2016GPF、男子SP 狂わせた!

今年2016グランプリファイナルの開催地はフランスのマルセイユということで、同じ欧州のスペイン人であるハビエル・フェルナンデスは大人気。試合前の彼の紹介のときの会場の盛り上がりといったらありません。何しろフェルナンデスは2年連続世界王者ですし、他の選手は引き立て役にしか見えないのでしょうね。
ただ、フェルナンデスは昨年と一昨年のスペイン開催では連続2位という残念な結果に終わっていることも忘れてはなりません。
大会は終わったときにその真の主役がわかるのです。

そんな男子SPですが、先頭で登場したフェルナンデスは冒頭の4T+3Tをものの見事に決めたものの、次の4S大きくオーバーターンして転倒ぎりぎり、『マラゲーニャ』のフラメンコで繋いだ後半冒頭の3Aでもステップアウトしてブリッジで堪えるも、おそらく転倒扱いでしょう。
情熱的なステップシークエンスでは激しい左右のターンでフェロモンを振りまいていましたけど、本人もがっかりくる演技になってしまいました。
SPは91.76(TES47.45・PCS45.31・減点1)。
ちょっと厳しいスタートンになっちゃいましたけど、動き全体は力強くて、キレもあったので調子は良さそう。
本人もFSで十分巻き返せると思っているのか、キスクラではおどけた表情。王者の余裕ですかね。

フェルナンデスのミスで会場が静まり返るなか登場したパトリック・チャン(カナダ)は綺麗なマイムからの伸びやかなスケート、上半身も美しく脱力していて、一気に自分の世界を作ります。
そして冒頭のコンボは4Tがやや詰まるもしっかり+3T、苦手としている3Aもこの日は軽々と決めて上々の序盤。
翼を広げるようなステップではスケートの深さと柔らかい股関節による自在のボディバランスで、まるで空を飛んでいるよう。
後半の3Lzも綺麗に着氷し、キャメルスピン、大きくリンクを回ってからの力強く正確なコンビネーションスピンで、ほっとしたようなフィニッシュ。
いやあ、心の底から堪能しました。純度の高い流れるような演技でしたね、ブラヴォ!
SPは99.76(52.66・47.10)でパーソナルベスト!
チャンがこれまで行ったSPのなかでも屈指の内容だったと思いますし、男子フィギュアの歴史でいっても教科書に載せたいような演技でしたけど、ハビエルファンの多い会場は大して盛り上がらないのですから、本当に残念です。

日本が誇る若き天才・宇野昌磨は集中したいい表情で滑り始めると、冒頭の4Fをフリーレッグで上手く捌いて着氷して会場をどよめかせたものの、次の4Tは回転不足で転倒してコンボにならない痛すぎるミス。
しかし、美しいキャメル、軽やかなコンビネーションスピンで流れを取り戻すと、力強いスケートで入った後半のイーグル3Aは爽快!降りにクリムキンイーグルを挟む余裕も。
見せ場のステップでも背筋で支えて四肢を柔らかく自由自在に操り、エッジワークも冴えを見せ、さすがといいたくなる内容。
締めのコンビネーションスピンでは劇的にポジションが変化し、最後は一輪の『ラヴェンダー』となって美しく物語を終わらせていました。
リンクを降りるときにコーチに手を引かれていたので足を怪我したのかと思いましたけど、キスクラでは笑顔が出ていましたし、靴のトラブルでしょうかね。ヒヤッとしました。
SPは86.82(4438・43.44・減点1)。
これで表彰台は厳しくなりましたけど、FSではノーミスに期待しましょう!まずは200点超えだ!

4種類の4回転を武器に初の初のGPFに滑り込んだネイサン・チェン(アメリカ)でしたけど、最初の4Lzにターンが入る+3Tになると、次の4Fも豪快な転倒。
それでも17歳の若さが溢れるキャメルスピン、『海賊』に合わせて生き生きと滑っていった後半では苦手の3Aを慎重に着氷。
これで気が楽になったのか、シットスピンもいい回転、曲調が盛り上がってのステップでも鮮やかな滑り、スケートも上手い。
若さの勢いと同時に、姿勢がよくて品がある選手なので観ていて心地いいですよね。
最後のコンビネーションスピンもジャンプミスの悔しさを叩きつけるような鋭い回転でした。
SPは85.30(45.62・4068・減点1)。
思ったより低いスコアにネイサン・チェンも顔を強張らせていましたけど、プロトコルを見るとその原因は4Fの回転不足判定(UR)とスピンのレベルの取りこぼし。
やや厳しい判定な気もしますけど、技術的に突き詰めていって欲しいですね。それが王者を目指す者の試練です。

タンクトップ姿が眩しいアダム・リッポン(アメリカ)は、不敵に笑いながら鍛えられた体を見せつけると、まずは3F+3T、深いエッジで『Let Me Think About It』を彩ってからの3Aはややこらえながらの着氷。
演劇的なコンビネーションスピン、ヴォーカルに乗って後半へ入ると、ウォーレイを挟んでのリッポン3Lz!
技巧的なキャメル、鋭いターンからのステップではよく音楽を捉え、まるでショーのよう。
エッジと体の使い方も深くて、技術の高さも見せつけていました。
そうして曲に合わせたコンビネーションスピンでノーミスのSPを終えたリッポン本人も手を叩いて喜んでいましたけど、ベテランらしい完成された演技でした。いやあ魅せますねえ。
そして観客に手を振る際に見えた脇の下もつるつる。この処理もさすが。
ところがSPは83.93(4137・4256)という低評価。
アダムもこれには闇の深い表情を見せていましたけど、原因は+3TのUR判定。
なんだかこの大会はアメリカ勢に厳しいですね。

そして大トリはこのひと、求道者とアイドルの二面性を持ち、稲妻のような演技で我々を痺れさせ続ける雷帝・羽生結弦。
日の丸のバナーが揺れるなか、電光石火の勢いで『Let's Go Crazy』をスタートすると、鋭いイーグルを挟んでの4Lo!これは軸が前に傾くもなんとか堪えた!
そこからは柔らかい股関節で繋ぎ、ターンからすぐの4S+3Tは完璧!
そして、しなやかなキャメル、軽やかに踊って会場を沸かせると、後半は素晴らしい加速からの稲妻のような3A!全てを破壊する!
ハイドロを挟んでの鋭いシット、スピード感抜群のステップは動きもキレキレ、エレキギターに乗って観客を煽るハイドロはまるでロックスター。
今季の羽生結弦はスケーティングや表現面でもさらない成長を見せ、それがベースにあるステップは素晴らしい内容ですね。
最後は大胆なコンビネーションスピン、触れれば切れるような危険で表情でフィニッシュ!
雷様が自家発電で会場を音楽ホールに変えたような、賑やかでめちゃくちゃ楽しい2分40秒でした。観客を存分に狂わせましたね!
この『Let's Go Crazy』は、羽生結弦のなかにある爆発しそうなエネルギーをよく表現できていると思いますし、羽生結弦を代表するプログラムのひとつになるのではないでしょうか。振り付けのジェフリー・バトルとは本当にいいコンビです。
そのように上々の内容でしたけど、本人は4Loが上手くいかなかったことで少し悔しそう。この姿勢もまた羽生結弦。
FSではこれをエネルギーにさらなる爆発が待っているに違いありません。
SPは106.53(59.18・47.35)で堂々の首位。
GPF4連覇の偉業がはっきり見えてきた!
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