2016クラブW杯、夢と誇りの鹿島アントラーズ

日本がまたプロのサッカーと縁遠かった時代、我々に1年に1度の夢を見せてくれていたのは、欧州王者と南米王者が戦うトヨタカップでした。
それから日本はJリーグが開幕し、W杯に出場し、そして開催し、いつの間にか世界の一員にはなり、その間にトヨタカップはクラブワールドカップと名称を変え(2000年)、世界各地のクラブチームに門戸が開かれたわけです。
日本のクラブがこの大会に出場するためには、アジア王者となるか、開催地が日本だった場合の開催国枠(J1王者)しかありません。そのなかでの最高成績は07年の浦和レッズ、08年のガンバ大阪、15年のサンフレッチェ広島の3位でした。これは立派なものです。
しかし、前身がトヨタカップであるだけに、クラブワールドカップも、”決勝が本番”というイメージが消えません。
その決勝戦でいうと、2015年まで13回のうち、欧州と南米以外が進出したのはアフリカ王者の2回のみ。
日本にとっては届きそうで届かない、遠い遠い夢の舞台でした。

それが今年2016年の日本大会では、開催国枠で出場した鹿島アントラーズが開幕戦でオーストラリアのオークランドシティを退けると、準々決勝はアフリカのマメロディ・サンダウンズをも下し、準決勝では下馬評不利のなか、南米王者アトレティコ・ナシオナルを3-0で撃破するという大波乱。
そして迎えた決勝の相手は”白い巨人”レアル・マドリード。
いわずと知れた世界ナンバーワンのメガクラブです。

この対戦が決まったとき、「レアルと試合が出来るだけで光栄」、そう思った日本のサッカーファンも多かったことでしょう。私もそのひとりです。
しかし、試合前日の記者会見に臨んだ鹿島の柴崎岳は違いました。
「勝てると思っていますし、僕らは夢を与える職業なので、子どもたちやサポーターにそういった夢、勝利を追わない姿は見せたくない」と胸を張ると、「自分たちのキャプテン(小笠原満男)はいつも2位も最下位も同じだといっている」と少し笑いながら、鹿島に根付く”ジーコスピリッツ”を語っていたわけです。

そしてその言葉は嘘ではありませんでした。
12月18日に行われたクラブワールドカップ決勝、前半早々に失点してしまった鹿島ですが、粘り強い守備でその後を耐え凌ぐと、いくつかのチャンスも作り、前半終了間際には柴崎のゴールで同点!
これだけでも十分驚きなのですが、後半が始まってすぐの7分、先に勝ち越しゴールを奪ったのはなんと鹿島!
バイタルエリアでボールを受けた柴崎がディフェンスに体を寄せられながらも前進すると、そのまま左足を振り抜いての素晴らしいゴール!
この瞬間、”クラブ世界一”は夢ではなくなった!

このゴールで日本のみならず世界中のサッカーファンが世紀の番狂わせに心を躍らせたわけですが、後半15分に鹿島はもったいない形でレアルにPKを与えてしまい、それをCロナウドが決めて同点。
それをきっかけにレアルはギアを上げてきて、一方的に押し込まれるようになって、「これは大差になるかも…」という恐怖が沸き上がってくるところでしたけど、鹿島の選手たちは勇気を奮ってそれを跳ね除けると、レアルにゴールを割らせません。
ベテランGK曽ヶ端準は神がかっていましたし(今大会中ずっと)、この大会で一試合一試合成長してきた
若きディフェンスリーダー昌子源はワールドクラスの守備をしていました。
すると、後半終盤はレアルがやや息切れしたこともあって、鹿島はいくつかの惜しいチャンスメイク。
いや、ほんと、優勝カップに小指がかかったといってもよかったと思います。
レアルは、監督のジダンも選手たちも何度か負けを覚悟したはずです。試合開始当初は余裕があった表情が、同点の前半で強張り、鹿島の勝ち越しゴールや終盤の攻めでは青ざめていましたからね。

ただ、90分で決着が付かずに突入した延長戦では、8分にベンゼマからの図ったようなスルーパスに反応したCロナウドが勝ち越しゴール。ここは「さすがレアル」としかいいようがありません。
もちろん、鹿島に諦めるという言葉はなく、激しく戦い、11分にはFKからラッキーボーイ鈴木優磨のヘッド!
しかし、これは無情にもバーを叩き、同点ならず。
すると14分、クロースの強引なミドルのこぼれ球にCロナウドが素早く反応してハットトリック。スコアは2-4。
延長後半に入ると、この2点差と連戦の疲労からか鹿島の動きも鈍り、死力を尽くしたものの、ゴールネットを揺らすことなく15分が過ぎ去り、燃え尽きたような敗戦。夢は叶いませんでした。

しかし、この試合が日本サッカーにおいて大いなる意味を持ったことは確かです。
鹿島は、Jリーグのクラブは世界のなかでも十分に高いレベルにあり、どこに出しても恥ずかしくない試合が出来ると、世界中に示してくれたのです。
この試合で、鹿島と日本サッカーは、世界中のサッカーファンや関係者から間違いなくリスペクトを集めたことでしょう。
我々は我々のサッカーに”誇り”を持っていいんです。
欧州メガクラブのレプリカユニフォームを脱ぎ捨ててもいいんです。

先にJリーグがイギリスの動画配信大手と結んだ2100億円契約もありますし、日本サッカーは確実に変革の時を迎えたといっていいでしょう。
日本サッカーの今後が楽しみでなりません!
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