2016全日本フィギュア、男子SP 誰が欠けても

2016年の男子シングル日本勢は、GPFで羽生結弦が優勝、宇野昌磨が3位ということで、一見華やかに見えますが、国際舞台での”選手層”という意味では、味のあるベテラン村上大介くんと今季シニアデビュー予定だった山本草太くんが怪我でシーズンを棒に振っているために、どうしても手薄。
この全日本(12月22日~25日)も、エントリーを見ているだけで寂しくなってきます。この2人がいれば表彰台争いもより熾烈になるのに…。
なんて思っていたら、21日に羽生結弦がインフルエンザによる欠場を発表。これには多くのひとが悲鳴を上げたはずです。この大会は、5連覇を狙う羽生結弦に宇野昌磨が挑むという、世界のフィギュアファンが羨む構図でしたからね。
しかし、こうなれば宇野くんが頑張るしかありません。
「羽生結弦がいなかったから優勝できた」ではなく、「羽生結弦が出場していても優勝したかもしれない」と思わせる演技内容で、自分が”次世代エース”ではなく、”羽生結弦のライバル”であることを満天下に示すのです!
というわけで、まずは23日に行われた男子SPを簡単に振り返ってみたいと思います。

全日本といえば、どうしても優勝争いと表彰台争い(世選代表争い)にばかり注目が集まりますけど、将来有望なジュニア選手や、競技の集大成を迎える大学生選手たちの熱の籠った演技もまた見所です。
とりわけ私は長野市に越してきてから毎年、全中フィギュアを楽しみにさせてもらっているので、あどけない少年だった選手たちが、いつの間にかしっかりした青年に育ち、自分なりのフィギュアスケートを表現できるようになっている姿に、心揺さぶられる思いがします。
そこには損得抜きにスポーツと向き合うアマチュアリズムの価値があります。それこそが全日本のクリスマスプレゼントですね。

そんななか、事実上のプロフェッショナルとして、違いを見せなくてはならないのが宇野昌磨。
しかし、冒頭の4Fでステップアウトしてしまってセカンドに繋げられず、次の4Tもそれを引きずる形での転倒。
既定ジャンプをミスしたことで大きく減点を食らってしまい、普通は動揺するものですが、宇野くんはリズムを崩すことなく正確なスピンを2つ重ねると、後半はイーグルからの3Aの降りにクリムキンイーグルを付けるのですからなんというメンタルの強さ。
ステップシークエンスはいつも通りしっかり踏んで、『ヴァイオリンと管弦楽のためのファンタジー』の儚げな美しさを門真のリンクに咲かせ、どうにか盛り返したといっていいでしょう。
SPは88.05(TES44.83・PCS44.22・減点1)。
今回と似た内容ながら4Fを成功したGPFでは86.82だったので採点は甘めですね(他選手も同様)。
演技後の宇野くんは自分に呆れたような表情をしていましたけど、FSでは気合を入れ直さなければなりません。
宇野昌磨が宇野昌磨であるために。

今季はここまで調子が上がらず、表彰台争いも難しいかと心配された無良崇人くんですが、冒頭の4Tをやや乱しながらも着氷すると、彼らしい大きな3Aで流れを掴み、後半の3Lz+3Tもよし、床を踏み鳴らす音だけが響くシンプルなステップシークエンスでは体を強く大きく使って、男臭さを前面にアピール。
まとまった演技に軽く拳を握ってのフィニッシュ。調子は上向き!
SPは90.34(47.27・43.07)。
表現面での評価も高く、これならFSでも宇野くんと十分に張り合えそう。
なんだか面白くなってきました!

山本草太くんの代役として初出場したNHK杯でパーソナルベストを叩きだし、一皮むけた感じがした日野龍樹くんは、このSPでも3Lz+3T、3A、3Loを的確に成功させ、ステップシークエンスでは堂々とした滑りのなか、審判席にウィンクする余裕も。
これまでは丁寧さが慎重さに繋がって演技が小さくなりがちでしたけど、少しずつ大胆になってきましたね。最後のガッツポーズも派手だった!
SPは78.65(41.87・36.78)。

当初、この大会の田中刑事くんは、無良くんと激しい表彰台争いを繰り広げると予想されていましたが(2人のSBはほぼ同じ)、羽生結弦の欠場によって初表彰台を現実的に捉えてのSPスタートです。
最初の4Sは思い切って跳んでステップアウトするも回転は大丈夫そう、3Aは鮮やか、スピンを落ち着いて回ると、勝負がかかる後半の3F+3Tも成功!
これで気持ちが楽になったのか、『ブエノスアイレスの春』の高鳴りに共鳴したように体もよく動き、イケメンなステップシークエンスで観客を魅了すると、最後のスピンも集中して回り、フィニッシュポーズもばっちり決まった!
同学年の日野くんもNHK杯で一皮むけましたけど、それは刑事くんも同じ。2人とも演技に入りこめるようになってきました。
SPは85.68(45.21・40.47)。
FSでは、もうひとりの同学年・羽生結弦に「待ってろよ!」というクリスマスカードを届けたいですね。

いやあ、欠場選手が多くてどうなるかと思いましたけど、やはり全日本は白熱します。
結果を求めるだけではなく、ひとりひとりが己の誇りを賭けて戦う舞台、それが全日本フィギュアなんですよね。
我々日本のフィギュアファンは本当に幸せです!
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