスアイレスの春』でした。
最後のスピンを回ったあとは、同郷の先輩・高橋大輔をリスペクトするようなポーズでフィニッシュ!
SPは80.49(42.14・38.35)。
大舞台に弱いところのある刑事くんですけど、今回は気持ちで勝ちましたね。
FSでもこの調子で攻めて、初の表彰台だ!

今大会の外国勢ではナンバー1の実力者ジェイソン・ブラウン(アメリカ)でしたけど、冒頭がダウングレード気味の4Tになると、3Aも詰まった感じで軽く両足着氷、後半も3Lz+2Tのステップアウトでジャンプが不調。
作り込まれた振り付けや、ねぶるようなスケート、得意のスピンやステップで『ライティングズ・オン・ザ・ウォール』(映画『007スペクター』)を彩るも、スコアメイクに苦しみましたね。
SPは74.33(31.80・42.53)。
ステップにいつもの鮮やかさがなかったり、最後のスピンが緩んだりと、らしくなかったので、持病の腰痛が心配です。

第2グループの6分間練習でまず会場を沸かせたのは羽生結弦。
ジャージを脱ぐと、その下に新衣装が隠れていたので観客は大喜び。
今日はNHKが中継していたので、老若男女が観ていたと思うんですけど、長嶋茂雄監督が背番号3を披露したシーンを思い出したひともいるかもしれません。
羽生結弦は4Loを決めてみせてさらに会場をヒートアップさせたのはもちろん、スケーティングのエッジが深く、そこでも大いに観客の目を引いたのではないでしょうか。今季は尻周りを中心に下半身がよく鍛えられていますよね。

その羽生結弦と同じグループで滑るのは子供の頃から競い合ってきた日野龍樹くん。
日野くんは欠場した山本草太くんの代役でこれが初のGPSですが、このチャンスをぜひ生かしてもらいたいものです。
緊張感のあるなかでまずは3Lz+3Tを決めると、3Aは軸が斜めになりながらもなんとかこらえた!これは大きい!
キャメルとコンビネーションスピンでは会場からの応援手拍子で元気をもらい、後半の3Loも着氷すると、勢いのいいシット、ステップでは細かいフットワークと丁寧な振り付けで気持ちを込める『アルメニアン・ラプソディ』。
要素もたくさん詰め込んで、ここはよく作り込まれていました。以前に比べて上半身に動きが出るようになってきたのも良かったと思います。
そうしてノーミスで演技を終えると、会場は爆発したような雰囲気。
そして日野くんは胸を押さえ、溢れるものをこらえるような表情。
多くのフィギュアファンは日野くんにずっと期待してきたことでしょうし、その日野くんが立派なGPSデビューを果たしたわけですから、日野くん同様、胸が熱くなったに違いありません。私もぐっときました。
SPは72.50(37.82・34.68)でパーソナルベスト!

そしていよいよ羽生結弦のリンクイン。
会場が期待と緊張で埋め尽くされるなか、『Let's Go Crazy』が鳴り響き、まずは注目の4Lo!
これは惜しくもステップアウトするも、羽生結弦は悔しがる様子もなく、戦う男の表情で4S+3Sへ、これは完璧!煌めくような飛翔!
テンションを保ったままの鋭いキャメルスピン、音楽に合わせて踊ってから入った後半のカウンター3Aはジャンプが鮮やかなだけではなく、着氷後に足上げをする余裕。こんな3Aは世界中で羽生結弦しかできません。これだけでひとつの芸術です。
深いシットスピンの流れから入ったステップシークエンスでは、観客を狂わせる大胆な振り付けばかりではなく、下半身の安定により、ボディバランスや足元の技術も冴えを見せる完成度の高さ。
会場も大いに盛り上がり、それに乗って羽生結弦のダンスもより輝きを増すのですから、やはりホームは最高です。
そうして最後のコンビネーションスピンを複雑に回り終えた羽生結弦は、舌を出して、指で「あとちょっと」と示しながらかなり悔しそう。
NHK杯ということもあって4Loは練習のときより力んじゃいましたかね。
まあ、しかし、上々の内容だったと思います。
このSPは繋ぎで埋め尽くされた濃密で難度の高いプログラムですから、そこに2本の4回転を加えているだけで驚きなんです。
羽生結弦は、ジャンプだけではなく、あらゆる部分でまだまだ進化を遂げていることを日本中に証明して見せました。
プログラムの全ての面で妥協を許さない姿勢こそが羽生結弦の真骨頂です。
SPは103.89(57.35・46.54)。

羽生結弦は大会前に、同学年の刑事くんと龍樹くんと一緒に滑れることを「ひじょうに嬉しい」と語っていましたけど、SPでは3人ともいい演技を見せてくれました。
FSの後でも、3人が笑顔を揃えているといいですね。
それを日本中のフィギュアファンが待っています!
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