漫画編集者を平等に

昨日1月10日(2017年)、妻を殺害したとして逮捕された講談社で『モーニング』の編集次長の事件ですが、一部のメディアが「『進撃の巨人』の編集者」との見出しを打ったことでよりショッキングなものになると同時に、「その見出しは必要なのか?」という疑問がネット上で囁かれています。
確かに、どの作品を受け持っていたかというのは事件とは直接関係がないでしょうし、新聞記者やテレビ局職員などによる事件では、容疑者が何を担当していたかなどは報じられませんから、それに比べるとかなりおかしな感じがします。
しかも、この朴鐘顕(パク・チョンヒョン)容疑者は、どうやら『進撃の巨人』の編集者ではなく、それが連載されている『別冊少年マガジン』の創刊の中心人物であり、その後は編集長待遇にあった人物だというのですから、報道そのものが間違っている可能性が高いわけです。
ちなみに、『進撃の巨人』の編集者は別にいて、ネットメディアの取材も受けているのですぐにわかります。
朴鐘顕容疑者は、編集長として『進撃の巨人』の連載の最終判断を下したという意味で、一部のメディアは「編集者」としたのだと思いますけど、これは見出し作りのための”誇大広告”といっていいでしょう。セコイやり口です。

また、”漫画と殺人事件”でいえば、捕まったのが少年だったりすると、「容疑者の自宅には何々という漫画が置いてあった」というような報道もよくありますよね。
その漫画はたいてい暴力的であったり猟奇的だったりして、マスコミは”漫画の影響を受けた”というムードを作ろうとするわけです。
今回の『進撃の巨人』も残虐描写が特徴といわれる漫画ですから、マスコミからしたら格好の獲物だったことでしょう。自分たちが巨人になって人間を捕食しているつもりかもしれません。
しかし、報道を名乗るならば、より詳細な取材をするべきですし、犯人の人格形成について何かを語りたいのならば、家に置いてあった漫画だけではなく、取っていた新聞、よく観ていたテレビ番組、定期購読していた雑誌なども平等に追及すべきです。

それに、この朴鐘顕容疑者の事件は、彼がどんな漫画を担当してきたのかということよりも、去年の8月に起きた事件がなぜこの1月まで逮捕を待たなければならなかったのかということのほうが重要だと私は思います。
報道によれば、まず朴容疑者は「妻が自宅の階段から落ちた」といって119番通報したものの、その後、「階段で首をつって自殺した」と説明を変え、警視庁が調べたところ、事故・自殺を示す形跡が見つからず、周囲の防犯カメラでも第三者が侵入した様子が確認できなかったことから、夫である朴容疑者を殺害の犯人と断定して逮捕に至ったというのです。
直接の証拠は見つかっていないようですが、状況証拠は十分に思えるので、逮捕まで5ヶ月もかかったことは「長すぎる」としかいいようがありません。

なぜこんなに時間がかかったのか?
私でなくとも、朴容疑者の”バックグラウンド”が影響したと誰しもが思うはずです。
朴容疑者の経歴や立場はかなりナイーブなものだと思いますけど、もし警視庁がそれにびびっていたとしたら大問題です。
”捜査対象者”とみなされた人物が、その”バックグラウンド”によって”容疑者”になりにくいというのであれば、法の下の平等も何もあったものではありません。
マスコミはショッキングな見出しを考えている暇があったら、警察の対応について追及すべきです。

…まあ、マスコミもまた朴容疑者の”バックグラウンド”に気を使って、あまりつつきたくないのかもしれませんけどね。
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